複雑・ファジー小説
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- 平常学園生徒会
- 日時: 2017/11/18 08:53
- 名前: 金魚草 (ID: w5/O.XtY)
ここに一つの学園があった。
ここは平常学園。「平常」という名前の通り、どこにでもあるような普通の学園である。
ただし、一部を除いては。
この学園には生徒会があった。とは言いつつ、役員は生徒会長しかいなかった。ここの生徒会は仕事が多く、なりたがる人は会長を除いて誰もいなかったのだ。もはや選挙どころではなく、生徒会室の前には「生徒会募集中」と張り紙が貼られていた。
生徒会長の名は「黒井黒春」と書き、「くろいくろはる」と読む。身長170cmと、イケメンメガネで他の多くの生徒から人気があった。
彼もまた、平常ではない人間だった。
- Re: 平常学園生徒会 ( No.2 )
- 日時: 2017/11/24 21:35
- 名前: 金魚草 (ID: w5/O.XtY)
黒井は今日も働いていた。吐き気を催すような膨大な量の仕事を彼はせっせと片付けようとしていた。周りの人は彼が体を壊さないか心配していたが、かといって生徒会に入ろうとする人間はいなかった。
放課後、彼は体育館へ向かった。この学園では、体育は全て校庭で行う。雨が降ったら別の教科を行う。その理由は、体育館にいる他校生が原因だった。「私立極道高等学校」その名から想像できるように、不良ばかりの極悪校である。その学校の生徒の一部がここに住み着いていた。
「こんにちは。生徒会の黒井です。少しお話よろしいでしょうかー」
不良達は一斉に黒井の方を見た。
「どうもどうも黒井さん。俺は極悪高等学校生徒会長の永松です。」
いつの間にか黒井の後ろにツーブロックの男が現れた。背の高さは黒井と変わらないくらいで、不良とは思えないほどのいい笑顔で話しかけてきた。
- Re: 平常学園生徒会 ( No.3 )
- 日時: 2017/11/24 21:51
- 名前: 金魚草 (ID: w5/O.XtY)
極道高校の生徒会長を名のるその男は他の不良をのけて黒井に近づいた。
「すいませんね、うちのモンが他の学校なんかに住み着いて。こいつらには俺から強く言っときますよ。」
永松はに手で合図をし、不良達をどかした。
「話が分かる人で良かったです。ありがとうございます。」
黒井は不良が全ていなくなったのを確認して、生徒会室に戻ろうとした。
だがしかし、次の瞬間、黒井はその場に倒れた。
後ろにはバットを持った永松と、不良達が立っていた。
「残念ですけど会長さん、俺らはあの体育館気に入っているんですよ。不良がいるってだけでだーれも寄り付かない。結構住みやすいんですよ。」
永松は不気味な笑みを見せた。
- Re: 平常学園生徒会 ( No.4 )
- 日時: 2017/12/25 22:57
- 名前: 金魚草 (ID: w5/O.XtY)
「永松 涼介」極道高等学校の生徒会長、極道高校最強の男。凄く鍛え上げられたその肉体と多くの武器の扱いで、最強の名をほしいままにした。成績はよくないが、頭は切れる。
そんな男に金属バッドで殴られたのだ。国を背後に持つ警察だって、彼の暴力には手を出せない。それほどの力を持つ男に殴られた黒井は・・・・・普通に倒れていた。
「はぁ!?何でコイツ・・・」
「血すら流してねぇ、まるでつまずいて転んだだけのような・・・」
黒井は突然立ち上がった。
「イテテテ、後頭部はちょっとない。いたいなぁ」
「は、はぁ!?」
永松は混乱している。
「何でテメェ生きてんだよ」
「え?生きちゃダメですか?」
「コイツ・・・」
永松は構えた。
「どういうことだ、説明しろ」
「え、説明ですか?面倒ですね。」
- Re: 平常学園生徒会 ( No.5 )
- 日時: 2017/12/25 23:15
- 名前: 金魚草 (ID: w5/O.XtY)
前に書いたように、黒井は仕事のしすぎで、よく体を壊していた。だがそれも、小学生の時までの話だ。黒井の体は中学の頃から“異常”な進化を遂げていたのだ。黒井の大好きな仕事を完璧にこなすため、体が普通の人間以上の能力を得ていたのだ。
「まさか、そんなことがあるとは」
「いや、本当にあるんですよ。僕のように。」
突然、不良達が立ち上がった。
「永松さん!コイツは俺らが殺っときます」
「こんな雑魚相手に永松さんが構える必要ないですよ」
「おい、お前ら」
不良達が一斉に構えた。
「凄いなぁ、永松さん。他の生徒からの信頼が厚い。僕なんかー」
「やっちまえ!」
不良達が襲いかかる。ーーー瞬間、不良達は一斉に倒れた。
「畜生!やっぱりやられやがって」
「殺ってはないんで、安心してください。」
黒井は笑っている。
「小枝を蹴って一発でこんな大勢を、確かにコイツは“異常だ”・・・」
- Re: 平常学園生徒会 ( No.6 )
- 日時: 2017/12/25 23:35
- 名前: 金魚草 (ID: w5/O.XtY)
「よく見極められましたね。凄いです。」
黒井は笑顔を絶やさない。コレでも主人公だ。ラスボスではない。
「タイマンだ かかってこい」
永松は再び構えた。
「いいです。行きましょう。」
黒井は素早く走り、永松に蹴りを入れた。永松はバットを取り出して防ぐ。
「何処から出したのですか?」
「しるか、フン!」
永松は次はメリケンサックを出し、腕を伸ばして殴った。
(腕の関節を外す、ズ○ムパンチか。痛みを気合いでカバーするなんて。)
左で二発目、次は右によける。永松はバットで追撃する。黒井は受け身で体を守った。
(動きが単純過ぎるかな。お?)
黒井は時計を見る。
(いかん。そろそろ時間が)
「すきあり!」
ハンマー台を投げられ、黒井は倒れた。
「よし、トドメだ!」
しかしその瞬間、永松は固まってしまった。
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