複雑・ファジー小説
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- 全員、死刑
- 日時: 2018/02/12 14:17
- 名前: ろん (ID: 8tXGWQSz)
「いじめ」とは権力のある人間が、権力のある人間に抗えない状況下に置かれた弱い人間を一方的に傷つける行為の様に見える。
もしいじめがその様なものだとしたら、その権力とはなんなのだろうか。
本当にそれは中身の詰まった権力なのだろうか?
偏見ではしないか?勝手な憶測であってはないか?
自問自答を繰り返す末、結局たどり着く答えはこうだ。
「「自分がやればいい。」」
皆馬鹿だな。
僕に勝てはしないのに。
皆いつかは
殺されちゃうのにな。
第1章 プロローグ >>1
一話 >>2
- Re: 全員、死刑 ( No.1 )
- 日時: 2018/02/11 15:32
- 名前: ろん (ID: 8tXGWQSz)
あぁ
どうして
人間はこんなにも薄情で
辛辣で
残酷で
僕を嫌うのだ。
殴られる痛さ、周りに見捨てられる目、嘲笑うよな周りの声、全部知ってるんだ。
知りたくなかった。知られて欲しくなかった。
ーーー今頃後悔したって。
「……………?!」
周りの見捨てるような目は、驚くような、いや、驚く目に。
嘲笑う声は、誰もいなくなったかのように静かに。
僕は、人を殺めた。
「っ…!?」
僕は自分がやっていないとでも主張するかのようにその場から離れる。
一歩、二歩、三歩と下がると、驚く人々も一歩、二歩、三歩と。
ーーーー何故だ。
今まで自分を虐め、まるで底辺を見るかのような人間共が、今、自分を恐れている。
嬉しかった。その狂った感情さえも、自分が人を殺めた何とも言えない感情を掻き消すために使った。
何故こうなったか。思い出したくもなかった。遡る度、鼓動が早くなっていく気がした。
「こいつ…死んだのか?」
「おい!救急車呼べよ!!!!!!」
経験した事ないからだろうか。困惑し、震えた声で誰かが叫んだ。
その時、置いてあった机を強引に押しのけ、声の主へと急ぐ。
何故急ぐのだ。自分の事を他人事のように疑問に思い、考える事をやめた。
返り血を浴びる。
生々しい音と共に飛び散った血は、汚かった。
ドロッとした血は、中々皮膚から離れないもので、顔に滲んだ。
そんな事は気にせず、僕は殺し続けた。
快楽。この一言だけで表せる感情だった。
後先なんて考えなくていい。これが何よりの快楽、束の間の。
僕はゆっくり立ち上がる。相手が息をしていないのを確認して、息を吐いた。
全員、死刑
- Re: 全員、死刑 ( No.2 )
- 日時: 2018/02/12 14:11
- 名前: ろん (ID: 8tXGWQSz)
ねぇーーー
聞いてよーーー
なんで無視するんだよーーー
「なんで」と訊かれると、人は答えを模索する。
無ければ、放っておく。出来ればその問いがなかったかの様に。
それが例え、同じ人間、だとしても。
同じ人間、平等に、…………。
この世の辞書には、人を動かすのに便利な言葉が沢山。
けれどその反面、不便な理屈も沢山存在する。
動こうとしなきゃ人は動けないんだよね。
何で言葉で伝わらないんだ。何で叫んで喚いたって、答えはもう出てる。
「人間が、哀れだから。」
そんな低俗な人間共と一緒の空間で生活をすることにもう飽きた。
死にたい。
そう思わせてるのは、君達だ。
洗脳、とでもいうのだろうか。
死にたくないのに、死ななければいけない状況に陥らせる。
不快。そんな素朴な感情が僕を埋める。
もう、これ以上居場所のない穴に。
だから、こんなことはもう終わりにしよう。
皆で終わりにするのは、面倒臭いから。
僕が終わらせてあげる。
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何気なくつけた、テレビ。
夜のニュース。日課になっていたキャスターの声。
殺人事件があったとのことだった。
ぼーっと。見ていただけ。
何も考えず。
でも、そんな日々は消えた
いや、消された。
今まで経験したことのない速さの鼓動、恐怖、怒り、悲しみ。
色んな感情が入り混じって、最終的に脳が処理し切れず、フリーズする。
死んでしまった様に立ち竦んで、頭を掻きむしった。
自分がこんなにも苦しんでいる中、楽しんでいる人間がいることに怒りを覚えた。
その日、家族が殺された。
犯人はまだ捕まらないそうだ。
現場には、僕の学校の生徒の名札が。
名前の彫られた部分だけ、溶かされた名札。
あからさま過ぎる犯行に、僕は笑った。僕を笑わせたかったのかな?
はは。
面白いや。
そんなに死にたがりだなんて。
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