複雑・ファジー小説

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まだ見ぬ明日へ
日時: 2018/03/15 01:36
名前: シガラミ (ID: XhcgQ6Qp)


0.プロローグ

目を開ければ一面真っ白な世界。ここは何処だと思う前に声が聞こえた。
“おはようございます、貴方は勇者。名前をどうぞ”
なまえ?名前・・・なんだっけ?そもそも俺は勇者なのか?
“名前をどうぞ”
ああ、名前を言わなきゃ。

朦朧とする意識の中、パッと思い浮かんだ名を名乗った。
「シミズ。清水だ」

“それでは清水さま、良い旅を”

Re: まだ見ぬ明日へ ( No.1 )
日時: 2018/03/15 02:10
名前: シガラミ (ID: XhcgQ6Qp)

1.ゲームの中のような世界

次に目を覚ました時には、どこか年季の入った部屋の布団もないベッドに寝ていた。日差しが眩しくて体を起こす。腰にベルトを巻き、そこには短い剣が収められていて思い出す。
(ああ、俺は勇者なんだった。俺は勇者で名前は清水、旅をしなくちゃ)
それ以外に疑問を抱くことは無かった。
そのままベッドから降りて部屋を出る。使用人のいない廊下を歩き誰にも会わずにその建物から出ると、人と人とが行き交いながらも食べ物から金品を売っていて賑やかな声が交じる言わば市場のような街の光景が目の前にあった。
自然と頬が綻び人の波に埋もれに行くように目掛けて掛けた。
果物屋の前で美味しそうな林檎を見つめると、気の良さそうなおばさんが「勇者さん、一つどうだい?」と笑顔で聞いてきた。
いただきますと笑顔で受け答えすれば林檎を手渡しで1つ譲ってもらえた。
お礼を言って林檎片手に街を散策していれば胸にドンッと鈍い衝撃が加わり目線を下げれば黒いマント付きのフードを深く被った小柄な子がいた。その子がぶつかってきたことがわかる。
その子は一度振り向いて、俺の方を見れば顔を上げた。短い赤髪の目立つ目のクリクリ大きい女の子だった。その子が向かってきたであろう方向から「待てー!」と言う男達の声が聞こえる。服の袖を小さく引かれてその子を見れば、周りがうるさいにも関わらず目に涙を溜めた幼い子が言った小さな声はハッキリ耳に届いた。
「たすけて」
その子の手を取り駆け出す。追手から逃れる為に。


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