複雑・ファジー小説
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- 世の中に躊躇するまで
- 日時: 2018/01/04 12:28
- 名前: 海空 (ID: Elg3dxRA)
はじめまして。
海空と言います。
ミゾラ と読みます。
初投稿です。
オリジナルです。
不定期更新。
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この話はとある少年の物語。
- Re: 世の中に躊躇するまで ( No.1 )
- 日時: 2018/01/04 12:48
- 名前: 海空 (ID: Elg3dxRA)
序章 【意味】
僕は何のために、いるのかな。
別に、いなくてもいいのかな。
はらはらと、花びらが舞っている。
空が青い。
___きっと、意味なんてないね。
いっそ、意味が在れば楽なのに。
世の中、面倒だな。
僕は、薄れゆく意識の中で
そんなくだらないことを考えていた。
- Re: 世の中に躊躇するまで ( No.2 )
- 日時: 2018/01/13 17:54
- 名前: 海空 (ID: V9u1HFiP)
1章 【部屋】
「…た」
ん?
…誰?
「…ぅた」
女の人?
「…そうた」
僕の名前…?
「蒼汰っ!?」
うっ…!!
眩しい!
ここ…何処?
「蒼汰っ蒼汰!」
あ、母さん
どうしたのかな
「せ、先生!蒼汰が!」
先生?
「おお、目を覚ましましたか!」
覚ました?
……ピッピッピッピッピッ
なんだこの音
ああ…病院か
でも何で?
- Re: 世の中に躊躇するまで ( No.3 )
- 日時: 2018/01/25 19:44
- 名前: 海空 (ID: r9bFnsPr)
何があったんだっけ。
まあ、今はいいや。
まずは…
「…が…ぁ……ん…」
えっ…。
今の声…僕自身の声?
『母さん』
僕はそう言ったつもりだった。
けど、耳にしたのはこすれた様な小さな、小さな声だ。
何かわからない。
そんな声。
急に不安がこみ上げる。
なんでなんでなんで!
何が何でもわからないよ。
「蒼汰っ!…無理しないで!?」
この声に驚いたのは僕だけでないらしく、母さんが涙を溜めながら言った。
- Re: 世の中に躊躇するまで ( No.4 )
- 日時: 2018/02/07 20:02
- 名前: 海空 (ID: RSw5RuTO)
「身体を強く打った衝撃で声帯が少し刺激されただけですよ。」
お医者さんらしい、眼鏡をかけた男の人が優しい声色で言った。
こんなに優しく言ったのは、たぶん母さんを落ち着かせるためだと思う。
…母さんに心配させちゃったなあ。
そして男の人は続けざまに、
「数日経てば戻ります。だから、そんな心配しなくても大丈夫ですよ。」
と言った。
母さんの方をちらっと見る。
母さんは少し安心したようで、「わかりました。ありがとうございます。」と返した。
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