複雑・ファジー小説

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ゾンビを倒すならやっぱり銃器に限る
日時: 2020/05/18 20:14
名前: ラフォリアのとっつぁん (ID: ii.tEmOq)

皆さんこんばんは、ラフォリアのとっつぁんと申します。

どうぞ温かい目で見守ってくださいm(_ _)m

作風が合わないと感じた方は、そっとブラウザバックお願いします。

読んでくださった皆様が少しでも楽しんでいただければ幸いです。


内容は、男性向けです。
人体破壊表現、過激言動を含んでおります

Re: ゾンビを倒すならやっぱり銃器に限る ( No.1 )
日時: 2019/06/01 22:54
名前: ラフォリアのとっつぁん (ID: El7XdgWC)

一発の銃声が響いた。
漫画や映画などで想像していたより小さく、派手さに欠ける低い音。
しかし実際に目の前で轟き、それを聞いたなら、音に込められた破壊の力に身体が、本能が、恐怖に震える。
その銃声を発した散弾銃、レミントン社のM870の銃口から僅かな煙が上がる。
それは己の力を開放し、熱く、深く息をする獣の様だった。
胴体部のフォアエンドを握る手はさながら獣の手綱を握るよう。
ふいに力が込められ、その手がガシャリと手前に引かれる。
排莢された12番・・・12ゲージサボットスラッグ弾の黒い薬莢が宙を舞い、地面へ落ち、一回、二回と跳ねるとそのまま転がっていく。
今度は引かれていたフォアエンドが元の位置へと戻され、チューブから送り込まれた新たな弾薬が薬室へと収まり、引き金が引かれるのを待つ。
M870は持ち主の意思に従い、再び銃口の狙いを定めると、強力なマズルフラッシュと共に銅の弾丸を放った。
血の滴る真っ赤な大口を開けながら、持ち手へと襲い掛かる人間へ、いや、人の形をした化け物へ。
先の弾丸で左手を皮一枚で繋がっているまでに破壊したスラッグ弾が今度は足へ突き刺さり、その威力を持って右足が半場から吹き飛ばす。
そして与えられた威力はそれだけにとどまらず、半回転しながら、その足の持ち主の男性の体が床を転がしていく。
不運にも銃撃現場となったコンビニの、飲み物コーナーの棚へとぶつかりガラスが割れる耳障りな音が店内に響いた。
散弾銃を握った人物、四宮和哉は引き金に指をかけたまま、血まみれのペットボトルと缶に埋まった人の様子を伺った。

事はほんの数分前、出かけるために駅へと向かっていた和也とその連れ、友人の松枝雄二は、二人がそれぞれ借りている部屋のあるアパートから、ほど近いコンビニに立ち寄っていた。
金曜日のお昼頃、冬も終わりが近づき早くも学校が終わったり午前授業だったりしたのか、店内には学生くらいの年代を中心に予想以上の人でにぎわっていた。
店から出るためにすれ違った人は二人が肩にかけている、チャックに鍵の付いた大きな黒いバックをちらりと見ていく。
出入り口ですれ違う人々は知る由もないが、二人が肩に背負っている大型のバックに入っているのは猟銃だ。
二人は山での狩りを仕事の一つにしていて、その時もシーズン最後の狩りに赴くところだった。
始めた動機は若干不純な動機だが、二人は子供の頃から銃というものを持ってみたいという考えを持っていて、狩猟以外にもクレー射撃を趣味にし、機会があればグアムやハワイなどの外国に行って射撃場を訪ねるほどの、いわゆる銃マニアだった。
目立つほど身長が高いわけでも、派手な髪色をしていたりする二人ではなかったが、獲物を追いかけて、山の中をかなりの重量を持った荷物を持ちながら駆け回るので体格はよく、足回りを中心に引き締まった身体を二人はしていた。
二人に目をやる人の中には何人かの、今まさに成長期ともいえる男子学生がおり、羨望のまなざしを向けていたりしていた。
そんなさまざまな視線行きかう中、二人が商品を選びレジ並んだ時、一人の客が扉を押しのけるようにして入ってきた。
入ってきたはTシャツにパーカーというこの時期にしては少し寒そうな格好をした男だった。
冬も終わりといってもまだ寒さは残っており、朝には霜が張っている場所も有ったりするほどだ。
男の服装だと人によっては外に出るには考えられないような薄着だった。
しかし、入り口で膝に手をやり方で大きく息をする男の腕や首筋には汗が粒になり、垂れていた。
誰がどう見ても、体調が悪いように見える。
風邪をひいた体に鞭を打って、食べ物などを買いに来たと言われればほとんどの人が信じるだろう。
男はそのまま、その場にうずくまってしまう。
見かねた男性店員が、男の様子を見るためにレジ対応していた客に断りを入れる。
並んでいた客は軽く笑ってそれを承諾した。
こういうところで文句の一つも出ないというのは、日本人の人の良さだろうか。
謝罪とお礼を言いながら、店員がカウンターを出て、男性に近寄っていくのが二人に見えた。
ちょうど目の前の客の会計が終わり、二人の番が回ってきたのだが、こちらのレジの店員も申し訳なさそうに、隣の待たされているお客を先に会計しても良いか聞いてきた。
別に二人は急いでいるわけでもない。
前に並んでいた和也はうしろを振り返り、雄二をみると、雄二が軽くうなずくのを確認すると、

「大丈夫だ、別に構わない」

と店員に告げる。
案内された隣の客が移動し、二人の視線から入り口の男性と、それに近づく店員の姿一瞬だけかくし・・・
そして苦悶の叫び声が店内に響き渡った。
和也が再び見ると、そこには近づいた男性店員の首元に歯を突き立てる男の姿が映る。
軽く噛みついているわけではない、男の歯は店員の首元に深く食い込み、血があふれ出ていた。
ワックスがけされた、きれいなタイル張りの床に血だまりが広がっていく。
日常に突然起こった非日常的なこと。
辺りにいた客はただそれを眺めていたが、一人の女性客が悲鳴を上げたのきっかけに、客たちは口々に叫びながら男から距離を取ろうと店内を走る。
しかし入り口に男がいるため店から出ることはかなわず、行き止まりの店の奥に客が集中していくだけだ。
どのみち逃げ場はないと考えた和也は、レジのすぐ近くで売られていた傘を手に取り、男を警戒する。
むさぼるように店員の首に噛みつ続ける男。
店員の目にはすでに生気はなく、広がる血だまりから出血からもすでにこと切れているのは確実だった。
ブチリ!と筋繊維ごと肉をかみちぎった男は最も近い和也の方に顔を上げた。

瞳孔は開き切り、血走った眼。
およそ健康な人間とは思えない青白い顔色。
筋の浮いたこめかみや首筋を、真っ赤な血で彩りながら、肉片がのこびりついて歯をむき出しにして唸るその姿を見て、和也の脳裏にゾンビという単語が思い浮かんだ。

「おいおい、まさかそんなことが・・・」

そうつぶやいた次の瞬間、男は和也へと飛び掛かってきた。
和也はバックを後ろに放ると、傘の両端を手で持ち、男の顔面に持ち手の方を全力で打ち付ける。
横っ面を殴られた男は、そのままカウンターを飛び越え、コーヒーメーカーやフライの機器を巻き込みながら壁にぶち当たる。
視界から男が消えるが、向こう側すぐにもがく音が聞こえる。

「頼む!後ろ側を開けといてくれ!」

カウンターの方を見続けながら、和也は叫んだ。
すぐに客が場所を開ける音が聞こえる。
それとほぼ同時に男が起き上がり、カウンターを飛び越えながら再び和也へと飛び掛かってくる。
今度は男に傘を噛ませるようにして押しつけ、その突進を受け止める。
和也の目の前で傘のや細い骨組みが噛み砕かれていくのみて、和也は腰を落として重心を下げ、そして、

「ふっっ!」

巴投げのように転がるようにして、男を後方へと投げる。
陳列棚を吹き飛ばしながら、男が転がっていく。
和也が手の傘を見やると、投げ飛ばすと同時に耐え切れず食いちぎられ、真っ二つになった傘が。
店員の首を食いちぎったことから分かるように、噛む力が尋常ではない。
体のどこに噛みつかれても、そのまま骨ごと持っていかれるのが容易に想像できた。
倒れた陳列棚を押しのけるようにしてまたしても向かってくる男に、和也は悪態をつきながら傘を放り、再び構える。
とその時、

「和也っ!」

と、横から声があがり、視界の端に一緒に何かが映る。
和也が横目に見ると、この世で最も信じられる顔、そして宙を飛んでくる黒い散弾銃。

雄二は今までにないほど真剣な顔でこちらを見ていた。
迷っている暇はない、と。
それに後押しされ、和也も一瞬で覚悟を決めると、飛んできた散弾銃をつかみ取り素早く構えると、男へ銃口を向け躊躇なく引き金を引いた。

Re: ゾンビを倒すならやっぱり銃器に限る ( No.2 )
日時: 2019/08/23 22:43
名前: ラフォリアのとっつぁん (ID: El7XdgWC)

ペットボトルと缶の山が崩れ、男がみたびこちらに向かって来るが、その動きは酷く鈍っていた。
それもそうだろう、どんな陸上動物も基本的には、片手片足を失えばその動きは非常に制限される。
それは人間も例外ではない。
残った右手に捕まらないように距離を置きながら、散弾銃を構えたまま和也は慎重に近づいていく。
和也のすぐ隣まで来た雄二の手にもしっかり種類の違う散弾銃が握られている。
他の客達は遠巻きにその様子を窺うだけだ。
動きを見て、和也と雄二はそれぞれ右手と左脚をブーツで踏み、男が動けないように固定する。
近くで見れば見るほど、まさにゾンビだな、と和也は思った。
片手片足を失ってなお、痛みを感じていないように見える。
その目に映るのは、獲物だけ。
今ならば、和也と雄二だけ。
残った手足をバタつかせながら、2人に向かって歯を剥き出しにする。

「ったく、こいつは一体なんだ?」

雄二が1番の謎を口にする。

「俺なら、まぁ、ゾンビって言われるのが1番しっくりくるな。こいつの血の出方からして、もう心臓は動いてないだろう。つまり死体が動いてるという事だろう」

「ちぎれた時も、溢れたみたい流れ出ただけだったしな。そう考えるのが普通だろうな」

2人は当然、狩りで狩った獲物の血抜きをした事がある。
その度に、心臓がどれだけの勢いで血液を全身に送っているかを思い知らされている。

「それに、ゾンビっていうぶっ飛んだ事だったりしてくれないと。俺はもう2発も撃ち込んじまったんだ」

「確かに。取り敢えず殺人罪だけは免れたってことか。するってーと死体に対する破壊行為になるのか?」

「どっちにしろ捕まるのは、勘弁願いたいな。正当防衛になることを祈るよ」

和也そう言って肩をすくめる。

「まっ、そういうのは今考えることじゃねーな」

雄二はハッと乾いた笑いを上げる。

「雄二、もう少し早く助けには入れなかったのか?」

「おいおい、噛み付いてるのを見た瞬間に鍵を外しにかかったんだぞ?むしろあれだけ早くレミントンを渡せたんだ、感謝して欲しいくらいだぜ」

日本では、猟銃などの運搬は法律で厳しく定められていて、ファスナーには小さな南京錠を掛けていたのだ。
キーを取り出して鍵を開け、さらに中のガンケースから銃を取り出し、弾を込める。考えてみればそれだけの作業を、ものの十数秒で行ったのだ。
間違いなく、雄二の判断が早かったおかげで助かったのだ。

「鍵を開けるかって考えたときに、俺も一緒になって傘でタコ殴りにするってのも一瞬考えた」

「最悪それでも良かったけどな・・・」

そう和也が返したタイミングで、入口の扉が開いた。

「っ!」

2人が振り返ると、そこに服と顔をを血で汚し、口から血を滴らせる女性の姿が。

「な?やっぱり銃を出しておいて、助かっただろ?」

思わず雄二が和哉に呟く。

既に女の目に理性の気配はなく、こちら血走った眼で睨みつけながらゆっくりと距離を詰めてくる。

和哉は、雄二に手渡された新しいスラッグ弾を素早く装填すると、しっかりと肩にストックをつけ、狙いを定める。

女の斜め後ろの窓の外を見れば、二人の男に胴体を押さえつけられ血を吐く若い学生の姿が見えた。
そこに三人目が現れ、必死に抵抗する学生の首元に食らいつき、そのまま肉を食いちぎる。
店内に、窓越しに悲鳴がかすかに響き渡った。
首から噴き出した真っ赤な鮮血が窓に赤いカーテンを引き、四人の姿が見えなくなっていく。

「もう迷ってる時間は終わりだ」

そう静かに言った和哉の隣で、小さくため息を吐く。

「こらからがシーズンだったのに、獣狩りがマンハントになっちまったか・・・。いや、獣狩りの予定が化け物狩りか」

女が動くと同時に、和哉はその女に、雄二は足元の男の顔にむかって散弾銃の引き金を引いた。

Re: ゾンビを倒すならやっぱり銃器に限る ( No.3 )
日時: 2019/08/23 22:43
名前: ラフォリアのとっつぁん (ID: El7XdgWC)

頭部を失った男と女・・・ゾンビは数秒身体を痙攣させたあと今度こそ、永遠に動かなくなった。
雄二は足元の死体を引きづり、カウンターの後ろへと移動させる。

「雄二、荷物をまとめてくれ」

「装備はどうする?」

「もちろん全て付ける。残りの弾は?俺はいつも通り50発ちょうど持ってきてるはずだ」

50発とはバスに乗る時に携行出来る弾数の限界量だ。
電車しか使わないなら、200発携行出来る。
雄二に聞きながら、和也も入口に倒れた死体を移動させる。

「俺は45発。今使った分を差し引けば・・・」

そう言いながら和哉の方を向いた雄二は、焦ったように叫ぶ。

「和哉!伏せろ!」

その言葉に素早く反応し屈んだ和哉の上を銃声と共に弾丸が飛んでいく。
そして最初に男のゾンビに殺された店員の首元を吹き飛ばす。

「これで・・・残り40だ」

「・・・噛まれた方も死んだ後に起き上がるか。ほんとにゾンビそのままだな。・・・油断した」

姿勢を上げながら、和哉は舌打ちをする。


「合わせて90・・・9粒10の6粒10、スラッグ70。少ないと嘆くべきか、しばらくは命を繋げる希望に喜ぶべきか」

「こんなことになると分かってたら、俺もあと5発持ってきたんだけどな」

「予想できたんなら、そもそも家から出てないだろ。籠城一択だ」

軽口を叩きあいながら、2人はバックの中の装備を身につけていく。
来ている服の上から、チェストリグとスリングバックをつける。
弾薬の半分とナイフは別の鍵のかかるような小さなバックに別に入れていたので、そこから取り出しポーチやスリングのシェルホルダーに入れていく。

「そんな大量に弾は持てないぞ?」

「ペットボトルとか医療系はバックの中でいいだろう。渇きと手当出来る怪我などに構ってられない。どの道、あいつらに組み付かれたら終わりだ」

「ふっ、たしかにそうだな」

腰わまりの入れ物には、できる限りの弾を詰め、入り切らない分はポケットにいれる。
胸に一本、腰に一本。長さの違うマチェットを刺し、膝と腕には普通サイズのナイフも刺す。
通信機は左脇付近に取り付け、コードで伸びたヘッドセットをかぶった帽子の上から耳につける。
マイクは口元に来るように調節、マイクの通信ボタンは鎖骨付近にマジックテープで固定した。
マイクをオンにするにはこのスイッチを押すか、通信機の本体のボタンを押すかの2通りだ。
和哉は鎖骨・・・襟元あたりに右手を伸ばし握るようスイッチを押す。

『マイクチェック、マイクチェック。聞こえるか?』

『マイクチェック、了解。よく聞こえてるぜ』

雄二の返答が、一瞬の雑音の後聞こえる。

「誤射防止用のベストはどうする?」

「いや、着なくていいだろう。まさに目立つからこそ襲われそうだ。この動く死体どもにも・・・他の人間にもな」

「ありえねぇ、と言いたいところだが。否定はできないな」

あらかたを装備し終わった二人は、最後に膝や肘にプロテクターをつけたりと、こまごまとした物を身に付けバックを閉じる。

「残ったものは?」

「ここに置いていく。まぁ、取りに来れるようなら取りに来るが、期待はしないほうがいいな」

普通サイズのバックを背負った、二人は最初に持っていた一番大きなバックに、入らない物を詰め込み、カウンターの後ろに申し訳程度に隠しておく。

「さて、そろそろか。俺は外の様子でも見ておくか・・・。和也はお話をしてくるんだろ?」

「そうだな」

「おうおう、やっぱり優しいねぇ」

雄二が言っているのは、店の奥に固まった他の客たちのことだ。
こんな事態だ。
おいて行っても誰も責めることはないだろうに、和哉はそれを気にかけていたのだ。

「何かあったら呼んでくれ」

「了解」

雄二はそう言いながら、上部の割れた入り口のドアに向かっていく。

「さて」

和哉は、振り向くと店の奥でこちらを伺うようにじっと見ていた客たちの方へと、ゆっくりと歩み寄っていく。
年代は様々だったが、幸運だったのは幼すぎる子供や老人がいない事だった。
十台後半ごろの若者が半分ほど、壮年の男性数人、後は主婦たちだ。
銃身を真ん中折った、中折れ式散弾銃独特の状態。
ブレイクオープンにした散弾銃を肩に担ぎ、引き金に指をかけないで銃口を床に向けながら近づいた。
日本は銃社会ではない。
そのために銃を見てもピンと来ない人も多いとは思うが、目の前で撃ってしまったこともあり、なるべく驚かさないようにと考えた配慮だった。
彼らから聞こえていた話し声が、和哉が近づくとともに消え、いくつもの視線が和哉を射抜く。
近づいてきたことに驚く目、手に持つ銃器に怯える目、状況を飲み込めず戸惑う目、目の前で人が死んだショックから立ち直れず涙を流す目。
そんな全員をぐるりと一瞥した後、和哉はゆっくりと口を開いた。

「時間が惜しい。要点だけ話すから、何も言わず聞いてくれ。俺と、今、入口で外を見てくれている奴は山での獣狩りを仕事にしていた。つまりこの銃は仕事道具だ。銃を持っているが、君たちと同じでただの一般人だと言うことを頭に入れて欲しい」

その言葉に訝しげな目を向けていた何人かが、ほんの少し納得の色を見せた。

「向こうで人が3人倒れているが、明らかにうち2人は最初から死んでいた。映画とかで見たことある人もいるだろう。今のところ、あれは動く死体、ゾンビだと思っている」

大人の何人かがそれを笑い飛ばすが、和哉は無視して続ける。

「後で、襲ってきたのを撃ち返したことに罰が下るというなら、俺はそれを受け入れよう。
だが、少なくとも目の前で襲われ、首を食いちぎられ死んだ店員が起き上がり、俺に襲いかかったのも事実。今後、事態が明確になるか、治まるまで他の奴が襲いかかってくるなら、俺は身を守るためにこの銃で撃ち返す」

言いながら右手で散弾銃の銃身を軽く叩く。

「身を守るにあたって、ひとまず俺達はここを出ようと思う。中は狭く、入口はガラス張り。ここにいたらあっという間にあの動く死体の餌になるだろう・・・。そこで希望するなら暫くの間、ついて来るのを許可しよう。安全は保証できないが、できる限りは守ろう。以上だ。急で悪いが出来るだけ早く決めてくれ」

そう締め括った和哉は雄二の元へ戻る。
残されたほかの客達は、小声でそれぞれ話し合いを始める。


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