複雑・ファジー小説
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- 【参加型】神世ノ描画≪参加神募集中≫
- 日時: 2017/12/15 14:23
- 名前: 名無し ◆r08xd6LXWg (ID: quLGBrBH)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2a/index.cgi?mode=view&no=983
神というのは案外溢れるほどいるものだ
これを読んでいる君もまた、神たる資質を秘めている
それを私は、一つ見てみたいと思った
——己が色を物語れ、主も神ならば容易きことであろう?
そう言って一つ、世界を作り出して見せた。
*****
・本スレ説明
はじめましての方は初めまして、私は現在諸事情により名無しですが、普段は小説とか書いているものです。
このスレは「主催者である私を除く、参加者たちだけで各自物語を書く」そんなスレです。
それにどんな意味が? と思う人がいるかもしれませんが、簡単に言えばこの小説にはメインストーリーがないのです。
つまりいつだって参加できる。他にも、デスゲーム系統ならば結末が縛られない、そしてジャンルにも縛られません。
ラブコメ、成り上がり、経営、冒険、貴方が好きなものをかけるんです。
・参加方法
URLにあるリク板のスレにてキャラシートを作成して投稿してください。
特に問題がなければ参加可能です。
・世界観
魔法、異能、学園、ダンジョン、魔物なんでもありな世界です。
別に魔王が世界を征服しようとしているわけでもないですし、かといって全くの平和でもありません。
適度に脅威があって、適度に平穏がある。そんな世界で、貴方達が作ったキャラがそれぞれ違った物語を歩むのです。
・単語説明(作者さんに縛られない共通設定を纏めて投稿していきます。不足だと判断した場合、追加していきます)
vol.1++ >>1
・参加神達
-サニ。さん
>>4 【霧隠 ヤマの素晴らしき引きこもり生活】(12/01 19:51)
-壱之紡さん
>>6 【黄昏の足音】(12/02 16:17)
-雲梯さん
>>2 vol.1『猫獣人の町と魔法授業』-1
>>7 -2 (12/6 20:14)
-YCの人
>>3 #とある秘境の都市、でもそこはダンジョンでもある
>>8 #都市ダンジョンは売り子も魔物
>>9 #端末を使い始める前の襲撃(1) (12/15 13:11)
-浅葱さん
-流沢藍蓮さん
>>5 〈Story1 天才魔導士の初日〉(12/02 14:52)
・お知らせ
そしてサニ。さんのまさしく己が色全開の投稿ありがとうございます。
12/5 しばしパソコンから離れておりましたすみません。
流沢さんの学園描写、もしかしたら今後誰かにつながるかもしれないものを開拓できる力はとても素晴らしいものです。
壱之紡さんの物語の始まり、なんととも良きものでこれからが本当に楽しみです。
12/15 更新が遅れて申し訳ないです。
- Re: 【参加型】神世ノ描画≪参加神募集中≫ ( No.1 )
- 日時: 2017/11/28 22:53
- 名前: 名無し ◆r08xd6LXWg (ID: quLGBrBH)
単語説明vol.1++
(リク板にあったものに少し補足を追加しています。多くはダンジョン、魔物についてや学園のシステムについてです)
-異能
その人(種族限らず)に生まれつき備わっている力、原理や力の源、何故持つものと持たざる者がいるのか?
研究は進んでいるが成果は上がっていないそうです。まずもって生まれる人が稀なのと方向性がバラバラなせいでしょうか。
例としては「炎操作」だったり「千里眼」だったり、ほんとのほんとにレアケースですが「精神操作」だったり「不老」だったりもいるようですよ。
使うと体力を消費したりするそうです。
-魔法
上記の異能を再現するべく研究されたところ生み出された技術です。
体内にある魔力を使って異能じみたことができますが、万能という訳ではありません。
魔力は属性で振り分けられており、その属性に従った魔法しか使うことはできません。それに自然回復こそしますが魔力は有限で、異能と比べたら効率が悪いと言えるでしょう。
魔力の多さ少なさも個人差があり、ほとんどなく魔法が使えないという人もいます。
--魔力属性
火、水、風、土、光、闇という基本的な6属性。
珍しい、氷、雷、重力だったり、変わり種の召喚(特定の場所の物を呼び出す)、金(鉱物を扱う)など。
もしかしたら、他の属性もこっそり存在しているのかもしれませんね?
ちなみに一般人は1つ、天才でも2つ、3つあれば化け物級です。
-多種族
この世界には多種多様な知的生命体が住んでいます。
人族からはじまり、獣人、エルフにドワーフ、竜人に魚人、虫人などなど。
とにかく様々な種族が住んでいる、ということをご理解いただければ結構です。
--種族説明
・人族:得手が特にない代わり不得手もない。器用貧乏かもしれない種族。人口割合最多を占める。
身体能力でいえば、周りよりも弱い。
・獣人:獣の特徴を宿した種族。犬なら鼻が利く、猫なら身軽だったりする。二足歩行というだけなほど獣の割合が多かったり、獣耳ぐらいしか人族と変わらなかったりとばらばら。ちなみに獣の割合が多い程獣人の中ではモテるらしい。全体的に身体能力が高いが魔法が少し苦手。
・エルフ:別名、森の引きこもり。自給自足して暮らすものが多く、あまり見かけない。寿命が周りと比べ長いため出生率も低い。そのためか、魔法の扱いにたけている。
見た目としては、人族の中では美形とされるものが多く、耳が少し長いのが特徴。肌は白いと噂されるが、案外そうでもない。
・ドワーフ:鉱山に付近に村を作り暮らしていることが多い種族。手先が器用とされ、鉱物を使った武器づくりやらアクセサリー制作を生業とするものが多い。
また幼いころから鍛えられているのか、とても力が強い。そして酒に強いものが多いとされる。
見た目的特徴としては肌が褐色に近く、また身長が低め。
・竜人:トカゲやらドラゴン、爬虫類を想起させる特徴を宿す種族。大体が温暖な地域にいる。鱗が少しついていたりするだけだったり、見た目まんま爬虫類だったり。
脱皮したりするのもいて、再生能力が高い種族とされる。
ドラゴンの竜人は元々魔力溜まりから発生したとされ、少数精鋭。身体能力、魔力操作も非常に高い水準。
・魚人:魚の特徴を宿す者。水の中で息ができる生態であり、水中にすむ者、また海辺で暮らす者が多い。
腰から下が魚が人魚、上が魚は魚人と呼ばれたりもする。大体が渇いた場所を嫌がる。
・虫人:虫たちの特徴を宿した者たち。カマキリだったり蜘蛛だったり。大人になるのがとても速い種族だが、その代わりなのか寿命は人族の半分程度しかない。
とても寒い地帯いがい案外いる。
*補足:元魔物のドラゴンの竜人がいるように、世の中には確認されてないだけで元魔物の種族もいるかもしれませんね。
-学園
これはやりやすいと予想される舞台設定の一つです。なので別に物語に絡めなくとも問題ありません。
後述するダンジョンを生業とするものを育成したり、魔法や剣技、勉学を教えたりする場所です。
世界中に点在しており、学園ごとの特色を出すのもいいかもしれませんね。
*少し雑すぎたので追加します。別にこの学園を使わなくても問題ないのです。
・ルティーノ学院
6年制であり、最低10歳から入学試験に挑戦できる。
一年生の時はみな同じこと(学問,武術,魔法の基礎的なこと)をやるが、2年生からは選択制になる。
必修として学問、選択しで武術、魔法の二つがある。
卒業後は国の兵になったり冒険者になったり学者になったりと様々な道がある。
優秀で貧困なもの向けの奨学金制度がある。
もっと付け足したいところですが、これ以上は書く人の色としてお任せします。
-魔物
空気中に漂う魔力が集まり「魔力溜まり」を形成、そこから自然発生する化け物たちです。
火を扱ったり、無機物の様な体をふるったりとなんでもありな者たちです。スライムだったりドラゴンだったり、彼らは魔物以外の生命体を見かけると襲い掛かってくる習性を持っています。
倒すとアイテムがドロップ……するわけではありませんが、その素材は有用です。
低級でも一般人なら危険、ぐらいの力を持っています。
-ダンジョン
古くからあったり突如として出現したりする神出鬼没な建造物、破壊不可。
土を掘ってできたようなものもあれば石造りの迷宮であったりと様々。
中には魔物が多数出現しており、中を突き進むのはそれ相応の実力が必要となる。
その分、強力な素材をもつ魔物が居たり、人を誘うためなのか財宝があったりする。ちなみに宝は自然回復しない。
最深部にある宝玉を取ることでダンジョンの機能が完全停止するが、ダンジョンは基本出現した土地の国が有しているためそんなことしたらお尋ね者。
*宝玉とはダンジョンの動力源で、莫大な魔力を有していると言われています。これがダンジョンに魔力を通し、魔物を発生させたりしているわけです。
なので、宝玉を取るとダンジョンではなくなり、破壊不可も解けます。
-ギルド
ギルドは冒険と職人系(商人・鍛冶・裁縫・料理だったり)でわかれている。
そこに登録したものはギルドに舞い込んでくる仕事を凱旋してもらい生計を立てている。
冒険ギルドには魔物退治だったり行方不明者の捜索だったりを請け負う。
- Re: 【参加型】神世ノ描画≪参加神募集中≫ ( No.2 )
- 日時: 2017/11/30 15:00
- 名前: 雲梯 ◆3M7/fLURow (ID: quLGBrBH)
やぁ、この度は僕の稚拙な文章を読んでいただき……って言ってもしょうがないか。
とにかく、このコーナーは僕が世界のいろんなところを回っては僕なりにまとめ、僕の勝手な主観のもとに送る旅レポなんだ。
旅がネタのすべてだから不定期になっちゃうし、そんなこともう知ってるよっていうこともあるかもね。
まあ、よろしくね?
vol.1『猫獣人の町と魔法授業』-1
初めまして、僕はベル。エルフの旅人をやって、今はコラムライターをさせてもらってるよ。
これは僕が雑誌のコラムを任され、軍資金だと少し不安なほどの前金をもらいちょっと舞い上がっていたころの話。
エルフは子供のころから自給自足な生活だからあまり金銭に執着しないんだけど、僕は少し違って森から出て生活してたんだ。そのせいか多くないとはいえ、まとまったお金があるとウキウキしてしまう、子供っぽいかもね。
だから、普段使わないような薬だったり道具を買い揃えて、折角もらった軍資金はすっかり消えちゃって、財布が軽くなった時ようやく冷静になってね。これはまずい、はやく旅をしてコラムに書けるようなことを探さないと、そんな気持ちで僕は町を飛び出したんだ。
さてどうしたものか、とまだ整備された道路を歩きながらそれからのことをいくつか考えていたんだ。今回編集の人からは「いろんな種族のこととか知りたい人が多いんですよ」と言われていたから、いざとなれば一番よく知っている、僕たちエルフのことを書けば一回はしのげる。
けど、いきなりそんなことしたらいざって時に困る。出来ればそれは最終手段として取っておきたかった。それに、態々僕の種族について書くのもなんだか恥ずかしかったからね。
つまり僕がエルフについて書き出したら、それはネタが無くなったんだなコイツって思ってもらえれば幸いかな。
「もし、そこのエルフさん」
うだうだ悩んでいると、ふと後ろから声をかけられていることに気が付いたんだ。振り返ってみればそこには何とも可愛らしい獣人が一人、少し息を切らして立っていた。
——さて、一般常識レベルになっちゃうけど獣人について少し僕の知識を書かせてもらう。
獣人とは、代表的なのでいえば犬や猫、それに鳥なんかの特徴を体に持つ種族のことを指す。だから牙だったり鋭い爪だったり獣毛、色々と生まれつき持っている。他にも鳥獣人だっら翼があったりね。その割合も人それぞれらしくほぼ人間と変わりないような見た目だったり、あるいはその逆だったり。
彼らは脚力や顎のチカラ、五感の一部に特化したりと優れている。仲間に一人いれば、とても頼りになること間違いなしだ。けれど……ああいやそれについては少し後で語ることにする。とにかく羨ましい種族だ。
という訳で、この猫獣人さんも身体能力的にとても優れているはずで、そんな彼女が息を切らすとはどれだけ急いでいたか、察することができる。
話を聞いてみればどうやら僕を探していたらしく、こんな何も持っていないエルフに何の用か、と思って少し話を聞いてみることにしたんだ。
「——という訳で、もしお暇ならと思い……」
「わかりました」
猫の獣人、本名は伏せるためにケシー(仮)さんと書くことにするけど彼女曰く、魔法の教師として僕に村へ来て欲しいということだった。
なんでも彼女の村は多くの猫獣人が住んでいるらしいんだけど、今年は試しとして子供たちに魔法を教えてみようという話が出たそうだ。獣人は魔法が苦手とされているから、子供のころから鍛えてみればあるいは? っていう発想らしい。
———そう、獣人が苦手とするのは魔法。大人になった彼らに尋ねてみても決して扱えるものは多くない。種族間で比べてみても、獣人が魔法を使える割合はかなり低いだろう。それについて僕は少々疑問を抱いているのだけど……、少し話が逸れてしまった。
さて教師役を探さねば、と別の町に来てみた所、なんと魔法に長けているとされるエルフの目撃情報があるではないか。しかし先ほど出発してしまった、という話を聞いて慌てて追いかけてきたそうだ。
それに対して僕は、旅の身なのでそう長くはいられない、教えるのは初歩ぐらいまでしかできない、と最初は断ろうかと思っていた。
けれど彼女はその初歩まででいいから、というのでそれならばと魔法教師の役を受けることにしたんだ。
そのまま彼女の案内に従い猫獣人の村に招かれた。
まだ日が高かったから、夕方前には着くことができた。すると僕はあっという間に子供たちに囲まれてしまった。僕の腰の高さぐらいまでしかない子ばかりで何とも可愛らしいが、数がいると少しびっくりしてしまう。あと地味に僕の足を蹴っていた子が何人かいたが、猫獣人なりの挨拶なのだろうか。
「ねえねえどこからきたの?」
「ほんとにえるふ?」
「まほうつかってー」
って感じでそりゃもうもみくちゃにされたよ。エルフは別名森の引きこもり、物珍しいというのは分かるけど流石獣人、子供でも結構苦戦するパワーだった。
少しするとケシーさんが散らしてくれたけど、それでも目を離した隙に近寄ってくる子が多かった印象。とりあえず水魔法で少し曲芸じみたことをして期待には答えておく。
が、魔法を出すとみんな怖がって少し距離を取られるのが何気にショックだった。
「それでは明日」
ケシーさんはそう言って宿の一室を貸してくれた。旅の間は野宿が基本なのでとてもありがたいことだ。荷物をほどいて木の床に身を預けると、ほのかに香る材木の香りが癒してくれた。
村に来た時軽く見まわしたが、どうやらこの村の主流は木造建築のようだ。木に囲まれているのもあり、材料の調達が容易なのだろう。
しかし、ところどころ爪を研いだ後があるのはいいのだろうか。それとも風習なのか。なにはともあれ、迂闊に柱へ寄りかかるのは駄目そうだった。
窓を開ければ、背の高い木で囲まれた集落が一望でき、町行く人たちを観察できた。二階建てということもあり、物音でも立てなければ態々こちらを見てくる者もいない。
あちらこちらに猫獣人たちの暮らしが見え、私は飽きることなくそれを見ていた。その中でも特に見ていたのは彼らの耳。
僕のようなエルフと違い、より高い位置から耳を生やす彼ら。獣人としては珍しくないが、やはり気になる者も多いのではないだろうか。人間の中にはその耳が好きだ、なんて思考を持った人もいるそうだ。
つまりは、あの耳は彼らを語るうえで欠かせないチャームポイントの一つと言える。
ピンと立っていたり、縦半分ぐらいで折れて伏せられているもの、はたまた装飾品がつけられていたり。それらが肌触りのよさそうな毛で覆われているのだから、なんとなく触りたい気分に駆られる、そんな衝動もしょうがないかもしれない。
もし、その耳をコンプレックスとする獣人がいたら申し訳ない、だが怒らないでいてくれると嬉しい。もしくは罪滅ぼしとして僕の耳ならいくらでも触っていいし、好きなことを言ってくれて構わない。
そうやってじっと町を日が沈むまで眺めて、夕食が運ばれてくるまで窓際に立っていた。
メニューは、鳥にチーズをのせて焼いたもの。料理名は特に言われなかった気がするが、もしかしたら聞き逃したのかもしれない。ちなみにフォークのみだったので少々食いちぎるのが大変だった。
柔らかい鳥肉に濃厚なチーズが絡まり、ボリューミーであったがぺろりと平らげてしまった。大変美味しかったので、もしまたこの町を訪れることがあれば是非食べておきたい料理になった。魔法を教える対価に、とはいえこんなにいい待遇を受けていいのか少し不安になってしまうほどの味である。
これは失敗できないな、そう思いイメージトレーニングをしながら一日を終えた。
……ちなみに猫獣人の町に行こうと考えている人がいるならば、耳栓を持ってくることをお勧めする。彼らは暗くなってきてからが本番らしい。
- Re: 【参加型】神世ノ描画≪参加神募集中≫ ( No.3 )
- 日時: 2017/12/01 08:27
- 名前: YCの人 (ID: xPOeXMj5)
この世界では、魔力から魔物が生まれる。ダンジョンにある宝玉の魔力にも魔物を生み出す力があり、それを狙う者もいる。魔物の中にはその身体が素材になる者もいる。そして、その素材を狙う者やその素材を使って経営を建てている者もいる。・・・待てよ、そうなると魔力を持った食べられる魔物というのも生まれるわけだから、それで魔力の無かった種族が魔力を持ってしまうという事もある訳で。
#とある秘境の都市、でもそこはダンジョンでもある
・・・さて、この秘境には屋内都市が建てられている。ただの屋内都市ではない・・・ダンジョンの敷地に建設された都市なのだ。一応罠やギミックはあるとはいえ、観光客に優しいスタイルの都市ダンジョン・・・そのオーナーはトップルというお菓子な異能持ちだ。
「ホテル1ブロックよし、商店街よし、工房と素材発生元もよし。商店街と工房は住居を兼ねているから、観光客がいなくても問題なさそう・・・あっ。」トップルは端末を使い宝玉の魔力を操作していた・・・営業時間になっても寝ている魔物がいるのも見える。「えいっ」すかさずツッコミを入れるトップル。収支の概念はないけどストレスとサボりはあるのでアメとムチを遠隔でできるのは便利といえる。「・・・うーん・・・こっちから来た方がいいのかな、ダンジョン内部のリニューアルって大変だよね。」
さて、現代的な素材をどうやって発生させているか。まず塗料カテのペンキは『ペイントスライム』から・・・スライムの中にはゼリーやグミだけでなくペンキでできたスライムもいる、それが『ペイントスライム』だ。次に鉱石系は鉱石そのもののモンスターだけでなく『都市鉱山型モンスター』も活用している。都市鉱山型は1種ごとの量は少ないが沢山の種類が1体で取れる。素材を加工する魔法で製造する事ができる素材もある。
ちなみにトップルが管理を始めた時は端末なんて無かったので苦労したとか、それに気がついた魔物が端末と接続用のケーブルを作ってプレゼントしたらしい。なのでそれまでほど苦労はしていない様子・・・えっ、宝玉泥棒と魔物狩りへの対策?まずこの秘境は寒冷地にあり、ダンジョンの中は暖かくなっている。次にここは都市でもあるのでダンジョンとは分かりづらい。最後にアラームを作動させている間は素材発生元以外から一時利用の魔物が発生するようになっている。アラームと周辺ギミックはワイヤーやレッドストーン相当のもので繋がっていないため端末を使い始める前は無く、その時の襲撃1回は苦労したそうだ。
- Re: 【参加型】神世ノ描画≪参加神募集中≫ ( No.4 )
- 日時: 2017/12/01 19:51
- 名前: サニ。 ◆6owQRz8NsM (ID: dUTUbnu5)
忍者『霧隠才蔵』。
その名を聞いたことがあるものはごまんといるだろう。
当然のごとくその秘伝の忍術を受け継がせるため、血を残し後世まできた。
しかし予測できたであろうか。
現代の『霧隠』が、引きこもりニートだということを。
【霧隠 ヤマの素晴らしき引きこもり生活】
この世界では魔法というものが生きている。魔力というものも当然ながら生きている。魔物もダンジョンも、冒険もギルドもある。なんなら、学園だってある。そんなファンタジーに溢れた世界に、『霧隠才蔵』の血を引くある忍は生きていた。
いや、正確には、『引きこもっている』と言った方が正しいだろうか。
「おいコラヤマァ!いつまで寝てやがるとっとと起きろやこのニートが!!」
「うっせーい!!私は食っちゃ寝生活で生きていくって決めたんじゃい!!」
「ざけんなテメエの生活費でどんだけ金食われてると思ってんだ!!」
「働きたくないでござる!!」
日が高く昇り、世間一般的には『昼間』と呼ぶ時間帯の頃、ある一軒家では騒々しい言い合いが始まっていた。
家主と思われる錫杖を持った女が、いつまでも布団にこもっている『それ』を、無理矢理ひっぺがすようにしてたたき起こす。布団から剥がされた『それ』は眠い目を擦りながら、極力大きな声で女に怒鳴りつける。だが女は眉間のシワを更に濃くさせ、更に怒鳴りつけた。結局、怒鳴りつけられた方の『それ』は、いそいそと布団に潜り込んでしまったが。
「全く霧隠才蔵の血筋の人間とあろうお方がこんなザマだとはなあ……ブフッ」
「なーにかいったかしらー?安倍晴明様ー」
「いーやなんにも。つーかとっとと起きねえと酒抜きにすんぞ、『ヤマ』さん」
「え、ちょそれは死活問題やめて『トミ』さん」
『ヤマ』と呼ばれた女は、『トミ』と呼んだ女に向かって焦った顔を向ける。しかしトミはそんなことをお構い無しにヤマを布団から再び引っぺがした。
「モギャンッ」
「さっさと着替えろ、んでさっさと布団ほせ干物」
「干物言うなー」
そういうものの、トミは溜息をつきながら部屋を出ていった。最後の声は聞こえていたのかそうでないのか。それはもうわからない。ヤマは諦めて着替えることにした。
さて、こんな引きこもりニート生活を満喫し、嫌が応にも外へ出たくない布団から出たくないと駄々を捏ねた彼女———『ヤマ』こそ、その『霧隠才蔵』を血筋であり『霧隠一門』を受け継ぐ忍者、『霧隠 ヤマ』である。だが現代となって、忍者が必要とされることを考えたが何も無かったので、「無駄じゃねえか」と思いつつ、結果引きこもりニートという道を突き進むことになってしまったが。これの他にもニートになった確固たる理由があるのだが、今は割愛しておく。
「大体さー、なんでこのご時世に忍者なのかしら。何もやることないじゃん?」
というのが彼女の口癖である。未だフラグは回収されたことは無いが、それが今のご時世とやらに幸か不幸かはわからない。果たして忍者という存在を、この世界は認知しているのか、それとも御伽噺の存在ということで片付けられているのか。彼女には分からない。仕方がない。彼女はまともに外へ出たことなど、ここ10年ないのだ。
「外へ出れば社畜人生、引きこもれば干物……どっちとるかって言われたら迷わず後者だわー。社畜人生とか送りたくないし。ならニート取るわ。忍者は引きこもってこそ忍者……ぐぅ」
「何わけのわからんこと言ってんだあと二度寝すんじゃねえ!!」
「うぎゃー!やめてよ人でなし!」
「うるせえさっさと起きろ干物!!」
今度こそ布団ごと持っていかれ、完全に身ぐるみ剥がされたヤマ。ヤマは着ていた半纏を握りしめ、トミを睨みつける。
「これもとる気だろー!鬼ー!悪魔ー!!トミさーん!!」
「わけわかんねー事叫んでねーで着替えろ!!」
「やめれー!!」
そして予見されていたことが現実となった。ヤマが着ていた半纏を、トミは容赦なく、理不尽にも剥ぎ取った。そうしてトミはケッと飛ばして部屋を今度こそ出ていった。
一人取り残されたヤマはため息をついてのそのそと立ち上がりクローゼットを開ける。こうなってしまってはどう足掻こうが、自分の足で起き上がり動かなければならない。あのトミが大人しく半纏と布団を返してくれる理由もない。ヤマはそれをよく知っていた。なぜなら毎日やっている出来事であるからだった。
「まあとはいっても。ある服は全部同じなんだけどね」
ヤマはすこし笑いながらも、寝間着を捨てて服に腕を通した。
———————
「めし」
「死ね」
「そう言いつつ朝から炒飯出してくるトミさん優しい」
「さっさと食って死ね」
「手厳しー」
トミのいる部屋——と言っても家と繋がっている居酒屋なのだが——にヤマは足を踏み入れる。髪の毛はちゃんとシニヨンにまとめたし、服だってきちんと新しめのものに着替えた。これでトミに文句を言われることはないだろう。
その当のトミはものすごい不機嫌な顔でヤマを出迎えたが。
「だいいちな、朝飯って時間じゃねーんだぞ。昼飯だぞ。お前分かってんのか」
「ちゃんと食べきれって?」
「ちげーよニートが」
「あだっ」
びしっと額を人差し指で強く突かれる。ヤマは小突かれたところを擦りながら、炒飯を食べ始めた。
「いただきまっす」
「あ、そうだヤマさん。飯食ったらお前買出しにいけ」
「断るンゴ」
「鉄拳!」
「んに゛ゃっ!!」
炒飯を食べようとしたまさにその時、トミの鉄拳が綺麗にヤマの頭上へ落ちる。ガチンッという嫌な音がヤマから響いたが、トミは気にせず口を開く。
「まともに外出てねえんだからちったあ日光浴しろ」
「してるもん!!」
「部屋の窓を介してな」
「ぐぬぬ……」
「わかったらさっさと飯食って買い出しいけ。テメエ忍者なんだから金置いて帰ることぐれーできんだろ」
「( 'ω')ウィッス」
もしまた断ったら酒抜き、と言外に伝えたのが分かったのか、ヤマはそれ以上反抗するのをやめた。そして黙々と炒飯を消費する作業に戻った。トミはその傍ら、煙管に煙を立たせ、すうっとそれを口に含む。トミの口から丸い輪っかができる。
「飯食ってる横で煙管とかどうかと思うの」
「あたしが飯食ってる時にテメエも葉巻吸ってたろお互い様だバーカ」
「盛大なブーメラン乙でござった」
「おめーがな」
そう言い合っているうちに、ヤマの皿がカラになった。それをトミが取り上げると、ヤマに財布を投げてよこした。そしてトミは玄関口を指さす。
「いけと」
「おう」
「酒は?」
「メモに書いてあるやつ買って戻ってくるまで買うな」
「へーい……」
「それとなんか最近宗教勧誘みてーなの流行ってるみたいだから見つけ次第殺せ」
「せめて半殺しにしてあげよ……?」
そう言い残すと、ヤマは扉を開けて数年ぶりに外に足を踏み出した。
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