複雑・ファジー小説

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ナイフの花束
日時: 2019/05/17 19:01
名前: リディオル (ID: cFK/w3CU)

これは、出会いの物語。
ある者は家族の為に。
また、ある者は想い人の為に。
そして彼は、人間の為に…
これは出会いの物語。
そして…別れの物語。
誰かが幸せになるには誰かが不幸になるしかない。
そんな、明るく…悲しい物語である。

[注意事項]
不定期投稿です。
よく失踪します。
できれば、誤字と感想を教えてください。
作品の向上に役立てます。
それでも良いという方はどうぞ…

Re: ナイフの花束 ( No.1 )
日時: 2019/05/18 17:55
名前: リディオル (ID: cFK/w3CU)

人は残酷だ。
人は愚かだ。
僕が人間に対して思う事。
あと一つ、一番思うのは…
人はとても優しい。そして優しさと同じくらい、恐ろしい____
もちろん、それは僕自身にも当てはまる事。
だけど、僕は人でありながら人ならざる者。
だから、少しは違うはず。そう、きっと…
言い訳だってわかってる。それでも僕は…
あんな人間と同じになりたくないんだ。
僕が人ならざる者でもあるって事が僕が僕でいれる理由。
たった一つの灯。
その灯が消えないように必死に生きる事が…
自分を守る為に出来る唯一の事だから。
でも、それを支えるろうそくは残りわずか。
だからそろそろ動き出さなければいけない。
生きる為に必要な希望をなくさない為に。

Re: ナイフの花束 ( No.2 )
日時: 2019/05/25 20:30
名前: リディオル (ID: cFK/w3CU)

「はじめまして、ルッドです。ルッド サディと申します」
自分を見つめる6つの目。
その一つ一つに集中しながら言葉を述べる。
「本日からロイズ王国騎士団の剣舞に所属いたします。
どうか、よろしくお願いします」
ぺこりと腰から体を折りたたむように礼をすると真っ直ぐ立つ。
緊張した空気を破ったのは金髪の青年だった。
「まぁ、そんなに堅くならないでよ。今日から一緒の立場だし。
あ、俺はセシル リグレイ。気軽にセシルって呼んでくれ!」
この場にそぐわない、おどけた調子の声。
金髪の青年___セシルはにこにこと笑いながら言葉を続ける。
「ほら、お前らも自己紹介!何が先輩の威厳を見せるだよ。
威圧感しか出てないわ!不器用な奴らめ!」
その瞬間、真顔だった2人が噴き出した。
「ははっ!いやぁ、セシルの言う通りだ!
慣れないことはしないほうが良い!ルッド君、すまなかったね。
僕はルーシー デッド。ルーシーとでも呼んで!」
つい数秒前は怖い、と思っていたのにこの変わりよう!
あっけにとられて呆けているともう一人の先輩も挨拶を始めた。
「僕はロイ フォリー。怖がらせてしまったかな?
ちょっとふざけただけなんだ。許してくれ」
微笑むように笑うロイさん。
「は、はぁ…」
困惑している僕をよそに、話は続く。
「なぁ、ルッドってあれだろ?今回首席だったろ。すごいなぁ!!」
セシルさんがそんな話をしている。
「それは凄いが、セシルと比べれば誰だって凄いと思うぞ」
「おいっ、失礼な!」
「…ふふっ」
つい、笑ってしまった自分に気がつき、戒めるように考える。
駄目だ、心を許したら。
だって、僕は____

騎 士 団 を 裏 切 る ん だ か ら 。

これは、僕の秘密。誰にも知られちゃいけない____

Re: ナイフの花束 ( No.3 )
日時: 2019/05/25 20:34
名前: リディオル (ID: cFK/w3CU)

人は誰だって、秘密を一つや二つ抱えているものだ。
僕の秘密もその一つ。
けど…違う所があるならばそれは___
秘密の、重さだ。

Re: ナイフの花束 ( No.4 )
日時: 2019/06/08 09:07
名前: リディオル (ID: cFK/w3CU)

ねえ、誰か僕を否定してよ。
僕を肯定しないで。
僕は優しく何か、ない。
ただ、大事な人を救う為。
只、それだけなんだ。
なのに、何で?
僕に微笑むの?
何で、笑いかけるの…!?
嫌だ。止めて、止めろ。
僕は裏切り者。
だから、だから!
僕を、そんな優しい目で見ないで!!
ああ、止めて。
心が引き裂かれる。
痛い。痛いよ…
これは罰…?
僕の、罪?
そうか。
神様は僕を叱るんだね。
僕を、否定してくれるんだね。
嬉しいな。
あれ?痛みが楽になった。
僕を否定してくれたからかな。
そっか、案外簡単じゃないか!
嫌われれば、いいんだ!
よし、待っててね。
助けるから。
…母さん。


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