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複雑・ファジー小説
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- 花は美しく散る
- 日時: 2019/03/17 23:42
- 名前: ミントさん (ID: X3bFI.eb)
一面に広がる花畑。雲一つ無い青空。ここはどこだろうか。見覚えがある気がする。辺りを見渡してみると麦わら帽子を深く被った少女が居ることに気がついた。帽子のせいで顔は見えない。少女に歩み寄る。
「こんにちは」
先に挨拶をしてきたのはあちらだった。近くに来てみてもやっぱり顔は見えない。でも声から大分子供だと分かる。
「あなた 名前は?」
私は出来るだけ優しく問いかける。
「私アリス。アリスっていうの。」
「ここはどこだか分かる?」
「どこだっていいでしょ?私はここに居たい、それだけよ。」
質問の答えになっていない気がするがもう一度聞くのはやめた。何度問いかけても答えなさそうだ。゛アリス゛という子は花を摘み始めた。器用な様で、手際よく花を編み込んでいく。
「あなたはここに来るのはまだ少し早いわね。」
目線は花から逸らさずに言った。私は意味が分からなかった。
「はい。これ。」
困惑している私に花の冠を差し出してきた。
「お土産にでも持って行って頂戴。」
私はその冠を受け取る。丁寧に細かく編まれていて、短時間でこんなものが出来るのかと思った。
「さようなら、あなたと話せて楽しかったわ。」
「それってどういう______」
問いかける前に私の意識はなくなった。
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