複雑・ファジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- ただ無気力
- 日時: 2017/12/16 23:33
- 名前: さな (ID: Mm9jHYga)
鷹野ゆう子…おバカだけど年中病み期。
八洲諒也…お人好しの猿。
篠田咲夜…諒也の彼女。
茅岡健…知らない人。
赤沢逢奈…ゆう子の元友達。
「幸せになりたい」
- Re: ただ無気力 ( No.1 )
- 日時: 2017/12/16 23:41
- 名前: さな (ID: Mm9jHYga)
「…もう行くの?」
「…ん…あぁ、明日朝から部活だからさ」
多分もう終わってる。今、私と諒也を繋いでるものと言えば体ぐらいかもしれないし、他の女の子と一緒になってるのも分かってる。
相手の女性と諒也と私で修羅場になってみたい。
今すぐ付き合った始めみたいな関係、感情を持ちたい。
「浮気してるでしょ」って泣いて認めて心から謝ってほしいし、今日は一日中一緒にいてほしい。
「いや、無理だよ」
言いながら自分に笑っちゃったし第1、私が一方的に好きなわけだから別れられないのも私が原因だし。
嫌いになれたら、楽。
- Re: ただ無気力 ( No.2 )
- 日時: 2017/12/16 23:55
- 名前: さな (ID: Mm9jHYga)
「鷹野ゆう子…かなり問題がありますな」
「えぇ。入学式の次の日から住所も変わっていますし、親権が母親になったと役所から通知がありました」
「前の住所は?」
「○○区です」
「鷹野ゆう子は中学校はそこの区立中学だから…うちの高校に入ると同時に引っ越したのか」
- Re: ただ無気力 ( No.3 )
- 日時: 2017/12/22 23:52
- 名前: さな (ID: REqfEapt)
「あ〜諒也くんに会いたい」
机の下で足を内股にぱたぱたさせる。
「ねぇ?八洲って彼女いなかったっけ?」
「う〜ん、いるけど、諒也くん最近元気ないから私が相談に乗ってるの!」
「あぁ…」
篠田咲夜は、友人の瀬川有彩をわざとらしく睨んだ。瀬川もクラスメイトとしては諒也と話す。しかし咲夜と諒也の関係はクラスメイト以上であるが恋人でもない。
「八洲の彼女って高校どこ?」
「栄枝第一〜」
「うっわ!めっちゃ頭良きじゃんかよ!」
「でも顔は私の方が可愛い」
瀬川は悩んだ。
確かに咲夜は可愛らしい顔立ちをしているが、それ故かわからないが、同性からは嫌われる傾向にある。自分が可愛いと分かっているからこそ、天才的に異性へのアプローチが上手い。
頭も決して良くない。県内最下位の偏差値32の家雲学園と県内唯一の進学校である栄枝第一高校を比べてしまうのは、むしろ栄枝第一高校に失礼に当たる。
「どうやったら諒也くん、彼女さんと別れてくれるかな?」
そんな残酷なことを、小鹿のような瞳を際立たせながら言う。
- Re: ただ無気力 ( No.4 )
- 日時: 2017/12/23 00:09
- 名前: さな (ID: REqfEapt)
部活に入る気がなかった。
「なぁ、お前の弟って柄沢シニアだろ?」
「うん」
「頼む!マネージャーやってくれ!」
休み時間にみんなで話してたら、いきなり(おそらく)クラスメイトの(おそらく)畠が私に頭を下げてきた。
「え…」
背後から七夢や沙良が「やってみたら?」とか「いい機会だよ」とか囁いてくる。
「あのさ…関係ある?うちの中2の弟と野球部…」
「あっ、え、ちょ、ちょっと待ってな。何言おうとしたんだっけ…」
しどろもどろになる畠がなんとなく面白かった。お調子者でスポーツができる人っていうのはわかる。それ以外はわからない。
「茅岡っているだろ?」
「うん」
「野球部のマネ欲しいって話したら、シニアの後輩の、姉貴が、俺のクラス、だって分かったんだよ」
「よくわからんけど…マネージャーならもっとやりたい人いるんじゃない?」
「あぁ!そうか!うちの学校の野球部強いじゃん?興味本位で入ってくるマネージャーよりも、専門的でルールとか動けるマネージャー欲しいんでしょ?」
2人が私の肩に手を置いてニヤニヤしている。畠はこくこくと頷いた。
頭の良い頼みた方ではないけど、断れる雰囲気でない。
- Re: ただ無気力 ( No.5 )
- 日時: 2017/12/23 00:20
- 名前: さな (ID: REqfEapt)
「あす!」
約50名の坊主に囲まれてしまった。怖気付いて私も会釈を返す。
「あの…茅岡は?」
「あいつは部活入ってないよ」
代わりに自己紹介をしてくれる畠に聞いたらまさかの回答。ふざけんな、茅岡許すまじ。早く帰りたい。
「鷹野ゆう子です、よろしくお願いします」
「マネージャーとしての仕事は…特にないな」
じゃあ帰せよ。部長さん。
「玉出しぐらいじゃないすか?」
はぁ?
弟置いて逃げたい。
Page:1