複雑・ファジー小説

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蝶〜檻の中の美しさ〜
日時: 2019/03/05 18:35
名前: キララ (ID: 36n8oqEW)


「空に落っこちちゃいそう。」

何も楽しみなくやりたいこともなく目標もない私の人生は何処に向かってんだろうなぁ。毎日そんなことを考えている高校もろくに行っていない18歳のわたし。

「なんかいった?」

家の少し離れたところにある土手の河川敷は星がとても綺麗に見える
私とその同い年の優雨ゆうは大抵息詰まるとここに寝転がる。
むしろここにいれば嫌なことも忘れられるかもしれない。なんてね

「なんも言ってない」


呟くように受け答えをした私は優雨との馴れ初めを思い出す

あいつ中学の時からバカみたいに派手だったんだよなぁ
地味な子しかいないような私の地元では特に優雨みたいなスカートが短かったり
髪を染めてたりピアスを開けてたりする子は目立った。
一緒に仲良くしない?なんて声かけてくるもんだから、それから毎日
同じ日を双子のように過ごしては来たけど・・・
それにしても好みは正反対。

「ねえ、瑠姫るいさぁ 最近男どうなの?」

勢いよく体を起こしこちらを向く。

実際、優雨と私はどれだけ男を落とせるか
ってゆうくだらないことをこの時は楽しんでいた。
男、男って優雨はいつもニコニコ楽しそうに話すけど私からしたら
ただのゲームでしかないんだけどなぁ 笑

「なんか泊まった朝に持ってかれたよ。待ってて欲しいなんて言われたけど。
顔はまぁまぁ良かったんだけどなー」

「まって?あっりえないんですけど!あの顔がいいなんて。
瑠姫?どうかしてるって・・・」

このとおり私と優雨は男のタイプが真逆。
どうかしてるだなんて言いすぎでしょ・・・

この時付き合っていたケンくんは私のひとつ年上の人だった。
顔もいいし性格も良かったけど
悪さでは割と有名な人だったからか、朝におまわりさんが家に来て
そのままパトカーでさよなら。

「あたらしい人探すから優雨は黙ってて!ゆっとくけど
優雨が狙ってる今の男だってクソブスだから笑」

私は体をゆっくりと起こし優雨の肩を叩く。

センスがないとか見る目がないとか一生懸命私に何かを言う優雨の言葉を
遮るようにバイトに行くと告げその場を去った。

Re: 蝶〜檻の中の美しさ〜 ( No.1 )
日時: 2019/03/05 19:02
名前: キララ (ID: 36n8oqEW)


「いらっしゃいませ〜」

あーあ。ほんとかったるい・・・
ほんとはこんなことしたくない。けどここのオーナーは
私のおばさんがオーナーをしてるコンビニだ。
こんな見かけだから雇ってくれるとこをは少ないし
お金なきゃ遊べないとか思ってひたすら無心でやってるだけ。
ほんとはここに優雨も一緒にやってたんだけど・・・
なんにしろここに来るお客さんは年齢層が高い。

じじぃばばぁばっかでつまんない!

そう言って来なくなった。
まぁ、まさにその通り。ここにいても来るひとはみんな
高齢者だ。

「あの・・・あのすいません!」

品揃えしてる私に声をかけてきたのは一人の40代くらいの男の人だった。
スーツを着崩してんのか乱れてんのかわかんないが
見るからにだらしない印象を受けた。

「あ、はい。」

立ち上がり視線を合わせる。
ん・・・?この人酒臭っ。酔っ払いとか勘弁してよね。
なんて心の中で思ってはいたけど嫌な予感は的中。

「おいっ なんだその目は!こっちは客だぞ!」

やっばあ・・・何もしてないのに怒られてる私はなに!

「すいませんでした。ご要件はなんでしょう?」

クソ客。早く帰れよ。
明らかに相手の顔色は変わり怒りに満ちていた。
自分の目つきが悪いのは認めるが酔っている人の感情ほど
読み取れないものはない。

「大変申し訳ございませんがご要件がないようでしたら
ほかのお客様のご迷惑となりますのでお引き取りください。」

その直後だった。
男は急に叫びだし近くの棚にある商品を振り落とした。
ほかのお客様、なんていったけどあいにく他にひとはいなかった。
それをいいことに男はさらにヒートアップ。
その怒りの矛先を私に向けてきたのだ。

「お前みたいな奴がいるからだ!」

「お父さんー女の子に手上げたり怒鳴ったりしちゃダメだよ
怖がってんじゃん。この子がなにしたかわからないけど俺のお気に入りの子
いじめないでもらっていい?」

えっ・・ だれ ・・ ?

Re: 蝶〜檻の中の美しさ〜 ( No.2 )
日時: 2019/03/06 14:13
名前: キララ (ID: 36n8oqEW)


私と男は声のする方に顔を向けた。その先にはこちらに向かって歩いている
ひとりの男性だった。
この人・・・私が働いてから何回か顔を出しているお客さんだ。
顔の濃いハーフっぽい顔立ちに小柄なお兄さん。

「お前だれだよ!! もう二度とこんな店来ないからなっ」

男はそう言い捨てて店をでた。

「怖かったでしょ〜笑 あの人たまーに俺も仕事帰り見かけるよ。
仕事がうまく行ってないのかいつも酒片手に荒れてるって感じだな笑
お姉さん初めて話せたね!」


いつもすれ違うとき目が合ってかっこいいとは思ってたけど・・・
なんて笑顔が可愛いのこの人。

「ん?お姉さん?」

「あっ先程はありがとうございました!」

目で追いかけてた人とこんな形で話せるなんてある意味あのおっさんに
感謝だね〜なんちゃって。
仕事終わりなんだ〜コーヒー貰っていい?と
私を通りこしお兄さんはレジへ向かう。

「アイスコーヒーね。あと・・・タバコの17ばん」

レジの台に肘をつきタバコが並んでる棚に視線を向け指をさす。
私が前に立つとじっと目を見る。
外国の血が強いからなのか・・距離が近いなぁ。
それか女に慣れてんのんか??

「17ばんですね!」

私は一番上にあるタバコに手を伸ばす。
あれっ・・・これケンくんの吸ってたやつだ。
あっけなく終わっちゃたけど意外と好きだったかもなぁ。
ふいに私の動きが止まった。

「どうした?手届かないか??」

あっ。何こんな時に思い出に浸ってるのよ私!
しかも意外と好きだったなんて優雨に知られた時にはきっと
馬鹿にされるに決まってる。
でもそう思えば思うほどすごく優しかったケンくんが
恋しかったりするかも。

「いいえ!こちらでよろしかったですか?
すぐにコーヒーの方ご用意いたしますので少々お待ちください。」

目の前にはずっと目で追いかけてた人がいるにも関わらず
必死でつくり笑顔を浮かべた。
すぐ後ろにあるコーヒーマシーンに手を伸ばし
頼まれたアイスコーヒのボタンを押す。
相変わらず台に肘をつき体を乗り出しながら

「お姉さん今日世の中は祝日でしょ?休みなのに大変だね」

ニコニコしながら私の姿を見つめる。
私だってホントは今日ケンくんとの記念日でデート行く予定だった。
でもあんなことになったから
ここにいるってとこよ。優雨と仕事できれば何にも苦では
なかったのになぁ

「ほんとは私だってこんなこと居たくないですけどね笑」

そう言ってコーヒーを差し出す。
お兄さんはすぐにそのコーヒーを受け取り
ストローを口の中に入れる。

「話せてよかったよ!頑張ってね」

キラキラした可愛らしい笑顔を私に向けお店を出た。

Re: 蝶〜檻の中の美しさ〜 ( No.3 )
日時: 2019/03/06 14:37
名前: キララ (ID: 36n8oqEW)


「やっべー話せちゃった。にしてもケンくんは私の心割と
掴んじゃっていい迷惑だ馬鹿。」

ストローのゴミを捨てた・・
それから無心で仕事を進め時刻は午後の20時を
まわっていた。
祝日だからお客さんの出入りは少なく
いつもよりは疲れてはいなかったけど頭の中はケンくんしかいない。
ただのゲームだと思っていたのに・・・
だからケンくんと付き合ってても平気ほかの男とヤってた。
あーあ。私ってわがままだ笑

「レジいい?」

やばっボーッとしすぎた!
お客さんにまた怒られんのは勘弁だよ〜

「いらっしゃい・・え!?」

そこにたってたのはさっきのお兄さん。
ちょっとまって。しかもさっき来た時は作業着だったのに
私服めっちゃおしゃれじゃん。

「服・・・おしゃれですね。」

思わず口にしてしまった。

「あー。今から遊び行くんだ!あ、またコーヒーいい?」

「かしこまりました!」

すごい・・・どうしよう。めっちゃいい匂いするし
もう芸能人みたいにかっこよすぎて緊張する。

「お姉さんモ今度連れてってあげるね?
てか名前なんていうの?」

財布からお金を出しながらちらっとこちらを見る。
私はそのお金を受け取りレジの中へ移しながら

「瑠姫です。」

すぐにコーヒーマシーンに手を伸ばしボタンを押す。
注ぐのを待っている間お兄さんの方へ
体を向けた。

「そうなんだー瑠姫ちゃんいくつなの?」

またさっきの笑顔をお構いなしに見せてくる。

でもこんな初対面でこんな聞いてくるとか
お構いなしにあの反則な笑顔見せてくるとかやっぱ
女の人に慣れてんだろうなあ・・

「18歳です。」

えっ!とびっくりしてる顔を見せたあとすぐに
苦笑いをする。

「俺は30だよ。流石に俺手出せないじゃん・・笑」

えっ・・・!
全然見えないよ。それこそ反則じゃありません??
24とかに見えた。
もうこの人と関わること絶対ないじゃん。
年齢いってホント損したぁ・・・

「嘘ついてません?あ、コーヒー失礼します」

ストローを袋から出しカップにさす。

「ついてないよ。まあとりあえず、今度お出かけ行こうね!
瑠姫ちゃんありがとう!頑張って!」

この人もケンくんに似てるわ。
自分が聞きたいことしたいこと言いたいことだけ伝えて
すぐどっか行っちゃう。
どこか似てる部分があるから気になっちゃうのか?

Re: 蝶〜檻の中の美しさ〜 ( No.4 )
日時: 2019/03/06 14:58
名前: キララ (ID: 36n8oqEW)


ピロン , ピロン

ん?なによこんな朝に・・・
昨日結局ケンくんのこととかお兄さんのこととか
考えまくってて寝れなかったんだから
ゆっくり寝かせてよ。
どーせ優雨でしょ。ほーらビンゴ

ベットに寝転がりながら枕のすぐそばに充電してある
携帯の画面をみる。
そこには優雨からの着信画面

「なに。今起きた・・ねむ・・」

「おい!昨日のお兄さんの話なによ!聞きたいんだけど!」

人のあたらしい男の話がコイツは大好き
しかも同じところで働いてたから優雨もあの人のことは
知ってる。
前からかっこいいとは伝えてあって
その人だけ唯一優雨も認めるかっこいいという人だった。

「あのさ、まだ私が話てっ・・・」

「とりあえずもう12時になるんだから夏休み前の学校くらい
いくよ!準備して!雷先輩が車出してくれるから準備しといて!」

ブチっ
あいつほんと人の話聞かないよな。
雷先輩はおともと私たちと同じ高校に通ってた人で
優雨のわがままを聞かされてるってゆうか・・
ヤッてる代わりにわがままを聞いてもらってるみたいな
一言で言えばゲスイ関係。

遅れないように私はしぶしぶ体を起こす。
あくびをしながら髪を整えクローゼットを開ける。
短パンに腹出しのTシャツを着た。
メイクもいつもどおり済ませて優雨を待つ

プップ

このクラクションが家に着いたという合図だ。
部屋からの階段を駆け下り
リビングを通る。

「また遊び?」

お兄ちゃんがソファから私に声をかける。

お前も好きなことやってきたくせに
なんで私にだけそんな厳しいんだよっバーーーか!

「いや。学校行くよ」

むくっと起き上がり私の服を頭からつま先まで見た。

「それで?」

ソファも背もたれをまたがりスマホを持ちながら
私に近づいてきた。

実際お兄ちゃんと私は血が繋がっていないし
年も離れている。
お互い兄弟という実感がなく同じ家に住むただの
異性同士みたいな感じだ。

太ももあたりをいやらしく触りながら

「あんま露出すんなよ。」

そう言う兄の手を振り払い
家を出た。

Re: 蝶〜檻の中の美しさ〜 ( No.5 )
日時: 2019/03/06 15:12
名前: キララ (ID: 36n8oqEW)


家に親が帰ってこないことをいいことに
お兄ちゃんはひっきりなしに
女を連れ込んでいた。
ちょうど二年前。全く口をきかなかった私たちは
パパとママも仲良くしてね。と気を使うくらいだった。
だけど・・・

「お兄ちゃん。私の服部屋にない・・・?」

ドアを開けた目の前にはベッドがあり
私の目に飛び込んできたのは
お兄ちゃんと女の裸だった。ふたりで汗を流して
激しく絡み合い乱れている姿だった。
兄と目が合い私に見せつけるかのように動きを激しくした
それに対して女は喘ぐ。

急いでドアを閉め言葉を失った。
その日からお兄ちゃんと私は
決して兄弟という関係ではなくなってしまった・・・
都合のいいように私はあいつに体を利用され
それから私は男遊びが
ひどくなった。


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