複雑・ファジー小説
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- 最果てのアヴァロン
- 日時: 2020/04/03 04:11
- 名前: 黒猫イズモ (ID: V.8mVc0s)
この作品は筆者の気まぐれと趣味だけで構成されているため、過度の期待はご遠慮ください。
この作品にはライトノベル・中二病・魔法もの・軍事もの・洋楽ロック要素・グロテスク表現が含まれますので苦手な方はブラウザバックを推奨します。
また、誹謗中傷やサイトの規律を守れない場合は投稿を中止させて頂きます。
閲覧する際はこれらを厳守するように注意してください。
それでは『最果てのアヴァロン』をお楽しみ下さい('ω')ノ
☆インデックス☆
第1章 「Green Day」
1-1 「Revolution Radio」
1-2「Darknesscity」
☆更新お知らせ☆
2019.09.18 更新
第2話を更新しました。
相変わらず、筆者のオタク具合が存分に出てますね。まず、今回の題名であるDarknesscityはレッド・ホット・チリ・ペッパーズの曲名からできます!また、この作品の語部として最近はハマっている落語と講談の形式で行こうと思います。後半は張り詰めた雰囲気を出したかったので講談風にしてます。
- Re: 最果てのアヴァロン(仮題 ( No.1 )
- 日時: 2020/04/03 04:10
- 名前: 黒猫イズモ (ID: V.8mVc0s)
第1章 「Green Day」
1-1Revolution Radio
並行する三世界、人間界・天界・血界。
ある日、最果ての地であるアヴァロンの唐突な出現により世界は混沌と化した。
聖戦と呼ばれる時代の幕開けである。
三世界の勢力が互いの領地防衛の為にアヴァロンの奪還作戦を開始し、15年にも渡る血なまぐさい戦争が繰り広げられた。
終盤に進むにつれ三勢力による総力戦へと切り替えられると、まさに地獄と形容しても違和感を感じられない程の戦況へと変貌した。
食料と弾薬が底をつき始めるが、それでもなお戦場には弾丸と魔法が交差し血が流れる。
最終的には死んだ兵士の血肉を喰らい始める者も現れた。
死屍累々が戦場を埋めつくし血溜まりで赤く染め上げられた荒野に、その男は姿を現した。
銃は一切手にしていなかった。
片刃の剣を腰に携え、兵士にしては小柄で戦い抜けるほどの容姿ではない。
明らかに場違いで狂っていた男は、後に戦争を終わらせた兵士として伝説となる。
何百もの人外を切り倒し三世界を繋ぐ特異点を占領した。
戦場に着任してから3ヶ月としない内に戦争は終結し人間界の勝利を収めた。
戦争に貢献した英雄であるにも関わらず男は国からの勲章を与えられず、戦争後は一切の情報が軍のデータから抹消された。
今や誰一人として彼の名前を知ることはなく、ただ都市伝説かの如く戦果だけが独り歩きをする現状となっている。
そして10年後。
死体で溢れた戦場は見る影もなく、魔術都市アヴァロンとして世界一の裕福な国が確立されていた。
この物語は最果ての地アヴァロンで繰り広げられる有象無象達の物語。
- Re: 最果てのアヴァロン(仮題 ( No.2 )
- 日時: 2019/09/26 00:37
- 名前: 黒猫イズモ (ID: V.8mVc0s)
1-2 Darknesscity
お運び頂いて、誠に御礼申し上げます。
どうぞ、お終いまで1つご愉快にお過ごしお願い致します。
江戸時代後期に現れた、幕末期四大人斬りと呼ばれる男どもがおります。
田中新兵衛・川上彦斎に中村半次郎。
それからご存知の方もいらっしゃると思われますが、かの有名な岡田以蔵もこの四人衆の1人で御座います。
幕府に逆らい、乱れた幕末において言葉通り新しい時代を切り開いた人物。
そのどれもが、確固たる信念をもち世直しに尽力しているにも関わらず、伊藤博文あるいは西郷隆盛のように偉人として扱われることはありません。
何故、戦績を挙げた兵どもが英雄ではなく人斬りとして語られるのか。
答えは極めて簡単で御座います。
彼らは自らの手で人を殺めた罪人であり、時代から拒まれた故でしょう。
どれほど御仏のように澄みきった人であろうと、当時の世間体から罪人の烙印を押され処すことになれば、それ迄で御座います。
当時を生きた人が子孫に語り継ぐとして、行先はどこまで行っても罪人となってしまうわけです。
これからお話させて頂きますは、奇っ怪な世界で人斬りを名乗る男の物語。
腰に刀を拵えた、桂家志ん暫(かつらや しんざん)と名乗る人。
その男、正義感が強く道理を通す為ならば人を切り捨ることを厭わない武士道精神の持ち主で御座います。
生業として、どのような頼みごとだろうと手伝いをする何でも屋を営んでおります。
警護や鳶職などの身体を活かす職から最近流行りの何もしない人のように幅広く手伝っておりました。
しかし、安定した仕事では無いため暇になることが多い。
そうような日の夜になりますと、刀を持ち出して夜街をダラっと宛もなく徘徊することが日課となっておりました。
丑三つ時を少し過ぎたところ、朝日がまだ顔を覗かせる少し手前の頃。
ブラリブラリと思うが儘に足を運ばせていますと、ネオンで溢れる大路地から離れた路地裏に行きつきました。
日中においても日が差すことはなく、常に屑と湿気で塗れている様子で御座います。
ここで志ん暫立ち止まり、洞のように暗闇が広がる道の先をジッと見つめはじめる。
丁度つま先から向こう側、何やら気味の悪い雰囲気が漂っていることに気付きますと、唯一点を見つめ刀に手をかける志ん暫。
車の警笛が鳴ろうが、額を伝う汗が目に流れようが、全くもって動じない。
そして、向かいにいる『何』かを切り捨てんとばかりに飛ばしている眼光がすごいこと。
達人は戦わずして目で殺す、と言う逸話が御座いますがそれを体現しているかの如く志ん暫の周りに張り詰めた空気が纏う。
しかし、幾ら待てど闇の向こうから向かって来るモノはなく、緊張した状態がジリジリと続く。
次第に夜が明け段々と周りの状態が明らかとなり、理解した志ん暫が驚いた。
つま先から先に広がっていたのは、地獄絵図のそれに近い死屍累々の光景。
そして、闇の中にいた『何か』その一瞬を逃さなかった。
躊躇った志ん暫を仕留めようと、複数の斬撃が志ん暫の喉元に向かってきた。
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