複雑・ファジー小説
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- 転生LIFE
- 日時: 2018/05/20 15:06
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
死んだら何になりたいですか?
その質問にそう簡単に答えは出ますか?
現代社会で高校の教師をしている津賀 謙太は帰り道、刺殺され
死んだ。次に目を覚ましたのは異世界だった。
■
中学二年生、華神 天音は運動もできず勉強もあまりできなかった。
そんな彼女は部活の帰り道、穴に落っこちてしまい気を失った。
- 0話 転生後は ( No.1 )
- 日時: 2018/05/20 15:03
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
———
——
俺は確か刺されて死んだ。ということはここはあれかあの世か?
『いいえ、違います』
「へ?誰なんだ?」
そこには中性的な黒髪の人物がいた。
『貴方の特殊能力、大賢者です。貴方は死んでスライムになりました』
ほ、ホントだ!青いぷるっぷるの体になってやがる!
さっきから何かおかしいと思ったら…。
『貴方の特殊能力は変質、捕食者です。取り込んだ生き物の力を扱えます。
貴方は人間の姿になることもできます。私の作った体をプレゼントします』
お、お〜中性的だけどホントに人間の姿になった。
流石大賢者。
「で、俺はこれからどうすればいいんだ?」
『この世界でスライムライフをお楽しみください』
———
——
「あ、起きたみたいっすよ」
俺は目を覚ました。誰だ?
『説明。ここはゴブリンの村です。貴方はこれから彼らのまとめ役です。
情報はあるはずです』
あ、確かに。今、俺に声をかけてきたのはロクロっていうらしいな。隣の男が
ラドルで女がクリフトっていうみたいだ。他にもエクトとかもいるらしいが省略させてもらう。
『ちなみに今の貴方の名前はライム=フェアードです』
「ライム様、おはようございます」
「お、おう。おはようエクト」
この兄さんがエクトか、割と顔面偏差値高いな。クラスの女子どもがキャーキャー
してそうだ。
「あ、俺ちょっと出かけてきていいか?」
「えぇ、お気をつけて」
クリフトは笑顔で俺を見送る。よし、少し離れたところに行って色々試してみるか。
情報は俺の大賢者さまが教えてくれるしな。
◆
そこに行ってみると一人の少女がキョロキョロしている。
黒髪に青色のメッシュが入ったショートヘアで若干男子寄りだな。
「あ、あの大丈夫か?」
「あ!すみません、信じてもらえないと思うんですけど話を聞いてもらっても良いですか?」
彼女から話を聞いた。現在13歳の中学二年、名前は華神 天音という。
どうやら部活動の帰り道に穴に落ちてここに来てしまったらしい。
「なら俺と一緒だな。俺も死んでスライムに転生したんだよ。日本にいたときは
津賀 謙太って名前で高校の教師をしてたんだ」
「え?そうなんですか?よかった仲間がいて」
「おう、俺も少し安心したわ。仲良くなったんだし敬語は抜きで行こうぜ。
それと俺の村に来いよ」
彼女は頷いてくれた。
「っと、その前に少し試さないとな」
なるほど、なるほど、魔力を俺は辺りから吸収しているのか。
それ!手の平から放たれた炎がゴォォ!と音を立てて辺りを焼け野原にした。
「そうだ。アマネは魔術とか使えるのか?」
「あ、はい。一応…」
彼女が右手を横に振るうと水色の三日月型の弾が放たれた。
「…よし、今日からアマネを俺の右腕とする!正確には補欠だがな」
「いいんですか?」
「いいのいいの。そうすれば俺がいないときも村は安心だしな」
『警告、村からおよそ40m離れた場所より緊急要請!』
大賢者。それに、まさか誰かと戦ってるのか!?
「アマネ、俺と一緒に来てくれ!戦うかもしれないから覚悟しといて」
「り、了解です!」
- 第1話 戦闘種族、襲来 ( No.2 )
- 日時: 2018/05/20 16:20
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
辿り着き話を聞くと相手は鬼、つまりここで言うオーガらしい。
おっさんに爺さんにイケメン二人に美人二人、なんてことだ!
俺は順番に片付けていくポニテの胸がデカイ人を粘鋼糸でぐるぐる巻きに、
おっさんを眠らせる。
「っとと、私まで!宝珠・束縛陣!」
七つの小さい珠を忍者みたいなオーガにアマネは投げ束縛した。
よし、こんな感じでどうだ?
「って、やべぇ!」
目の前にはアマネが取り押さえた奴とは別のオーガの炎が迫っていた。
「やはり口だけみたいだな」
その際に爺さんにも片腕を斬られたが舐めてもらっちゃ困るぜ。
「そうだな。もう少し慎重になってれば腕も持っていかれなかったかもな。
まぁ腕が消えてもすぐ戻せるけどな」
「ば、化け物が!!」
「若様、油断なされるな」
これでも見せてみるか。
俺は片手を上にあげた。同時に赤く大きな炎の柱が現れる。
「あれは…あの炎自体が彼の力そのものです」
オーガのお姫様はこっちに来て俺に背を向け手を広げる。
「お兄様、彼は悪い人ではないかもしれません!あの時のオークたちとは違い
彼はさっきの人たちにとても信頼されていましたから」
「その通りだぜ。ほら」
ぽよよん、と俺はスライムになった。見ろ、俺は青いスライムだぞ!
「ほれ、この仮面には抗魔の術がかけられてるんだ」
「ホントだ」
ふんぞり返っている俺をアマネは屈み指で突く。
オーガの若様もそろそろ納得してくれたらしく片膝をつく。
「どうやら俺の勘違いだったらしい。謝罪させていただきます」
「うむ、苦しゅうない。そうだ話を聞きたいし村に来いよ、宴会をするから」
「私たちもですか?」
お姫様の言葉に頷く。ってことで全員で村に帰った。
「くぅぅやっぱり美味いぜ串焼き!」
「それは良かったです」
クリフトは笑顔でそう言った。
「アマネ殿、もういいのか?」
「えっと少し休み」
「そういえばお前ら、これからどうすんの?今後の方針とか色々さ。若って言われるぐらい
なんだからお前にアイツらのことは掛かってんだろ?」
質問に本人は少し目を逸らす。絶対考えてなかっただろ。
「なぁお前、俺の配下になる気はないか?」
「え?」
「といっても俺は衣食住を助けるだけだが拠点はあったほうが良いだろ?
それに話で聞いたんだがそのオークってお前らよりも本来は弱いって」
「そうそう、オークがオーガに戦いを仕掛けること自体あり得ないってみんな言ってた」
アマネもそう言った。
「となると俺たちも危ないと思うんだ。俺にせよお前にせよ戦力があるほうが互いに
得だろ?」
彼は顎に手を当て考えるしぐさをし、少しして「少し考えさせてくれ」と言い残し
奥へ行ってしまった。
「あの人たちも本当ならすぐにでも復讐したかったのかも」
「だな、もうちょっと気持ちを配慮すべきだったかもな」
- 第2話 オーガから進化 ( No.3 )
- 日時: 2018/05/20 16:52
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
翌日、オーガの若様は俺のところに来た。
「昨夜のこと、受けさせてもらいます我らオーガ一同。貴方の配下に」
「よし、ならオーガたちを全員ここに呼べ。俺の仲間の証として名前を
つけてやる」
すぐにそのオーガたちは集まってきた。
魔力を結構使うからスリープ状態になるらしいがそんな多くないし大丈夫だろ。
そう思っていたが、ダメだったか———。
◆
目を覚ますと俺は膝枕させられていた。
「ライム様、よかった。分かりますか?紫(ユカリ)です」
「朱音(アカネ)です、大丈夫ですか?」
「あ、あぁ」
そっか急にスリープ状態になってたのか俺。
「あ、起きた起きた」
アマネは二人のオーガを連れてやってきた。ん?なんか一回り体躯が小さくなってないか?
あれか?進化ってやつか?
「ライム様、ご回復されたのですね。赤丸(アカマル)の名を頂き鬼人となりました」
「俺も翠(スイ)の名前を頂きました」
「あの鬼人って?」
オーガから鬼人?
「オーガの中から希に生まれる上位の種族です。一度にこんな人数生まれることはありません」
「確か蒼覇(ソウハ)か。で、白夜。あれ?あと一人いたよな?」
「俺だな。黒江だ」
一人だけ変わってないな。ビャクヤは若返ってるし…ユカリは結構知的に、アカネは
前よりもさらに美人になったし…。
「っていうか全員服の大きさが合ってないから合わせてもらうか」
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