複雑・ファジー小説
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- あなたと出会った奇跡
- 日時: 2017/12/29 20:17
- 名前: ふわり (ID: xx3C5VTW)
読んでくださってありがとうございます!ふわりです。
せつない、泣ける恋の物語を書けるといいなと思います。
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「優花ー起きなさーい、奏斗くんきてるわよー」
私は聞きなれたお母さんの声で飛び起きる。
「はーい、今行くー」
私、朝だけは苦手なんだよな。
玄関のドアを開けると私の心臓がとびはねる。
「おはよ。」
そうとびきりの笑顔で迎えてくれたのは奏斗。私の彼氏です。
「おはよ。」
そういうと当たり前のように差し出された手を取り学校へ向かう。
申し遅れました!私は優花。高校2年生。
奏斗とは1年のころからつきあっている。
告白は私からだ。入学式に一目ぼれして気が付いたらメロメロになってた。1年のときは同じクラスじゃなかったけど今は同じクラス。
・・・「あの、内山奏斗さんですよね。」
奏斗は驚いたような目で私を見て、
「ああ、そうだけど。」といった。
「私、速水優花っていいます・・・」
奏斗は急に笑い出した。
「知ってるよ。」
「・・・好きです。奏斗さんが好きです。」
奏斗は笑うのをやめてさっきより驚いた顔をしていた。
「・・・俺も。」
その言葉を聞いた瞬間涙が自然とあふれてきた。
「お、おい。俺も誰かに取られたらどうしよう、告発したいってずっと思ってたんだよ。」
その時の奏斗はずっとおどおどしていた。
「おい優花、聞いてる?」
「ごめん!あんまりきいてなかった。」
「お前なあ・・・」
なんやかんやで充実した高校生活を送ってます。
- Re: あなたと出会った奇跡 ( No.1 )
- 日時: 2018/01/06 20:11
- 名前: ふわり (ID: xx3C5VTW)
放課後、奏斗は部活なので親友の紗和と家に帰った。
家で授業の復習をしていたらおなかが痛くなってきた。
張ったような痛み。今までにないような痛み。
でもすぐに治ったから何とも思わなかった。・・・・・・あの時は。
お母さんは今妊娠している。私を20歳で産んだからちょっと高齢出産になる。私もあと1年すればお姉ちゃん。弟かな、妹かな。赤ちゃん楽しみだなあ。
1週間後、ひどい吐き気と腹痛に襲われお母さんが通う病院にいった。
先生は優しそうな人だったけど検査結果を見ておでこにしわがよった。
「優花は何ともないんですよね?先生?」
お母さんがあおるようにいう。・・・・・・・・・・
家に帰っても暗い部屋で私とお母さんは泣いた。
私は本当に親不幸な人間だ。
「ごめんね、お母さん。ごめん。」
私は脳に悪性の腫瘍が見つかったのだ。
「先生、手術すれば何とか治るんですよね?」
「残念ですが優花さんは末期のがんです。延命治療をしてもどうか…」
「先生、私延命治療受けません。このままやりたいことを全部やってから死にたい。」
「優花・・・」
私は余命三か月という宣告をされた。
私は腹に決めたものがいくつもある。・・・奏斗、大好きだよ。
- Re: あなたと出会った奇跡 ( No.2 )
- 日時: 2018/01/15 17:53
- 名前: ふわり (ID: xx3C5VTW)
あれから早いもので1週間。何事もなかったように暮らしている。
今日は1つ目にやるべきこと。それを達成する。
「紗和、放課後昔よく遊んだ神社いこう。」
「???いいよ?」
そう。今日こそ紗和にだけはすべていう。
「ここに来たってことは何か大事な話があるんでしょ?」
やっぱり紗和は私の考えていることがお見通しだ。
私はすべて包み隠さず紗和に話した。
私が話し終わるころには紗和は泣いていた。
紗和は何も言わなかったけど想いは伝わってきた。
次の日、私と奏斗はちょうど1年記念日だった。
私は告白した桜の木の下で奏斗を待っている。
「ごめーん。ミーティング長引いちゃってさ。話って何?」
ごめん。ごめんね、奏斗。大好き。
「奏斗、別れよ。私ほかに好きな人できちゃた。」
「・・・うそだろ?いつもみたいに笑ってくれよ。」
奏斗はびっくりしている。そりぁそうだ。昨日までラブラブ。
ましてや今日は1年記念日。別れを告げられるなんて思わない。
「人の心は一瞬で変わっちゃうんだよ。」
私は奏斗のほうを見れなくなり、奏斗に背を向けた。
「バイバイ。」
言えた。最後まで何とかごまかせた。奏斗には幸せになってほしい。
私となんかいたら・・・
次の日にはもう私たちが別れた噂でもちきりだった。
今年の文化祭で私たちはベストカップル賞に選ばれた。
そんなこともあり、学校中に広まっていった。
「優花!今日は優花が大好きなクッキー焼いてきたよ!」
「ほんと!?うれしーー」
今の私を支えてくれるのは紗和だ。
紗和には感謝してもしきれない。
「今度の土曜日さ、思い出の場所巡りしない?」
「いいね!いきたいとこいっぱいある!」
土曜日が待ち遠しくてしょうがなかった。
そして土曜日
「おまたせー紗和!」
「どこからいく?」
紗和と回った場所はたくさんの思い出が詰まっていた。
公園、空き地、池、そして幼稚園、小学校、中学校。
とてもいい1日になった。
- Re: あなたと出会った奇跡 ( No.4 )
- 日時: 2018/01/17 19:02
- 名前: ふわり (ID: xx3C5VTW)
命のタイムリミットを告げられてから1か月
私はお母さんと定期検診に来ていた。
「先生、私あとどれぐらい学校いけますか?」
「・・・長くてもあと1か月くらいです。本当は今すぐにでも入院した方がいいですけどね。」
先生は困ったような顔で私を見た。
「いつ倒れてもおかしくないですから。体調が悪くなったらすぐに来てください。」
次の日の朝
「おはよ〜おまたせ!」
「おはよう、優花!」
今は奏斗ではなく紗和が家まで迎えに来てくれる。
「いつもありがとうね。紗和ちゃん。」
「いえ。優花と1分1秒でも一緒にいたいですから。」
紗和の何気ない言葉に心が染みる。
今奏斗は1人の女の子と仲良くしている。
私が望んでいたことだから良かったけどやっぱりつらい。
彼女の名前は新田蒼波。高1で私と付き合っている頃からのおっかけ。
「内山君はいいな〜優花にこんなにも愛されて。嫉妬しちゃう!」
「もう、紗和ったら!紗和も大好きだよ?」
「優花〜///」
学校につくと意外な人に声をかけられた。
「・・・奏斗?」
「あのさっ再来週の土曜日サッカーの試合あるんだけど見に来ない?」
「えっっっ?」
頭が真っ白になった。
「金森と一緒でいいから。会場うちの学校だし。」
「えっあ、うん。」
「じゃあ待ってるから。」
うれしかったけど戸惑った。
「ってことで紗和一緒に来てくれない?」
「優花行っても平気?」
「全然!大丈夫!って言いたいけどちょっと不安。でも奏斗のサッカーしてる姿最後に見ておきたかったからいいチャンスかも。」
「ならいいけど・・・」
そして試合の日。
「ホントに来ちゃったね。」
赤と青のユニフォーム。
うちの学校は赤。
あの青のユニフォームいっつも勝てないって奏斗よく言ってたなあ。
「なのに優花誘ったんだね。あっ内山君!」
紗和が指さした先には日差しがよく似合う奏斗がいた。
・・・蒼波さんと一緒に。
「内山君何考えてるんだろうね。彼女紹介するとかだったらあたしがぶっとばす!」
「ちょっと紗和・・・」
奏斗がこっちに気が付いたようだ。
簡易のネットを飛び越えてこっちにやってくる。
「来てくれないかと思った。ありがとう。」
今でも胸がきゅんとしてしまう。
「頑張ってね!」
笑顔でいえた。私にとって進歩だ。
「おうっ」
試合は延長線にもつれ込むほど激戦だった。
「あっ奏斗!頑張れ!」
奏斗がゴール前でパスを受けた。
ボールはゴールに一直線。
「やっぱり内山君かっこいいね。」
「ほんと。奏斗はサッカーしてる時が一番いきいきしてる。」
試合は1-0でうちの学校の勝ち。
奏斗のゴールがチームを勝利に導いた。
「ちょっといいですか?」
「あなたは・・・」
「新田蒼波です。先輩は知らないかもしれないけど。」
「私ははや「速水優花先輩ですよね。」
「はあ。」
「私奏斗先輩とお付き合いしています。」
「うん・・・」
「でも奏斗先輩は私の事全然見てくれません。」
「・・・」
「私は悔しいです。私は優花先輩も大好きです。」
「えっ?」
「それだけです。お話を聞いてくださってありがとうございました。」
そういうと足早に蒼波さんは消えていった。
「何だったんだろうね。宣戦布告かと思ったのに。」
「ね。」
こうして私の奏斗のサッカーおさめは終わった。
- Re: あなたと出会った奇跡 ( No.5 )
- 日時: 2018/01/17 19:09
- 名前: ふわり (ID: xx3C5VTW)
命のタイムリミットを告げられてから2か月。
そろそろ学校に行くのもつらくなってきた。
今日は定期検診。
「入院」という言葉を覚悟してきた。
「優花さんは今学校に行けていることが奇跡です。でもそろそろ入院は避けられません。」
「先生、私覚悟を決めました。でもあと1日だけ学校に行かせてください。」
私は最後の学校生活を楽しめていない。
「1日だけですよ。」
先生から許可が下りた。
その日の夜私はすぐにあるものの準備にとりかかった。
「ふうーー終わった。」
時計を見ると作業を始めてから4時間たっている。
「結局奏斗のに1番時間かけちゃった。」
翌朝、私は紗和と最後になるであろう登校をした。
「優花と明日から通えないなんてつらい。でも優花はもっと苦しんでる。私、頑張る。」
「うん。ありがとう。私も頑張る。」
そして・・・
「ちょっと気分で全員に手紙書いてきたんだ。家で読んでね!」
そういって強引にクラスメイトに手紙を渡す。
私は先生に事情を話し、体育はサッカーにしてもらった。
最後に1回だけ奏斗とサッカーをしたい。それが私の願いだった。
奏斗はいつも通りサッカーをしている。やっぱりうまいなあ。
「優花!シュート!」
急に奏斗が私にボールを回してきた。
私は思いっきりボールを蹴っ飛ばした。
ボールはゴール一直線。決まった!と思った瞬間私の視界はぐらりとゆがんだ。
「優花!優花!」
遠くから紗和の声が聞こえる。
「優花!優花!良かった・・・」
「私、ゴール決めて・・・」
「その直後に倒れたの。ここは病院。救急車で運ばれたんだよ。」
そうだったのか。結局みんなに迷惑をかけてしまった。
「みんなには貧血がちょっと悪化したって言い訳してあるから。」
「ありがとう、紗和。」
本当にありがとう。私紗和がいないと今を歩けてないよ。
今お母さんはこの病院に入院している。
一番大変な時期にお母さんに心配かけたくない。
「私、またやっちゃったね。」
「・・・優花は何も悪くない。」
苦しそうにそういう紗和。
「私がずっとそばにいるからね。」
「ありがとう、紗和。」
それから2時間ぐらいして紗和と入れ替えにお父さんがきた。
「大変だったね、優花。学校は楽しかった?」
そんな話をしていたらいつの間にか眠ってしまっていた。
次の日にはお母さんがきた。私は本当に迷惑をかけっぱなしだ。
放課後に紗和もきてくれた。
今日学校であった出来事をたくさん話してくれた。
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