複雑・ファジー小説

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Everyone DIES!
日時: 2018/11/18 12:59
名前: かき。 (ID: W/J3Y1r6)

Everyone dies.



because……………



思わず耳を塞ぎたくなるようなノイズ、暗闇に包まれた風景、埃が舞う空間。
記憶が残るかの保証がない状況で、この「地獄」と化した空間を覚えようとはしなかったし、覚えられるはずもなかった。

乱暴にその場に置かれたトランシーバーと、鼓動の乱れを直すような呼吸音でその場は満たされている。
それ以上の苦楽や快感を求めることもなく、生きていたいと言う甘い考えは脳裏にこびりついたままで。

勝てるはずのないギャンブルに足を突っ込んでしまったような、絶望感に塗れる暇もない。

着実に、死に近づいている実感だけが、体を満たした。



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腹の奥まで響くような音が鳴った瞬間、ざわめきが起こる。
そんな空気の中でも、周りとは違う人間を演じたいが為に関心がないような素振りをする。
ただ、そんな自分を見抜かれてしまっては困る、というか純粋に恥ずかしいし、自分の中を覗かれているようで気持ちが悪い、とでも格好つけておこうか。
感情のまとまりがつくことはなく、結局教卓の前へ歩く得体の知れない「男」の襟元辺りでも見ておこうか。


男は自分の喉を掴んで二、三回揺さぶった後、低く咳払いをして見せて期待に満ちる空間をさらに焦らしていく。

「今日から、3年の英語教師になりました。」

割と低めの声で、でも聞きにくくはない。
大きく出っ張ったその喉仏を揺らしながら喋る度に、クラスメートの笑い声や漏れた声が入り混じったものが後ろから聞こえる。
そんなに興奮ことでもなかろうと冷静振ろうとするも、体は嘘をつけず前のめりになって見る。

ーーー思えば、この時から、ずっと。




「凩です、よろしくお願いします。」



2018年 11月25日 8時38分 54秒
Everyone DIES ー序章ー


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