複雑・ファジー小説
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- いろはにほへと
- 日時: 2018/09/07 03:14
- 名前: ろろ (ID: 8HTDhaI.)
ろろと申す者です。
亀更新です。
グロ描写後々出てきますので、そういうの苦手な方はお気をつけください。
つまらないが口癖の少女の物語。
- Re: いろはにほへと ( No.1 )
- 日時: 2018/09/07 12:45
- 名前: ろろ (ID: 8HTDhaI.)
言葉。言の葉。陳腐でつまらないもの。私が嫌いなもの。世界で一番無くなって欲しいけど、世界で一番無くなったら困ると思うもの。本当に本当にイヤーなものだ。
私は着物を模した洋服の裾を弄りながら、溜息をついた。
理由はつまらないから。
「溜息をつくと、幸せが逃げて行くらしいぞ」
いじけている私の頭の上から声が聞こえた。天の声だろうか。
「天の声。私は元々不幸体質なので、今更幸せが逃げようが、減ってしまおうが日常は変わりはしないのです。ですから放っておいてください」
すると天の声はこう言って来た。
「相変わらずしけてんなーおめーはよ。せっかく整った顔にいい体持ってるんだからもっと元気に行こうぜ?」
訂正訂正。
「おっとこの声は天の声では無く、エロおやじパイセンのものでしたか」
私は裾とのお遊びを取りやめ、手元にあったボールペンを声が聞こえてきた方向にぶん投げた。
とほぼ同時のタイミングでうおっとという男性の声が聞こえて来る。この声は逃したか。
「つまらない」
「先輩にやけに鋭利なボールペン投げつけておいて、溜息混じりにつまらないとはどういうことだ? てめえ言ってみろ」
「セクハラされたんで、必死の抵抗したら逃げられてしまって悲しかったんですよ」
少しドスのかかった声に私はそう答えた。嘘八百の答えだが。
「悲しかった奴がつまらないとか言うわけないだろ。それより仕事しろ仕事」
……はーい。
「……嫌でーす」
あ、やべ。間違えた。
私は顔を上げさっきから声がしていた方向を見る。そこには黒いスーツと赤い炎を身に纏っている私の先輩と呼ぶべき人がいた。あらー怒ってるわー。
「殊果(ことは)てめー。まだここに来て1週間経ってねえのになんだその言い草は……」
先輩はじりじりと私との距離を詰めてくる。ので、私はじりじりと後ろに下がっていく。
「逃げるな」
「いやだって、捕まったら面倒臭そうなので」
先輩は頭を抱える。と同時の彼のみに纏わりついていた炎が消えて行く。
そしてボソッともうやだこの新人。と言った。聞こえた。
私も嫌だわこんなところ。
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