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複雑・ファジー小説
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- また来年この木の下で
- 日時: 2018/09/09 19:35
- 名前: 鷹ファン (ID: ???)
「死ねよバーカ!!」
1人の少年が思いきり座り込んだ俺を蹴りつける。
(痛い!!やめてよ。)
心の中ではそう叫んでいても、声には出さない。いや出せない。
「お前なんか人間のクズだ!!」
1人の少年が、笑いながら言葉を投げつけてくる。
(ねぇ。なんでそんなこと言うの?)
やっぱり声を出すことはできない。
「見てよアレ...。」
少し離れたところでは、女子達が固まってこっちを見ながら笑っている。
(ねぇなんで笑ってるの?なんで助けてくれないの?ねぇ何で何で何で何で何で!?何で!!?)
「いい加減にしろよ!!」
「はっ!?」
(夢か...。)
その時目が覚めた。起きてから数秒後ゆっくりと動き出す。いつもベッドのすぐ横の机に置いている手帳を手に取り、今日の日付のところに手帳に備え付けられているボールペンで
「今までありがとうございました。」
そう書いた。今日で最終日だ。今日で全てから解放されるんだ。この手帳を父がいつ見つけるかは分からないが、そのうち見つけてくれるだろう。1階に降りると既に父は会社に行っており、家には誰もいなかった。
「いつもこんな早い時間から...。」
父には本当に世話になった。感謝しかない。1人で自分をここまで育ててくれたのだから...。それだけに父には本当に申し訳ない。でももう限界だった。自然と涙がこぼれてくる。泣きながら着替えを済ませると靴を履いて家を出た。
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