複雑・ファジー小説

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おはよう、狼くん
日時: 2018/02/25 13:04
名前: sea (ID: 13OvT5q/)

1.はじめまして。

「りん!りん!、、、、、りんご!」
「もうっ、なに!?うるさいんだけど!」
私はベットから起き上がって叫んだ。
「うるさい、じゃないわよ。あんた遅刻じゃないの?」
目の前にはお母さんの怒った顔
「えっ、やばっ」
私はベットからとびおりて大急ぎで支度をしはじめた。

「いってきまーす」
家を出ると、さくらの花びらが風に乗って私の髪を舞い上がらせた。
買ったばかりの真新しい制服に身を包み、新しい生活に胸を躍らせながら私は駆け足でこれから3年間通う青藍
高校に向かった。

「はあっはあっ、、、」
息を切らしながらチャイムと同時に教室にとびこむ。
よしっセー、、、
「おっしゃ、セーフ!!!」
上から少し低めの男の子の声が聞こえてきて私は声のした方を見上げた。
見上げると茶髪を無造作にかきあげた、凛とした顔立ちの男子が息を切らしながら飛び込んできたところだった。
うわ、めっちゃイケメン、、、
そう思って見惚れていると、
「広瀬!神崎!お前ら2人ともばりばりアウトだっ!」
中年の濃いい顔したおじさん、たぶん担任の先生が怒った顔で仁王立ちしている。
「すみません、、、」
潔く謝った私とは反対に彼は
「いや、先生俺人生という道に迷って、、、」
などと言い訳をして先生にげんこつをくらっていた。あーあ。
名簿で出席番号を確認して席に着くと、私はさっきの男の子-神崎くんと隣の席だった。
少し驚いて椅子に座る神崎くんを見ていると、神崎くんと視線があった。
その黒い瞳に吸い込まれそうになって、恥ずかしくなって慌てて目をそらそうとすると
「あんたも道に迷ったの?」
と声をかけられた。
いや、駅から徒歩5分で着くのに迷ってたらやばいでしょ、と思いつつ
「いや、寝坊です、、、」と答えると、
「うっわ、初日から寝坊!?ばかじゃんあんた」と大爆笑され、
その言い方にむかついたので「この道のりを迷えるあなたもそうとう、、、」
ばかだけどね!と続けようとした私の言葉を先生の言葉がさえぎった。
「お前ら2人、よっぽど罰がほしいみたいだな」
なんとか言い訳しようとした私の努力もむなしく、
「2人で放課後残って資料整理!!!」
判決が下されたのだった。

朝の会が終わると、隣の席に女子が大量に集まってきた。
「神崎くん、どこ中だったの?」
「彼女とかいるの?」
うわー、すごい質問攻めくらってる。かわいそー。
そう思いながら、私は席を離れて中学からの親友、秋山りほのところに向かった。
「初日から遅刻とか、ほんと勇者だねえ」
顔をあわせるなり、りほの一言にがっくりする私。
「でも良かったじゃんイケメンとお知り合いになれて」
「全然よくないよっ!あいつのせいで居残りになったし、」
「でも顔はいいじゃん?」
まあ、顔はねー、
りほと2人で神崎くんをもう一度見る。
「ん〜久々に目の保養だわ〜」
と喜ぶりほだけど、放課後のことを考えると肩を落とす私なのだった。

1時間目が始まってすぐ、私はある重大なことに気がついた。
教科書がない、、、、
慌てて家を出てきたせいで教科書をカバンに入れるのを忘れていた。
どーしよ、
私の席は1番窓側なので教科書を見せてもらうとなると、隣な神崎くんに頼むしかない。
でも、肝心の神崎くんはすーすーと気持ち良さそうな寝息をたてている。












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