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複雑・ファジー小説
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- 桜月夜と砂時計
- 日時: 2019/03/17 06:59
- 名前: IMUSA (ID: LpK9Mb2W)
第1話 「夢」
サーっと吹き抜ける風が心地良い。
美しい満月に照らされる桜は、なぜかとても儚かった。
今にも消えそうな、俺の命と同じように・・・。
そんなことを考えながら寝る、俺の枕元には、もう砂のほとんどがない砂時計がひとつ。
残りの砂は、俺自身の「残りの時間」なのだろうか・・・。
サラサラと落ちる、砂の音が聴こえる。
・・・まるで、自分自身の「生命のうた」のよう・・・・・。
「・・起、き、ろ、!! バカ咲良」
姉貴の怒鳴り声が聞こえて、俺——峯岸 咲良は、今日という日を始めようとしていた。
「・・・夢、なのか・・?」
全身汗だくになっていることに気付き、俺は目を見開いた。
そして、着替えようとした・・・そのとき——。
俺は気付いた。
昨晩にはなかった、あるひとつの物が、机の上に置いてあることに・・・。
「夢」にも出て来ていた、ひとつの『砂時計』があることに・・・。
・・・だが、「夢」と違う大きな点がひとつ。
それは——『砂の量』だ・・・。
「夢」では、残りがわずかしか無かった。
——丁度、今底に落ちているのと、同じくらいの量しか・・・
そんなことを考えていると、再び姉貴の怒鳴り声が聞こえてきた。
「・・咲良〜!! 遅刻するぞ!!」
「今行く〜」
俺は、そう短く返すと、やっと着替えを始めたのだった。
「夢」と『砂時計』のことが、頭から離れないまま・・・。
ようやく着替え終わると、階段
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