複雑・ファジー小説
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- 私
- 日時: 2018/05/28 22:36
- 名前: 地球 (ID: 393aRbky)
私は生まれた。
どれほど刻が経ったか、
きっと私は
偶然の産物だったのだろう。
けれども私は生まれて
この場所に居る。
それは変わりない事だ。
私には兄弟がいる
私が一番歳上だ
時には怒る事もあるが
普段はとてもとても美しい兄弟達だ
私はそれを誇りに思う
私はそれを羨ましく思う
私には沢山の子が居る
私の兄弟達とは違って
怒る事はしない
偶に私を傷つける事はあるが
それはわざとではないと私は思う
しかしその子達の多くは
死んでしまった
元から長生きは
出来ない子達であった
分かっていてもとても悲しい事だ
私にはまだ子が居る。
いずれ昔の子達のように
儚く命が散ってくのだろう
私は親としてそれを受け入れる
私はいついなくなるか分からない
だからと言って
いなくならないという事ではない
ずっと前に生まれた
いつの事かはわからない
それは私だけではない
私には名前がある
だがその事は誰も知らない
だからこそ私には幾多の名がある
私の子の中に『ヒト』と言う名の子がいる
その子は
賢く
強く
恐ろしい
私に危害を与えているのを承知の上で
私へと危害を与えてくる
けれどそんな子でも私の子に違いはない
だから私は親として最期を見届ける
なんと言う事だろうか
あの
賢く、強く、恐ろしいあの子が
私に新たなる名をくれたなんて
なんと言う事だ信じられない
どうやら私はまだ子を信じることが
出来てなかったようだ
どうやら私はまだ親として幼かったようだ
あぁ
また私の子が死んでしまった
『ヒト』
私が与えた名前
『地球』
貴方達がくれた名前
私はまた新たな名が増えた
きっとその名は呼ばれないだろうが
私は生きている
どれほど刻が経ったか
きっと私は
偶然の産物だったのだろう
けれども私は生まれて
ここの場所にいる。
それは変わらないことだ