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複雑・ファジー小説
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- 兄という生き物は
- 日時: 2018/06/06 17:51
- 名前: 美崎 朱梨 (ID: tg4uMaEQ)
兄という生き物は、許しが無ければ触れられず、神聖で高貴。そして、愛おしい存在なのです。
- Re: 兄という生き物は ( No.1 )
- 日時: 2018/06/06 18:08
- 名前: 美崎 朱梨 (ID: tg4uMaEQ)
〇月×日 晴れ
今日は私の誕生日です。ですので、お兄様から日記帳を頂きました。これからは日記をしたためて行こうと思います。
兄様はその為に、私にこのノートをくださったのですから。
さて、今日の出来事を綴っていきましょう。
今日はなんとも暑い晴れの日でした。おでこには汗が滲み、お洋服は張り付く。長い横髪は頬に沿って流れる。なんとも鬱陶しい日でした。
でも、不思議ですね。同じ館にいるであろう兄のことを考えると、暑さなんて忘れ、会いたいという想いだけが残ったのですから。
会いたいとずっと願っていたお陰か、兄様に会うことが出来ました。
兄様は暑そうに胸元をはだけさせ、シャツの長い袖を捲っておられました。いつもちゃんと服を着ていると近寄りがたく、話しかけにくい印象を受けるのですが……今日はなんだか話せそう。そっと近づき兄様の体に手を這わせれば、兄様は驚きつつもにこりと笑ってくださいました。その笑顔のなんとも愛らしいこと。傍には友人もいたのですが、思わず「さようなら」と兄様と共に帰宅してしまいました。友人には悪いことをしました……。明日謝るとしましょう。
兄様と歩く帰り道の、なんとも幸せなこと。
兄様は私を妹と言って下さり、頭を撫で続けてくださいました。
兄様。
愛おしい私の兄様。
どうか、明日も会えますように。
それでは、おやすみなさい。
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