複雑・ファジー小説
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- ようこそ!ブラック企業へ!
- 日時: 2018/01/05 16:53
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
あらすじ
2236年、人類は超能力を発症した。そこから、連鎖反応が起き、殆どの人類が超能力を手に入れた。しかし、その力を犯罪に使う者もいた。警察力で対抗出来ないケースが多発してしまったのだ。そこで、能力を使い人を救う、《救世主》が世間に登場し、あっと言う間にヒーローへとなった。その《救世主》達が所属している、とあるブラック企業のお話。
- ようこそ!ブラック企業へ! ( No.1 )
- 日時: 2018/01/04 22:04
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
初めてまして!ブラック企業です。
此処はヨロズ株式会社。《救世主》が所属している会社。
「お菓子は〜?知佳、買ってきてよー。」
「先日の件、物件を破壊してしまい、申し訳ありません!」
「にゃははー!面白いにゃん!もっとやるにゃん!」
どうにも、カオスな連中が働いている。いつもいつも、こんな調子でやっている。会社として、どうなのか。ブラック企業だし。給料は良いけど、年中無休、24時間体制、残業ありあり、その他諸々とブラックだろ。色々と考えていると、先輩が肩を叩いてきた。
「透華先輩、お菓子ならそこの棚にありますよ。」
ふてくされた顔をした。我儘すぎる先輩だ。表舞台に立たない会社。そもそも、《救世主》は顔を世間に晒さない。謎なヒーローがお好きらしい。
「知佳サン、依頼入ってますヨ。」
不意に、声を掛けられた。依頼とは、一般の方々が警察を通して、悩みなどを解決するものだ。緊急依頼が犯罪組織の取り締まり。
「うん、分かったよ。ありがとう。氷。」
氷は僕の後輩だ。僕と同じ、アジア系人種。優しいし、頼りになる。透華先輩とは、大違いだ。
「行って来ます。」
そう言っておく。そして僕はローブに着替えて、仮面を付ける。狐のお面だ。お気に入りなんだよね。そしてフードを被れば、『記憶探偵』の完成だ。
僕の能力は、『完全記憶』見たもの、聞いたもの全てを記憶する。さて、お仕事しますか。
- ようこそ!ブラック企業へ! ( No.2 )
- 日時: 2018/01/05 19:36
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
引き金
さて、今日の依頼は…怪奇事件?なんで、普通の依頼なんだ?特別依頼に入ってそうだけど。まぁ、そこまでのことではないのかな。
此処が依頼者のお宅ですか。早速お邪魔します。
ピンポーン。
出てこない。もう一回押すか
ピンポーン。 ピンポーン。
何回も押したけど出てこない。様子がおかしいんだ。僕は中に入る決意をした。
ガシャ、鍵が開いていた。面倒事の匂いがする。そんな事よりも依頼者の安全を!…荒らされた形跡はない。人の気配も感じない。2階か。僕は階段へと足を運んだ。
赤い何かで、矢印が描いてある。最悪な予感がする。僕はその矢印を辿って進んだ。
部屋の前に来た。依頼者は大丈夫か。勇気を出して、ドアノブに手を伸ばした。
「あぁ、やっと来たか。待ってたんだぜ?こっちは。感謝ぐらいしてくれよ。…そんな顔すんなよ。」
依頼者が、黒いローブで身を包んだ男の前に倒れている。
「僕が《救世主》と知ってのことですか…!」
依頼者は動かない。殺したのだろう。血溜まりが出来ている。少し強がりなことを言ってしまったが、こうでもしなければ相手が怯まないと思ったからだ。しかし、これが効果の無いことだと直ぐに思い知った。
「《救世主》…?ガクが言ってたのか!…でもお前、戦闘能力じゃないな。『完全記憶』ねぇ。でも、『能力世界』の知識量じゃお前の方が多いか。なら、攫うか。」
僕の能力を当てた?鑑定能力か何かか?そう思った瞬間、床が光始めた。まさか本当に攫うつもりか⁉何とか部屋から逃げようとしたとき、僕の意識は途切れた。
「ハッキングでこうも簡単に気絶するか?…無駄なこと考えてるとガクに怒られるからな。さて、思考を探るか。にしてもコイツ、華奢な体型だな。俺も似たようなもんだけど。」
男は少年を見つめ、集中している。そして、何かに気付き何処からか、パソコンを出した。文章を書き始めた。メールの宛先は
『ヨロズ株式会社』
- ようこそ!ブラック企業へ! ( No.3 )
- 日時: 2018/01/12 21:52
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
死神と死霊術師
…見たことの無いとても豪華な部屋だ。此処は何処だ。
「やっと目覚めたか。アイツのせいで済まない。あれでも、主なんだがな。…あぁ説明していなかったな。此処は我らの拠点だ。直ぐに返すさ、知佳君。紅茶とお菓子をを用意して置いたから、食べたいときに食べると良い。私は仕事があるので失礼する。」
黒髪の長髪、眼鏡を掛けた人だった。赤い目も珍しい。不思議な雰囲気があった。それにしても、用意されていたお菓子、というかアフタヌーンティーだ。香ばしい匂い、甘い香りがする。一人で食べるとなると胸焼けがしそうだ。しかし、食欲には抗えないようだ。
「いただきます。」
と言って紅茶一口飲む。美味しい。紅茶に詳しく無い僕でも良い茶葉を使っていると分かる。焼き菓子にも手を出す。パリッ、と良い音が鳴る。甘いが、あっさりとしている。
「あんたがうちの可愛い後輩をさらったのか?」
女が騒いでいる。男はにっこりと笑った。
「俺は恋人の為に攫っただけなんだがなぁ。そもそも、攫われる方も悪いだろ?」
煙草を吸いながら、淡々と言葉を吐く。短い黒髪に赤い、いや、どちらかといえばオレンジに近いだろうか。気持ち悪いくらいに白い肌。
「いちいちうるさいんよ。うちは抜け駆けしたいんやけど。あんたがなんとかしてくれへん?」
隣の女が喋る。女は銀髪の長髪、そして男と同じような色の目と肌の色。
次の瞬間
「うわっ!えっ、透華先輩⁈」
目的の人物が出てきた。
「返すよ、じゃあな。」
「おいっ!待て!」
男と女は黒い空間に消えていった。
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