複雑・ファジー小説
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- 蘇りの術を求めて
- 日時: 2018/09/01 19:53
- 名前: 妄想炸裂作者 (ID: K3umOKeH)
初めまして9/1にこのサイトに来ました。妄想炸裂作者です。
僕がある掲示板で書いている物を転載していきます。
拙い文ですが応援してくださるとありがたいです。
あらすじ
ある日、町から出ていた主人公深瀬の妹「由美」が魔物に殺された。
妹を溺愛していた深瀬は借金をしてでも妹を蘇らせる為に町の中で最も医療能力が高い魔術師に復活を頼んだ。
しかし、魔術師は「復活出来る時間は既に過ぎた。この世で魂を戻す力を持つ者は居ない。彼女の事は諦めなさい。」そう言って深瀬を追い返した。
成す術が無い。しかし、諦めきれない。そう思い彼は必死に復活の術を探した。
そして1年後。友人のツテで見付けた蘇りの術。
それは【上位世界】と呼ばれる神を越えた者が住む世界。
その世界のある神が蘇りの術を使えるらしい。
それを知った深瀬は神を越える為、ダンジョンに頻繁に潜り、己を強くしていった。
そんな事があって数百年。
その数百年の間。深瀬は様々なスキル手に入れ、三人の仲間を手にし、神話に出る様な武具を入手し、を寿命による死、老化を無効にする薬を見付け、魔王を殺し、邪神を殺し、挙げ句には勇者を殺した。
最後に神を殺した後、目の前には謎のゲートが現れた。そのゲートに入るとそこは休憩出来そうな所だった。
蘇りの術を手に入れる為、死に掛けながらも少しずつ上へ、上へと進む物語です。
- Re: 蘇りの術を求めて ( No.4 )
- 日時: 2018/09/01 17:11
- 名前: 妄想炸裂作者 (ID: K3umOKeH)
外の状態が分からないので今が朝かは分からないが11時間位寝た気がする。
柳林は既に起きており、部屋から出ていた。
近くに置いておいた軽装備を再び装着し、昨日会議した場所へ向かった。
「おはよー。」
「深瀬さん、おはようございます。」
「結構寝てたわね。お疲れ様。ご飯はそろそろ出来るから待っててね。」
調理台がある所にはピンクのエプロンを着た桜と赤いエプロンを着た日菜が料理していた。
柳林は昨日座った時お同じ位置に座っていた。
俺も昨日と同じ位置、柳林の隣に座ると柳林が小声で何か呟いた。
「桜ちゃん、裸エプロンしてくれねぇかな…。」
「お前は殺されたいのか?」
そんな事を本人の前で言ったら桜ちゃんと日菜ちゃんの二人掛かりで潰される。
「いやいや、ただの願望だよ。実行して貰おうとは思っていない。でもさ、桜ちゃんも良いけど日菜も良さそうだよな。あの貧乳とも普通とも言えない中途半端な胸は裸エプロンをした時にかなり映えそうだ。」
柳林が周りに注意が向けていないので俺が二人の方にちらっと目を向けると柳林の声に気付いたのか日菜ちゃんがかなりザクザク切れそうな包丁を投げようとしている所を桜ちゃんが必死に抑えているのが見えた。
「お前、二人に聞こえてるぞ。」
「え、マジか。」
宥めるのに成功したのか日菜ちゃんは包丁を降しているが顔を赤くして睨んでいる。
「後で謝……ったら悪化しそうだから行動で示しとけ。」
「へーい。」
日菜ちゃんは少し荒くなっているが料理をしている。
「それと今日の飯はいつもより少ないと思っとけ。」
「何故に!?」
日菜ちゃんを怒らせたからだろうがバカが。
- Re: 蘇りの術を求めて ( No.5 )
- 日時: 2018/09/01 17:33
- 名前: 妄想炸裂作者 (ID: K3umOKeH)
結局柳林の飯はいつもの半分だった。彼のテンションがかなり落ちていた。
日菜ちゃんと桜ちゃんはいつも通り楽しそうに話している。
今回の飯は焼き魚、味噌汁、何故か甘く、外はカリカリ中はもちもちのパンだった。
飲み物は牛乳だった。昔に飲んだ牛乳よりかなり味が良かった。
「旨かったな。」
「そうだな…。半分しか食えてねぇけど。」
想像以上の美味しさで叫んでいた柳林は裸エプロンの事を話した事に後悔していた。
女子二人は仕組みはよく分からないけどお風呂っぽい所を見付けたらしいので今風呂に入っている。
「あのさ、この硝子のスライドドア気にならないか?」
「ああ、それか?俺も昨日から気になっていたんだ。」
硝子のスライドドアとはこの部屋の奥にある4枚のスライドドアだ。昨日から真っ暗だが触ってみた所これの材質は硝子に近い物だろうと思える。
他にもドアでは無く、窓にも使われていた。
「……開けるか?」
「開けてみようぜ。」
柳林を当てにするのは良く無いが、俺もこの硝子は気になる。
誘惑に負け、手前側のドアを開けた。
その奥にあったのは…
「やあ、こんにち」
ガラガラガラ ピシャ
「なんか………変なのが居たな。」
「チャらそうな人居たよな。」
ドアの向こうには高級そうな杖を持ってチャらそうな若い男が居た。
これは女子組が来るまで保留にしておこう。
- Re: 蘇りの術を求めて ( No.6 )
- 日時: 2018/09/01 17:40
- 名前: 妄想炸裂作者 (ID: K3umOKeH)
「あ〜、気持ち良かった〜。」
「そうですね〜。」
そこそこの温度だったのか体が少し火照っている。
「ちょいとゆっくりした所すまんが話があるんだ。」
「いきなりどうしたの?ご飯なら謝っても出さないわよ。」
柳じゃあ信用が無いので俺が代わりに説明する。
「いや、そうじゃない。とりあえず戦闘の準備をしてくれ。この硝子の奥によく分からない人が居た。」
「ふーん。桜ちゃん。準備しましょ。」
「は、はい!待っていてくださいね。」
二人が装備を置いている部屋に入っていった。
二人が去った後、柳林が小声でまた話し掛けて来た。
「桜ちゃんなんかエロかっ」
「お前はいい加減懲りろ。」
頭に強めのチョップをした。
「装備してきたわよ。」
二人が戦闘時の装備に着替えてきた。
日菜ちゃんは近接攻撃も出来る様にかなり硬く作られた杖、その他THE★魔法使いらしき服装だ。服には魔力回復効率アップ、魔法強化等が付いている。
桜ちゃんはレイピアを使う。このレイピアは魔力強化、この武器のエンチャント効果強化が付いている。
服装は巫女さんに近く、しかし、戦いやすい服装をしている。その服には日菜ちゃんと似た効果がある。
柳林と俺は既に武装は完了しているので問題無い。
「じゃあ、開けるぞ。」
「うん。」
「はい。」
「おう。」
- Re: 蘇りの術を求めて ( No.7 )
- 日時: 2018/09/01 17:53
- 名前: 妄想炸裂作者 (ID: K3umOKeH)
ガラガラガラ
「やぁ、皆さんこんにちは。……なんでそんなに武装しているんだい?」
男は器用にも片足で杖の上に立っていた。
「先に質問して良いか?」
「ダーメ。これから話があるんだから。質問はその後ね。場合によってはすぐに次の話に移るけど。」
話か…。聞いておいた方が良さそうだな。何か知ってそうだし。
「そうか。じゃあ」
「君達はこの世界の最高神を殺した。その特典として上位世界に連れていってあげよう。質問は?」
………この人嫌いだ。
反応が無いからか、男はジャンプし、杖に片手を付けて逆立ちした。
「で、どうなの?」
「あ、あの、上位世界とはどういう所ですか」
桜ちゃんが勇気を振り絞って質問した。
健気。
「えー、説明面倒だから実際に向こうに行って見てよ。」
そんな勇気を面倒と言う理由だけでこの男は勇気をバッサリと斬った。
「うぅ……」
「まぁ、一つだけ教えるけど普通の街と変わらないよ?この世界の普通がよく分からないけど。」
しかし、流石に酷いと思ったのか軽い説明をした。
「他に質問は?……無さそうだね。じゃあ上位世界に送るよ〜。向こうは着いた瞬間襲われるとかそんな治安が悪い場所じゃないから気楽にしてて良いよ。」
そうなのか。だが、この男の言葉だけでは信頼出来ないので戦闘の体制は崩さないでおく。
「うーん。信用してくれないね…。まぁ、いいや。じゃあ送った後に吐き気するかも知れないから気を付けてね。システムスキル【上位世界転移】」
- Re: 蘇りの術を求めて ( No.8 )
- 日時: 2018/09/01 19:21
- 名前: 妄想炸裂作者 (ID: K3umOKeH)
俺はそこで気を失……わない?
しかし、気を失わなかったが目の前の風景は変わっている。柳林、桜ちゃん、日菜ちゃん、そしてあの男。全員が消えている。
周りの風景は全ての色をぐちゃぐちゃにかき混ぜている途中の様な風景だ。
「うっ!」
体が強い力であちこちに引っ張られたり、押される感覚がする。
その上落ちる様な感じもしてかなり気持ち悪い。
これじゃあ送った後に吐き気じゃなくて送る途中に吐き気じゃないか。
そんな状態も長くは続かなかった。
唐突に引かれる力や、落ちる感覚、周りの風景が全て消え、真っ暗になった。
代わりに仰向けに倒れている感覚がした。
少しすると今俺は目を閉じていると言う事が分かった。
なんとも不思議な感覚だ。
今の体制を把握した所でいつの間にか閉じていた目を開けた。
1章:上位世界
「う……。」
目を開けるとそこは普通の木製の部屋だった。
起き上がって周りを確認すると普通の宿の様だ。
いや、ここに来る前に居たあの部屋と似た置物が沢山ある。
寝室にあった小型の時計の様な物。
食堂と繋がっていた部屋にあった特殊な魔法石を使った四角の物。
長方形に沢山の柔らかい物が付いた謎の物。
そんな物が溢れていた。