複雑・ファジー小説
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- 正義とは何だろうか
- 日時: 2019/06/20 18:26
- 名前: アイス・ザ・トミカ (ID: Xr//JkA7)
初めまして。アイス・ザ・トミカと申します。どうぞよろしくお願いします
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この物語は韓国の歴史物語です。韓国の歴史物だとご理解の上ご覧ください。
一番下に人物紹介、用語解説
第1話「戦いの始まり」
1719年(粛宗45年)
時は偉大な国王・粛宗の治世。粛宗は危篤だった。粛宗の病気は国を不安定とした。粛宗の病状を知った臣下たちは新たな国王を立てるため、皇太子を立てようとした。しかし、朝鮮には既に皇太子がいたのだった。だが、臣下らは違う皇太子を立てるべきと王に迫った。その理由は子が産めない病気だったからだ。その候補として国王の六男延齢君イ・フォンと国王の従兄弟の息子密豊君イ・タンを擁立しようと臣下たちは企んでいた。
東宮殿には延齢君と皇太子がいた。
皇太子は筆を持ち、書状を書く。「弟である延齢君に皇太子の座を譲る」と。
その書状の内容を知った密豊君の部下が密豊君に報告しに来た。
「王子様!皇太子様が…」
2日前…
王子イ・グムとその部下チャヌが都へ向かっていた。
チャヌはグムに言う。
「王子様。キム領議政(内閣総理大臣)が…」
「どうした?」
「次々と税を払えぬ農民らを殺していると…」
グムは拳を握る。
キム領議政の屋敷
チャンシプは女たちを家に連れてきた。
キム・チャンシプの妻・ヒャンギはチャンシプに言う。
「旦那様。私と離縁(離婚)を。」
キム・チャンシプはヒャンギを睨みつける。
「何だと!私と離縁だと!」
「旦那様は、以前殺した農民の妻に訴えられたそうです。」
チャンシプは笑いながら言う。
「それがどうした!私が農民の妻ごときの訴えで捕まるとでも?」
「この訴訟には少論派(延齢君を皇太子に推す派閥)の延齢君様が加担していると。」
チャンシプはヒャンギの言葉に驚き、腰を抜かす。
「な、何だと…あの王様のご子息の延齢君か?」
「はい。旦那様。故に、将来大臣になる私たちの息子と密豊君の夫人である私たちの娘の将来を妨げぬように…私をご離縁ください。」
ヒャンギは結婚証明証を火の中へ入れ、立ち去る。
「おい。ヒャンギ…ヒャンギ…待つんだ!ヒャンギ…」
ヒャンギがチャンシプの屋敷から立ち去ると、延齢君と延齢君率いる兵士らが入ってくる。
延齢君はチャンシプの姿を見て笑う。
「領議政。あなたを農民殺害の罪で逮捕します。連行せよ!」
連行されるチャンシプに石を投げる民たち。そんなチャンシプを見るグム。
そのグムの姿に驚くチャンシプ
「延祀君…延祀君!なぜ!お前が!」
そのチャンシプの言葉に、グムの姿を探す延齢君。延祀君は自分を探す延齢君の姿を発見し、逃げる。
延齢君は隠れるグムを路地裏で見つける。
「兄上。なぜ清(現在の中国)から帰国を?」
「延齢君。バレてしまったか。」
「兄上。あれほど都に戻ってくるなと。」
「明日が母上の命日だ。もう母上の死から1年だな。」
延齢君は言う。
「都へ来たのには他の理由があるのでは?」
「あぁ。密豊君の死を見届けに来たんだ。」
「ですが、兄上。いくら私とて、密豊君を死刑にするのは難しいでしょう。」
「そうかもな。あいつが犯してきた罪は多くても…」
延齢君は閃いたような顔で言う。
「皇太子様が証言すれば密豊君も死刑になるかも…」
2日後
拷問場に連行されてきたキム・チャンシプ。
そして、やって来た粛宗と杖を突いてやって来た世子。延齢君と延祀君と密豊君がやってくる。
密豊君と粛宗は延祀君の姿に驚く。
「な、何故そなたが来た!」
「父上。覚えておられないのですか?母上の命日ですから来たのです。そのついでにこの拷問場にやって来たのです。」
「そなたは宗親(王宮に住めるべき者)でもないのに!」
キム・チャンシプは粛宗に言う。
「王様!王様に20年間使えて来た私にこんな仕打ちをするとは!」
粛宗は言う。
「証拠を出せ。」
延齢君は皇太子を呼び出す。
「王様。私皇太子!命を賭けて申します!私は一度キム・チャンシプや密豊君に「''税を払わぬ''と言う汚名を着せ、生意気な農民を殺せ。」と言われました。これは国を乱す行為です!どうか2人をお罰しください!」
「皇太子様!我々がそのような事をしましたか?」
「いいえ。王様。そう言え。と延齢君に脅されたのです!」
延齢君は皇太子の言葉に驚く。
「皇太子様!私はそのような事!」
次回「延齢君の運命」
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お楽しみに。
ぜひもっと見て頂けると嬉しいです。
用語の読み方についてお教えします
粛宗→朝鮮19代王 延齢君→粛宗の六男 密豊君→粛宗の甥
領議政→内閣総理大臣 少論派→延齢君を皇太子に推す派閥 延祀君→粛宗の三男 宗親→王宮に住めるべき者
登場人物
主人公 延祀君イ・グム
後に偉大な国王となる。母親がムスリ(宮中の雑用係)であったため、虐げられた。虐げた人たちへの恨みは強く、宮中の者らを信じられない。その中で信じられるのは延齢君だけ。
ヒミョン
密豊君の女官。暴悪な密豊君から自分を守ってくれたグムに惹かれる。パク・ムンスの幼馴染。
パク・ムンス
グムと密豊君を倒すため協力する。数字の扱いなら大の得意。しかし、武官志望の男。
密豊君イ・タン
国王になろうと目論むグムの従兄。気性が荒い。ヒミョンに惹かれる。
人物紹介 終
またご覧ください。
- Re: 正義とは何だろうか ( No.2 )
- 日時: 2019/06/20 21:26
- 名前: アイス・ザ・トミカ (ID: Xr//JkA7)
第3話
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前回までは少しシナリオっぽい感じだったので、小説風に描きます!
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延齢君の屋敷にあの2人がやって来た。
「お二人はここへ来るべきではない!」
「 密豊君と皇太子。そなたらが来る場所ではない。」
私は嬉しかった。父上が私と同じ事を言ってくださったので。。
「では失礼します。」
2人は逃げていくように去った。皇太子様は杖をつきながら、密豊君は皇太子を支えて。
「父上。何故…延齢君を守ってくださると仰られたのに…」
私は父上が憎らしくかった。
「父上。フォンに諡号を…」
「孝行した息子。憲を守る息子。孝憲を延齢君に与えよう…」
父上は泣きながらも延齢君に諡を付けた。
1719年12月 粛宗は延齢君に''孝憲''と言う諡号を与えたのだった。
第3話 終
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今回、少し過ぎましたね。次、頑張ります!
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用語解説
延祀君→粛宗の第3男 延齢君→粛宗の第六子 密豊君→延祀君の従兄
- Re: 正義とは何だろうか ( No.3 )
- 日時: 2019/06/21 11:53
- 名前: アイス・ザ・トミカ (ID: Xr//JkA7)
第4話
下に用語解説あります!
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勤政殿で命令書を開く粛宗
「余は!少論派の党首がいなくなった為、少論派に延祀君を登用することとする。」
臣下らは粛宗の言葉に驚いた。
「王様!少論派には皇太子様が!」
「皇太子は病弱だ!余の王命に従うのだ!」
1720年6月30日 彼は粛宗の王命により朝廷に登用された。
(''正義とは何だろうか。''私はそう思った。その''正義''とは民を守り、悪を倒すために生きる事だろうか。その''正義と道''を歩む彼の運命。その運命が今 開幕!)
パク・ムンスは試験場にやって来る。
試験場のお題には''正義''と。パク・ムンスは試験用紙に「正しき行為(正的行為)」と書く。
その試験用紙を見る試験員。
「あっはっは。正しき行為か。正義は民を守るため、正義は国を守るため生きる事だ。それが正しき行為と。」
副試験員が言う。
「試験員様。民や国を守るのが正義だとは限りませぬぞ。」
「確かに。誰もが''正義''と''悪''を区別できない。それが正義と言う者もいるし、それが悪だと言う者がいるから。」
「試験員様。この者の勇気なら司憲府に入れてもいいやも知れませぬな。一度面接してから考えては?」
面接室にやって来るムンス。
副試験員が言う。
「そなたが''正しき行為''と書いた意味は?」
「''正しき判断をする''。善と悪を区別する。それが正義だと思います。」
試験員は言う。
「そなたには善と悪を区別できるのか?」
ムンスは笑いながら言う。
「私が善と悪を区別するのではなく、民が区別するのです。」
試験員と副試験員が拍手する。
「素晴らしい。是非ともそなたに司憲府に入って貰いたい。」
(この者が後の暗行御史パク・ムンスだ。)
第4話 終
勤政殿→集会場 粛宗→国王 少論派→延祀君派
延祀君→粛宗の三男 司憲府→大臣や王族の不正を王に伝える司法機関
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- Re: 正義とは何だろうか ( No.4 )
- 日時: 2019/06/21 16:53
- 名前: アイス・ザ・トミカ (ID: Xr//JkA7)
第5話
キム・チャンシプが粛宗に言う。
「王様!病弱である皇太子に代わり、新たな皇太子を…」
粛宗は吐血する。
臣下らは粛宗と吐血に驚く。
「王様!」
康寧殿で遺言書を書く粛宗。
遺言書には''皇太子は即位後、瞬く間に崩御するだろう。故に皇太子の次の国王には余の直系である延祀君を王位継承させるのだ。''粛宗は遺言書を宦官に渡し、手を落とす。
1720年7月12日、13日に崩御した。宮廷内には「崩御」宦官がそう言う声がずっと響いていた。
司憲府で働くムンス
ムンスは監察長に言う。
「領議政が農民を殺していると。」
監察長はムンスの頬を叩く。
「おい。パク監察。調子に乗るな!お前はもう司憲府の一員だと言うのに!権力者に手を出していいと?」
ムンスは拳を握って言う。
「監察長!権力者だからと罰せられないなら、農民が無念に死んでいくのを見ていろとおっしゃるのですか!」
監察長はムンスの頬を再び叩く。
「黙らぬか!それがこの朝鮮なんだ!お前は善人のつもりか?そのような事をしていても誰も見てくれやしない。そのような事をしてもただ権力者を怒らせて、殺されるだけだ。」ムンスは怒りを抑えながらも立ち去る
船に乗ってどこかへ行くグム。
「チャヌよ。再び明や倭国へ行こう。」
1722年(景宗2年)2年後…景宗はとても危篤状態に陥としいった。それにより延祀君は粛宗の遺言書で世弟に冊封された。また、景宗の希望で延祀君が老論派となり、景宗は少論派の長となる。そして、元世子侍講院院長イ・インジャら南人派は少論派と合併した。それでも、少論派は子を産めない国王を長に持ったため、老論派の勢力が有利だった。そして、老論派は延祀君に代理執政を任せようと言う。そんな過激な主張に腹を立たせた少論派が、キム・チャンシプら4人の老論派の大臣は流刑に処した。それでも、密豊君の財力で老論派は力を保ち続けた。しかし、老論派には世弟のグムもいた。老論派の中で2人の王子の戦いがあった。
妓楼で酒を飲む景宗
景宗の元に部下が来た。
「大変です!王様!」
その部下は景宗に耳打ちする。
景宗は驚く。
さて、何が起こった!
第5話 終
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粛宗→(先代)国王 康寧殿→王の寝室 延祀君→粛宗の三男
司憲府→大臣や王族の不正を王に伝える司法機関 領議政→内閣総理大臣
監察→大臣らの様子などを探る 監察長→監察が調べた事をまとめる役
景宗→皇太子の即位後の廟号 廟号→王の名前 世弟→王の弟
老論派→現在延祀君を長とする党派 少論派→老論派敵対派閥、景宗を長とする党派
世子→王の息子 南人派→景宗の母チャン・ヒビンに仕えた派閥しかしチャン・ヒビンの処刑後、南人派出身貴族は科挙を受けたり、就職が難しかった。 代理執政→王に代わって政治を行う。 密豊君→延祀君の従兄
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちなみに皇太子と景宗は同一人物です。
- Re: 正義とは何だろうか ( No.5 )
- 日時: 2019/06/25 20:50
- 名前: アイス・ザ・トミカ (ID: Xr//JkA7)
第6話
お待たせしました。
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正義とは何だろうか。
景宗はグムに言う。
「世弟。何を勝手な事をしておる!朝廷に知れたらどうなるとそなたは思う?」
「兄上。何故、均役法を民のために実施しようとしたのに…」
「そなたは先代王様である父上を甘く見ていらっしゃるのか?」
グムは景宗に跪く。
景宗は声を出さず笑う。
「グム。何をしておる。立ちなされ。そなたが民を思う気持ちは分かるが、国王である兄
差し置いて善良事を行おうとするとは!」
景宗はグムの腹を蹴ると、グムは倒れ込む。
「グムよ。余が病だからと余を甘く見ておるのか?」
声を切らせてグムが言う。
「兄、兄上…」
「この国の国王は余だ!この、イ・ユンだ!」
腹を押さえ、思政殿から出てくるグム。
そんなグムを見たムンスは、グムに駆け寄る
「ど、どうした?口から…血が…」
そんなムンスの様子を見たハン内官が言う
「無礼者!この方を誰と心得る!世弟様だ!」
ムンスは跪く。
「殿下。お許しくださいませ。」
ムンスがグムに手ぬぐいを渡す。
「これで口をお拭きに。」
「そなた、部署と名を申してみよ。」
「司憲府監察官パク・ムンスと申します。」
グムはムンスに手を差し伸べる。
ムンスはグムの手を握る。
「そなた、監察官か?」
「はい。世弟様。」
「では、余と共に重臣らの不正を暴かぬか?」
二人は協力関係へ
第6話 終
景宗(キョンジョン)…国王の廟号 均役法…兵役の代わりに税を払い、体が不自由
な者や病気の者を兵役から開放させる法
思政殿(サチョンジョン)…国王の執務室 司憲府(サホンブ)…重臣らの不正を暴く
機関
- Re: 正義とは何だろうか ( No.6 )
- 日時: 2019/06/26 17:31
- 名前: アイス・ザ・トミカ (ID: Xr//JkA7)
第7話 「歴史を作る新国王」
ついに今回、グムが即位します。ご期待ください!
帳簿で重臣らの不正を探す東宮殿にやってきたムンス
「世弟様。帳簿を持って参りました。」
グムは微笑む。
「そなたがとてもたくましい。」
グムに帳簿を渡すムンス
「これは…少論派の重臣全員を弾劾する事とて可能だろう。」
「本当ですか?世弟様?」
翌朝、重臣らが集まる勤政殿に帳簿を持ってやって来るグムとムンス
そんなムンスに驚く監察長。
「何故…そなたがここへ?」
「重臣らを弾劾するためです。」
「弾劾?そのようなことをしてタダで済むと?」
グムが言う。
「王様。私、世弟は少論派の少数の臣下を弾劾いたします。」
グムは弾劾書を景宗に渡す。
すると、突如景宗が倒れる。
「王様!」
1724年 グムの政敵・景宗は崩御した。一説によると、グムと景宗は景宗の治世
後半から仲が悪くなりグムが景宗を毒殺したと言う説がある。
次回 短きながらも最終話