複雑・ファジー小説
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- 妖家族。今日も人間を精一杯演じてます。
- 日時: 2019/06/02 22:11
- 名前: キイチ ◆V9lDD2BSz2 (ID: MSa8mdRp)
この掲示板では。初めまして、キイチと申します。
複雑・ファジーも、ルビ振れるようになれば良いな。(個人的に読めない漢字を使われてる作者が多くて小説を途中で読むの断念してしまうことが多い。読みたいんですが、調べるのが億劫。)
読者様、作者様方。何卒宜しくお願い致します。
目次 >>01
注意事項
荒し・誹謗中傷禁止。荒しや誹謗中傷だと判断したら管理人に通報致します。
スレ主は豆腐メンタルよりメンタル弱いかもしれませんので、辛口コメントは程ほどに。
更新は、遅めで基本ロックして書き居ないときもロックしています。
(荒しが怖く来たら立ち直れない、荒しさんはさぞや楽しいでしょうね。 荒し防止の為にロックしています。)
※ 此処の更新は、コメライで書いている恋刻ノ御伽草子よりも蛇足です。 定期的ではありませんので御理解お願い致します。
尚、ちまちま書いて保存する。また編集するの繰り返しが多いので沢山間を空けてから見に来て頂けたら丁度良い厚さになって読み応えがあるかもしれません。
更新曜日 月曜日(21時〜22時まで)※あくまでも予定更新日
その他 空いてる時間に。
- Re: 仮でも僕らは。今日も、家族です。 ( No.1 )
- 日時: 2019/04/22 17:47
- 名前: キイチ ◆V9lDD2BSz2 (ID: Jhl2FH6g)
目次
序章
>>02-
- Re: 妖家族。今日も精一杯人間を演じてます。 ( No.2 )
- 日時: 2019/06/30 16:33
- 名前: キイチ ◆V9lDD2BSz2 (ID: z2eVRrJA)
「これだから嫌だったんだ。 人間ってやつは」
初めっから人間に期待なんてしてなかった。初めっから、人間が好きじゃなかった。それなのにどうして俺は、人間界なんて来る羽目になってしまったんだろうか。しかも、何年も否、何十年前に終了した義務教育の一環だった学校にまた今度は違う人間界にある学校に行かなければならなかった。妖だとバレたら人間界から強制退去だと言っていたのに、人間は妖だと信じてない、いなかった。その為か、人間界から強制退去が叶わず、仕舞いには
「誰が手品師だっての。......そりゃ確かに妖は皆、常世に居て今は人間界にゃあ、あんまし居ねえけどさ」
「コスプレだのなんだのって言いやがるんだぜ? やってられるっかっての! 大体俺より人間界に行きたいやついっぱい居ただろうが」
何で選ばれたのか。何で学校にまた行かないと行けないのか。文句は尽きない。塀の上は怒られたこともあり目立つ為か、屋根の上やビルの屋上を歩きながら自分の仮住まいに向かいつつ、余程鬱憤が溜まっているのか、声に出して思ったことを口にしていた。
「しかも、女子高生をやれとか。 確かに女にも男にも化けて人間から糧を貰っていた時代もあったが、本来の性別はどっちかつーと男だ! 何故に役割まで与えられなきゃならん、もっと可愛い性別もしっかりした女の妖が居ただろ?!」
「おまけに! 家族構成は良いとしても何故俺の実母じゃない母。しかも、種族バラバラなんて......確かに希望者と人間界に適していると判断されて更に其処から選抜されるから、バラバラになるのは仕方ない。 仕方ないけど!」
あんなの、家族じゃない。と誰にも相談できず、ただただこうして愚痴る事しか嘆く事しか出来ない。相談してどうにか出来る問題でもない為か、心の何処かでは虚しさややるせなさが残り、何とも云えない感覚が蓄積されるだけだった。蓄積されると知っていても云わずにはいられない。
曖昧な性別。其れは妖ならではだ。中にはちゃんとはっきり性別が分かる妖も居るが、殆どが曖昧。曖昧な性別なくせに、男だと云った妖の名は、鬼島 晴(きしま はる)。種族は猫又で、人の姿は女子高生の平均身長より高くして、顔は中性より、髪は邪魔なのでボーイッシュにしたが、スカートが其れに似合ってないようで嫌で仕方ない。それにすーすーするし風に靡く度、肌に当たって擽ったいのも捲れるのも嫌で嫌で堪らなかった。
けれど、決められた役を全うしなければ常世には帰れない。妖だとバレたら強制退去。ならば、
「人間を演じれば、逆に妖だとバレるかも知れない! 堂々と猫耳生やしても良くできた付属品って云われるとしたら!」
今日から始める人間を演じきる作戦は上手く行くのか。行かないのか。この物語は、猫又である晴が精一杯人間を演じる話ではある。
- Re: 仮でも僕らは。今日も、家族です。 ( No.3 )
- 日時: 2019/06/29 23:31
- 名前: キイチ ◆V9lDD2BSz2 (ID: xyOqXR/L)
第1章〜これが俺の家族だそうです。〜第1夜【招待券が来た。けど、俺は行きたくない。】
俺の家族は、母子家庭だ。猫柳 晴。それが、俺の名だ。姉と俺と母親。父親は物心ついた時には居なかった。
俺の家庭は居なくなった父親の借金で苦しめられ、幼い俺達を養うために母親は朝、晩働いていた。だからだろうか、幼い時はまだ性別が曖昧で大人の妖年齢に達するまでは性別がはっきりしないのに、姉妹として育てられた筈の俺は、その父親を憎み、男性嫌いになった。否、父親を憎み恨んでいるのは本当だ。本当だが、男性嫌いになったのは妖術や知識を学ぶために通うことが義務とされている学校に行ってからだった。
それ以降は話したくない。学校に通った日々にあった事が心や身体に傷残している。残しているが、母を否、母を守るのが俺の義務で母と姉以外皆敵だと小さい頃は思っていた。中学校までは俺は母が大好きだった。
母にべったりで甘え坊だった。その癖、強気で色んな奴に噛み付いていた。しかし、そう。学校に入ると母と離れる。否、それ以前に母と離れる事はあったが、母と姉以外信じていなかった。父親の事があったから。
だからだろうか、俺は学校デビューに失敗した。失敗してから虐めにあうようになった。最初はからかい程度で向こうにとっては俺の反応が面白いから楽しいからやっている遊びだったかもしれないが、それがエスカレートして......。
「あーあ、もう。 過ぎたことだし、良いんだけどよ」
自室にあるベッドに仰向けになって寝そべって何もない真っ白な天井をただただ見ていた晴は、何も作業もしていないからか、頭の中で巡り再生されるのは、何十年以上も前の嫌な思い出ばかりで何かしてないと目蓋を閉じていても、開いていても勝手に思い出してしまう。
過ぎたこと、やり直しの効かない過去になっていった出来事、先が分かれば分かっていたら良かったのに。俺は、時を操れない。
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