複雑・ファジー小説
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- 白い天井
- 日時: 2017/12/02 23:58
- 名前: かわせみ (ID: E1NTr/C4)
かわせみです。
よろしくお願いします。
- Re: 白い天井 ( No.1 )
- 日時: 2017/12/03 00:52
- 名前: かわせみ (ID: E1NTr/C4)
病は気からと言うけれど、そう言うのは恐らく健康な人がいいだしたのだろう。
「気」だけじゃ治せない病だってたくさんある。僕もそんな病を持つ一人だ。
今朝はいつもの息苦しさで目が覚めた
ひゅー、ひゅーと胸が鳴き始めている
時計を見ればまだ朝の4時、外もまだ薄暗い。
「ひゅー、ひゅー、ッッゴホッゴホッ!ゼーゼーゲホゲホゲホッッ」
息を吸い込もうとすると咳が後をついて出る。息を吐き出そうとすると狭くなった喉がそうさせない。
背中を起こして息をしやすい姿勢になる。肋骨が軋んで、脇腹が痛む。
吸入薬を枕元を手で探ってとる。「シュッ」思いきり薬を吸い込んだ。何度か呼吸を繰り返すと楽になってきた。
僕が喘息になったのは4歳の時だ。中学生になった今も度々発作を起こしている。
体育で走り回ったり、通りすがりのタバコの煙を吸い込んだり、普通の人にとって何もないことが僕を苦しませる。
- Re: 白い天井 ( No.2 )
- 日時: 2017/12/03 23:42
- 名前: かわせみ (ID: E1NTr/C4)
ようやく落ち着いて時計を見るともう学校にいく時間だ。
「やばい、遅刻だ」
急いで制服に着替えて、食欲のない体に味噌汁を流し込む。母さんが歯を磨いたの?と聞いてきたけど適当にごまかして家を出た。
玄関の前で友達の高谷新が待ちくたびれたように立っていた。「おはよう。
一樹、お前、歯磨きしろよな。筒抜けだ。」
「まじかよ。母ちゃん声でかすぎだな。」
呆れたように笑う新は僕がマスクをつけているのを見て心配そうな顔をした
「また発作か?」
「うん、まあね。心配すんな、もう平気だから。」
「しっかりしろよな。3組の合唱はお前の伴奏にかかってるんだから。」
僕は合唱祭で伴奏者をしている。苦労の多い仕事だが合唱がひとつになっていくのは結構感動するものだ
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