複雑・ファジー小説
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- 腐死人ごっこ
- 日時： 2018/05/01 20:29
- 名前： たぐばぁ&ぐちたろう （ID: QRtzFliU）
- 参照： http://taguba to guchitarou shousetsu - 1
プロローグ
暖かい太陽の光が降り注ぐ天界、のはずだった。
今はどす黒い雲に覆われ、天界の象徴“太陽”が見えていない。
そのときから、狼の姫と呼ばれたウルヴァンは魔法を使えなくなっていた。
天界は神とそれに仕える天使が住む場所だ。
ある時、異物が現れたのだ！神とは敵対している地底の悪魔たちの下僕—腐死人—だったのだ！
この腐死人に噛まれると腐死人になってしまう！恐ろしい疫病を撒き散らす危険なものたちだった。
ウルヴァンは腐死人たちが現れ、追いかけられて１週間目だ。
いくら神とはいえ、そろそろぶっ倒れそうだった。
水はどうにかなっても、食料は確保できなかった。
腐死人たちはしつこい。
狼であるウルヴァンは空を飛んで逃げることができない。
住宅地を駆け抜け、何度も角を曲がる—！！
(私としたことが！！行き止まりに入ってしまった！！)
もう逃げることは出来まい。ウルヴァンは友達が腐死人化していく様を思い浮かべた。地獄だ。
ウルヴァンは最期の抵抗を試みた。神器“狼の楯”を発動させた。
これで少しは自分の身を守れるはずだ！
ウルヴァンは楯に力をこめ、破壊されないようにした。
もう、耐えられないと諦めようとしたとき、一番の親友が飛んできた。いや、落ちてきたの方が正しいな。
「やぁーっと見つけたぜー！腐死人に囲まれちまって！ぶっ潰して逃げろよ！」
破壊神のブレイクだ。愛用の神器“破壊神の大太刀”を振り回して腐死人をボコボコ、フルボッコにしている。
腐死人は神器でしか倒せない。神器が武器でないウルヴァンはなすすべはない。
ウルヴァンが楯に隠れて怯えている間に、ブレイクは全員を動かなくさせてしまっていた。
「助けに来てくれてありがと！だけど、もう少し早くこれたんじゃない？」
「おいおい！助けてもらったヤツが言うことじゃねぇだろうよ！とりあえず、逃げるぞ！」
「どこに？」
「地上にさ」
第一話 ー訳ありの降臨ー
今、私たちは地上を歩いてる。あり得ない。なんか悪いことをしたみたいで嫌だ。
天界で罪を犯したものは地上に無理矢理降臨させ、罪を償わせるのだ。
だから、降臨＝罪人のする事なのだ。
「そんなブスッとするなって。ここは地上って言っても動物の世界さ」
「動物の世界？」
「動物と人間が融合したものたち…獣人！そう、獣人たちの世界さ！ここの土地は違うけど、狼の獣人のところもあるんだってさ。お前、行きたいだろ？」
正直、ちょっと惹かれてしまった。獣人は神だけの特権だと思っていたから、なんかむず痒いみたいな。
「今どこに向かってるのさ？」
「ん？宿屋。ここの土地は雷虎の土地らしい。けっこう南側さ。狼は水狼だから北だな」
ここまで会話をしてきて疑問に思ったことを質問した。
「何でこの世界のことを知っているのさ？」
「んー、まぁた今度な」
私は少しイラっとしてしまったが、別の質問に変えた。
「じゃあ何でこの世界に降臨したのさ？なんか悪いことしたみたいじゃないか！天界で逃げてれば良くない？」
「んー、相変わらず言葉は姫っぽさがないねぇ」
「大きなお世話だ！質問に答えてよ！」
「お前は知ってるか？学校に１体腐死人が現れて、賢いヤツや運動神経のいいヤツは天界でも逃げられたんだ」
「だったらどうして！？」
「運動神経があまり良くないと自分で思ったものは、地上に逃げたんだ」
「地上でも変わんないんじゃ…」
「最後まで聞けって！地上には腐死人がいなかったらしい。ここだけの話、腐死人は地底の魔王が天界と結んだ不平等条約を解除するために牽制として送られてきたらしい。天界を治める太陽神は魔王に捕まってしまったらしい。だから天界にいるのは危ないと思ったわけさ。オレってけっこう頭良くね？」
- 腐死人ごっこ ( No.2 )
- 日時： 2018/05/01 18:50
- 名前： たぐばぁ&ぐちたろう （ID: QRtzFliU）
- 参照： http://taguba to guchitarou shousetsu -onegai
今回は話の続きではなく、私のお願いです。
どーも！たぐばぁ&ぐちたろうです！
この小説を読んだ方にお願いがあります！
できたらで良いのですが、コメントをお願いしたいです！
より良い“腐死人ごっこ”を書いていくためにも、アドバイスやこうしてほしいところなどを教えてほしいです。
皆さんに教えてもらったことはどんどん反映していきたいと思います。
どうか、よろしくお願い致します。
- Re: 腐死人ごっこ ( No.3 )
- 日時： 2018/05/01 18:52
- 名前： たぐばぁ&ぐちたろう （ID: QRtzFliU）
- 参照： http://taguba to guchitarou shousetsu -3
第三話 ー襲撃ー
ウルヴァンとブレイクは地上に降臨してからずっと歩いていた。
否、歩いていたのはウルヴァンだけだ。狼の姿になり、ブレイクを背に乗せて歩いていたのである。
降臨してきたところは深い森の中だった。景色は全く変わらないし、つまんない。
ウルヴァンは前にはぐらかされた質問を再度してみた。
「何で、この世界は獣人たちの暮らす世界だってわかったの？」
「えぇー、言わなきゃ駄目？」
ウルヴァンに睨まれ、素直に話し出した。
「お前、前から獣と人が融合したものたちが住む世界を見てみたいって言ってただろ？
だから、内緒で忍び込んでお前の本を読んだんだ…」
ブレイクはチラッとウルヴァンを見た。その目には、怒りの光が宿っている…！
不味い。直感的にブレイクは思った。幼なじみのブレイクにはわかる、これはガチギレだと…。
ウルヴァンが牙を剥いて口を開けた瞬間にブレイクは早口で謝った！
「ご、ゴメン！！腐死人に襲われてからお前を見つけるまでの一週間、地上に逃げる場所を探してたんだ！
どうせなら、全く知らない土地よりは知っててしかも、行きたかった世界ならお前が喜ぶと思ったんだ…」
「…ふーん、そういうことか。道理で本がないわけだ！」
ウルヴァンは叫び、腰に着けていたバックを開けた。
その中をガサガサあさり、１冊の本を取り出した。題名は『獣人と呼ばれる民の世界』。
まさしくそれは、ブレイクが逃げ場所を選ぶときに使った本だった…！
「私の本は、この異次元バックと連動してる。本と異次元バックは先祖からの宝。これからは、ちゃんと許可をとってから本を使え！」
そう言ってウルヴァンは取り出した本でブレイクの頭を叩いた。
（おい！さっき大事な本だって自分で言ってたじゃねぇかよ！）ブレイクは苦笑いしてしまった。
（でもとりあえず、許してもらえた…！ラッキィー！）
「もう、暗くなってきたね。実は、異次元バックには…」
ウルヴァンは言葉を切り異次元バックからあるものを取り出した！
「じゃじゃーん！携帯しきテントー！！！イェーイ」
（なんかお前、テンションおかしくねぇか？）ブレイクは声に出さないでおいた。
とりあえず、このテンションに乗っておこう！
「うおおおー！ナイスー！」
「でしょ？じゃあ、力持ちのブレイク君！ヨロシク！」
ブレイクは対応に失敗したとみてため息をついた。
（ふぅ！でーきたー！っと！）
ブレイクはグリグリと肩を回した。ゴリゴリと嫌な音がする。
ブレイクはさして大柄ではない。小柄といった方が良いだろう。
身長は154㎝で、ウルヴァンよりも小さい。筋肉もそこまでなく、腕・足は細い…。
こんな体で大太刀を振れるのは神だからだろう。あぁ、神に生まれて、良かった！と思う。
（他の理由もあるけどなぁ）心の中でボォーっと思った。
さっきからいいにおいがしてお腹がギュルギュルいっている。
テントをたて始めたときにどっか行ってイラっとしたのを覚えている。
パッとにおいのする方を見ると、ウルヴァンが焚き火のところに金網をひいて肉を焼いている。
ウルヴァンの後ろに立派な牡鹿の角が置かれていたことから、焼いているのは鹿肉だろうと検討をつけた。
「うまそう！」「もう焼けてるから食べていいよ」返事をもらう前にブレイクは肉に手を伸ばした。
お腹が一杯になると、歩き疲れたせいもあって眠くなった。（歩いたのはウルヴァンだが…）
ふたりでテントに入り、ウルヴァンは寝てしまった。
スゥー、スゥーっと、規則正しく寝息をたてている。
テントをたてさせられて疲れているはずなのに、ブレイクは寝れなかった。
隣にウルヴァンがいると思うと、寝れなかった。
ブレイクは、ウルヴァンのことを一番大切に思っている。
特別な経緯から出会ったふたり。一言では語り尽くせない。出会った時から決めた。
『オレは、ウルヴァンを守る。命が無くなっても』今では心の中になぜこんなことを思ったのかは考えないようにしている。思い出したら恥ずかしくて顔が赤くなってしまう…！！！
そんなことを考えている間に、けっこう時間が経っていたようだ。
規則正しく寝息をたてていたはずのウルヴァンは耳をひくつかせている。
この動きでわかった…何かがこのテントの外にいると！
「外に敵が1、2、3…20！ふたりで対応できる数」
「あぁ、オレに守護を付けといてくれよな！」
ブレイクは“破壊神の大太刀(ブレイク・ソード）”をとり、外に飛び出した。
ウルヴァンは神器“狼の楯（ウルヴァン・シールド）”を呼び出し、ふたつの盾を構える。ひとつを変化させブレイクの守護に、もうひとつを自分に守護を作った。
そして、ウルヴァンは家宝の“水狼の牙（守護神の槍）”を手に取った。
「お前！家宝じゃ腐死人は倒せねぇぞ！」
腐死人を切り刻みながらブレイクは叫ぶ。
「知ってる！援護だ！足を切って動けなくさせる！」
ふたりで20体もの腐死人たちをものの５分で惨殺したのだった。
ウルヴァンが足を切って動けなくさせ、ブレイクが神器でとどめをさす。
無駄のない連携だった。
幼なじみの宝は意志疎通。この世界、アニマル魔王国ではよく言われた言葉だった。
- Re: 腐死人ごっこ ( No.4 )
- 日時： 2018/05/01 20:17
- 名前： たぐばぁ&ぐちたろう （ID: QRtzFliU）
- 参照： http://taguba to guchitarou shousetsu - 4
第四話 ー賭け事 ウルヴァンの知力ー
襲撃された次の日に都市を見つけた。
高くそびえ立つビルがあり、繁栄していることがうかがえる。
その都市の名はクレストランアニマル王国の都市だ。
アニマル王国の中心地に噴水広場がある。噴水広場から四方に道が分かれていっている。
東西南北、それぞれ別の目的あるストリート（店屋通り）がある。
北には冒険者用の宿や武器屋などの店が建ち並ぶアドベンチャーストリートがある。
今ウルヴァンとブレイクはそこの宿屋で休息をとっていたのだった。
「う〜ん、そろそろ疲れもとれてきたかね？半日ありゃ私たちの体力は回復するわな…イテテテテ！」
ウルヴァンが思いっきり伸びをした…後に腕をつったらしい。
「そうだなぁ。今一番の問題は金不足だろ？いくらこの宿が安くたって１泊銅貨2枚だ。
今手持ちの物を…例えばお前が狩った鹿の角か皮を売ったってそんな金は入らないだろ？どうすんだ？」
「この宿は料理が出ないからね。まぁ、ちょっと良い案があるんだよ！どう？」
ブレイクの耳に口を寄せてこそこそと話す。2人以外、この部屋にはいないのだが。
ブレイクは恥ずかしさで少しワタワタしてしまった。
「…？何で顔赤いの？」
ウルヴァンに聞かれ、答えることもできずにまた赤くなってしまった。
ウルヴァンのことが好きなのをバレないように早口で話を続けた。
「い、イヤなんでもないし！赤くなってない！そ、その案だけどしょうしゃ…勝算はあるのか？
早口で喋り、噛んで自爆してまた赤くなった。ブレイクはとても顔に出やすい。
「もちろん！ブレイクに戦略ゲームで負けたことないから！」
ガヤガヤと賭博場が賑やかだ。
椅子に腰掛け、金を賭けている男女ペアが2組勝負している。
やっている勝負はカードバトル、フォーチューン・バトル。
自分の駒を引いたカードの指示にしたがって動かす、運要素の強めなゲームだ。
カードは自分で買ったり交換したりして揃える。チートすぎるカードはメチャクチャ高いのだ。
主に5枚セットのパックを買うらしいが。
「キル・セレクティングカード！あなたの闇騎士を殺し、私のカードになったよ♪」
「オレはシャッフル・プレイングカード！お前ら、勝てると思って強いカードを出し惜しみしただろ？墓場とシャッフルシャッフル♪クソカードを捨てたのがバカだったな」
狼の少女と大太刀を持った少年がニヤニヤと笑ってくる。
（クソったれ！そんなカードこの世に存在してたのかよ！）
キル・セレクティングカードというのは相手の好きなカードを殺し、カードを使った人がそのカードの主人となるチートすぎるカードだ。
もう１つのもなかなのチート能力だ。墓場（死んだカードの行き場）手持ちのカードを交換だなんて…ふざけてる。
狼の少女と大太刀を持った少年はウルヴァンとブレイクだ。
ウルヴァンは運動能力と知力だと知力派だ。ブレイクは逆で運動能力派だ。
ウルヴァンはその知力を使い、賭け事をして金を巻き取ろうとしたのだ。
持っているカードはウルヴァンが自作した。本当は魔力を込めなくてはいけないらしいが、神ならば何でもできる。
ウルヴァンの知力を性格悪く使うと賭け事なんてお遊びになるのだ。
相手の少年に違和感を感じたのはいつだっただろうか？隣の少女をチラチラ見るようになったのだ。
最初はその少女を負けた理由にディスるのかと思ったのだが、勝負が決まったあと少年がとんでもないことを言ってきた。
「そんなチートカード持ってりゃ誰にでも勝てるさ。残念ながら僕たちにはお金がない。
だから、僕の奴隷をあげるよ。良い顔立ちだろうから高く売れるさ。じゃ！」
と言って去ってしまった。
残された少女は涙を見せまいと歯をきつく噛み締めている。
ウルヴァンとブレイクはこの少女を売ろうなどとは思っていなった。過去に何あったのかを聞き出したい、そして、この少女に宿る力を感じて狼狽えてしまった。
- Re: 腐死人ごっこ ( No.5 )
- 日時： 2018/05/02 20:01
- 名前： たぐばぁ&ぐちたろう （ID: QRtzFliU）
- 参照： http://taguba to guchitarou shousetsu - 5
第五話 ーフォーの能力 上ー
賭け事をした日の夜。
ウルヴァンとブレイクはとりあえず少女をふたりの部屋に通した。
粗末なベッドにうつむいて座っている。フード付のマントを羽織っているため、表情はわからない。
「とりあえず、名前を教えてくれるかな？オレはブレイクでこっちはウルヴァンだ。
お前を売ったりしないから安心しろ。」
ブレイクは気さくに話しかけた。ウルヴァンもうなずき、話を促した。
少女はブレイクとウルヴァンの目を長いこと覗いた。そして、ぽつりぽつりと話し出した。
「わ、我の名前は、フォレスター・グレス、です。前の主人にはグロスト（嘘つき）と呼ばれていました」
「グロスト？それはひどいなぁ！？嘘つきが名前とはひどすぎるぞ！」
「私たちはそんなひどい呼び方はしないから安心し。奴隷にしないし、自由にしてあげるから。あなたのこと、フォーって呼ぶからね？…ひとつ、質問して良い？」
フォーがうなずくのを見て質問をした。
「フォーは賭け事の時と私たちの目を覗いたときと目の色が違った気がする。フォー。話してほしい。
別にその事に対してどうこう言おうとは思わないし、特別な能力を教えてほしい」
フォーは一瞬ビクッとしたがうなずき、フードを外して話し出した。
「我は…見た目は他の人と一緒だけど、他の人にない力があるみたい。今気づいてるなかには、人の心の中を読むことが出来るの…出来ます。
もしかしたら、その時に我の目の色が変わったのかもしれない。
あと、獣になれるんです。他の人は耳と尻尾だけ出した人型だけど、我は狐になれるんです」
ウルヴァンは納得した。（そっか。人の心を読めるからすぐに話し出したのか）
ブレイクは…多分わかってないだろう。馬鹿だから。
ウルヴァンはこの珍しい能力のことを考え、フォーは獣神なのではないか？と、思った。
実際にこの能力が本当かどうか確かめねばならない。
ウルヴァンは噴水広場の地図を頭の中で展開させた。ウルヴァンの神の能力は“瞬間記録”だ。
1回見たものは嫌でも覚えられる。
（都市の外に森があるな。そこで能力を確かめるか）
ウルヴァンはその事をふたりに話した。
ブレイクはすぐにうなずいたが、フォーは少し考えてからうなずいた。
まだウルヴァンとブレイクのことを信じられないのだろう。
フォーが寝たあと、ウルヴァンとブレイクは明日のことでいろいろと作戦会議をしたのだった。
- Re: 腐死人ごっこ ( No.6 )
- 日時： 2018/05/02 20:27
- 名前： たぐばぁ&ぐちたろう （ID: QRtzFliU）
- 参照： http://taguba to guchitarou shousetsu - 6
第六話 ーフォーの能力 下ー
次の日、良い天気だった。
朝ごはんを買いがてら森に行く。
森に入ると、一気に暗くなった。まるで、何か出てきそうな…
ガサガサ！！！！
「きゃあ！？」「うひゃ！？」「うおぉ！？」左からフォー、ウルヴァン、ブレイクの順。
「グオオオオ…ガルルルゥ…」
茂みの中から腐死人（ゾンビ）が現れた！しかもけっこうな量がいる。20体はいる。
「ブレイク・ソード！」「ウルヴァン・シールド！水狼の牙！」ふたりは共に自分の神器を呼んだ。
異空間に仕舞っていたから召喚しなければならない。
ブレイクは大太刀を振り、腐死人たちをなぎたおす。ウルヴァンは自分とフォーに盾の力を使い守る。
フォーはというと、頭を抱えてしゃがみこみガタガタ震えている。
ウルヴァンは近づいてくる腐死人を水狼の牙で突き返しては守りを固めるということを交互に仕事をした。
ウルヴァンは腐死人を突き返しながら思った。
（ブレイクが圧されている。この間の襲撃ではボコボコにしていたはずだ。ブレイクの腕が落ちたことはありえない。
そう考えると…腐死人たちが強くなったのか？）
ブレイクの援護に向かおうとウルヴァンは走り出した。ブレイクが圧されることはほぼない。焦ってしまい、周りをよくみていなかった！
（！？）ウルヴァンがさっき突いた腐死人に足を掴まれ転ばされたのだ！
水狼の牙は神器ではない。だから、腐死人を確実に仕留めることはできない。それが仇となった。
一応結界を張ってあるため、まだ噛まれていない。だが、いつまで結界が持つかわからない。
とたんに、押さえ付けられていた体が楽になったことにウルヴァンは気付いた。
「ありがとう！ブレイク…！？」
そこにたっていたのは…フォーだった！弓から矢を放ち、腐死人を突き刺して殺していた。
この戦場はブレイクとフォーの力で勝つことができた。
ブレイクとウルヴァンが驚いたことは、やっぱり神人なんだということではなく、いきなり神器を出したことだった。
フォーは、確実に神人だとふたりは思った。
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