複雑・ファジー小説

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太陽を抱く月【完結】
日時: 2019/07/24 21:48
名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)

太陽を抱く:第1話

黒い雲に包まれる満月の出る夜の空
「悠久の昔 天には2つの太陽と__2つの月がありました。」
【茶を注ぐ音が響く部屋の中で】

「2つの月がありました。。それ故__昼は非常に暑く 夜は凍えるほど寒かった。世の中が混乱し 民の生活がどん底に落ちると__英雄が現れ 太陽を月を1つずつ弓矢で射落としました。そして平和な世が訪れました。」と大妃が。
その茶を杯に入れて上品に口をつけて飲む大妃。そして、大妃は器と杯を置く。
「乱世にはどうしても__英雄が必要なのです。違いますか?兄上。」
そこにはユン・デヒョンの姿が。
「異腹の弟でも血縁であるからと主上はウィソン君を大事にし過ぎました。それ故にウィソン君を王に推す輩が現れるのです。こうとなっては__英雄の出現を待ってはいられません。」と大妃。
「恐れながら私には__お言葉の意味が分かりませぬ。」ととぼけた様な様子でユン・デヒョンが。
「英雄になりなされ。主上の気持ちを察し功臣になってください。」
その言葉に驚くユン・デヒョン。
「天の太陽と同様王は1人だけでよいのです。ウィソン君は存在自体が王を脅かすゆえ取り除くべき太陽なのです。」

【林】
林を刀を持ち走る数人の黒い人影が通る。
【ウィソン君の屋敷】
その黒い者たちは屋敷の屋根に登り、集まる。
「(小さな声で)そなたはあっちへ。 そなたたちは向こうへ。」と合図する。
そして屋根から降りる者たちと屋根を渡る者たちに別れる。
渡る者たちが屋根を走り、降りる。そして屋敷に静かに忍び寄る。
すると男がウィソン君の屋敷に謎のお札を貼る。
そして土を掘り、謎の本を入れる者たちは埋めて走って刀を握りしめ、何処かへ行く。

ウィソン君の寝室に刀を握りしめて忍び寄る男はドアノブを握り、引き、中の様子を見ると、誰もいない。そして周りを見渡すと、刀を向けられる。ウィソン君に。
「誰の差し金だ?」とウィソン君。
刀を向けるウィソン君の隙を見て、刀を落とす。それを見たウィソン君の持つ刀を手に持ち、刀を首から離す。そして、ウィソン君の肩に刀を刺す。
ウィソン君…成祖大王の異母兄弟

【巫女房】
悪夢を夢み、声を上げて起きるアリ。その声を聞き起き上がるノギョン。
「どうしたの?大丈夫?何かあったの?」
アリは荷物をまとめる。
それを見たノギョンは「夜中にどこに行くというの?」と。
「あなたは感じなかった?あれは__間違いなく殺気だった。どこからか殺気を感じた。」とアリ。
「行ってももう無駄よ。」とアリを心配するノギョン。
「それでも行くわ。あの方が__あの方が危ないの。」
「アリ。駄目だわ」
【巫女房外】
「待って。」と荷物をまとめて出て行くアリを追いかけるノギョンが言う。
「アリ。もう手遅れだわ。アリ!」息を荒くして追いかけるノギョン。
「お願い。待って。」
すると、急にノギョンは立ち止まり、空を見ると満月があった空は完全に真っ暗なのを見て殺気を感じる。
「やはりアリの言う通りだったのね。」



Re: 太陽を抱く月 ( No.1 )
日時: 2019/07/23 15:15
名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)

太陽を抱く月:2話

黒い者たちと戦うウィソン君。そんなウィソン君に刀を持ち、襲いかかる男たち。ウィソン君は最後の力を振り絞り蹴り落とす。ウィソン君が手に持つ刀は赤く染まっている。その刀を見ていたウィソン君は気が抜けて膝をつく。
そして、黒い男たちに斬られる。刀を地面につき、起き上がろうとしたウィソン君の首を切ろうとした時__
「待て。」とユン・デヒョンの声が。そして、一歩一歩 ウィソン君に近づいてくるユン・デヒョン。
「お久しぶりです。ウィソン君大監。」
「そなたは幾たびも私を訪ねてきた者だな。」と息を途切れさせながら言う。
「私と言う後ろ盾を欲していたくせに…手段を変えたか?それとも__別の後ろ盾をつけたのか。」とウィソン君が。
「まさしく。さすがウィソン君様は鋭いですな。後ろ盾は殿下になって頂きます。''最近は誰もが権力を狙う''と言いましたな。''政治は君主が行うもので__誰にでも政治ができる訳がない。''と。」
「こんな芝居に惑わされる殿下ではない。誰の言葉を殿下は信じるかな?」と息耐えながらも話す。
笑いながらユン・デヒョンが「残念ながら殿下にはもう会うことは出来ないでしょう。何故なら__あの世に行くのですから。」
刀を握りしめ、刀を抜くユン・デヒョン。
「ご安心ください。ご親友の大司憲様が先にあの世でお待ちしております。」

【大司憲宅】
書物を読む大司憲の後ろから男が首に縄をかけ、首を絞める。そして、手を落とす大司憲。そして、男は書物の上に封筒を置き、去って行く。

【ウィソン君宅前】
「大司憲を…何故殺したのだ!何故!何の罪があって!大司憲を…」
「あの者は!外戚を陥れる忠言ばかりを殿下には上訴したからだ!大妃がお怒りになるのも__当然でしょう。」 唇を噛みながら言うユン・デヒョン。
ウィソン君が刀を手に取り、ユン・デヒョンを斬ろうした時、ユン・デヒョンがウィソン君の首を斬る。そして、地面に血が垂れ、倒れるウィソン君。

それを目撃したアリは口を押さえる。
「良き日ではないか 月光も一緒なら 墓場への道も寂しくないだろう。」と声を上げ、笑いながらユン・デヒョンが。
そして、ユン・デヒョンが刀に触れていると、反射してアリの姿が刀に映る。
それを見たユン・デヒョンは驚き「追え!」と。黒い男たちがアリの後を追う。

【林の中】
林を駆け抜けるアリ。その後を刀を手に持つ黒い男たちが追う。 そして崖に来てしまうアリ。後ろには刀を抜き、近づいてくるアリ。 男たちから逃げようと後ずさりしていると、崖から滑って悲鳴をあげ、落ちるアリ。

Re: 太陽を抱く月 ( No.2 )
日時: 2019/07/23 15:49
名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)

太陽を抱く月:第3話

そして男たちが去って行こうとした時…男はアリが身につけていた物を見つける。
「これは…まだ近くにいるはずだ。必ず殺せ!」

【星宿庁】
鈴を鳴らす巫女の正装をしたノギョンらの元に巫女の長がやって来て、巫女たちの様子を見に来る。すると、異変に気付く長。
「アリはどうした?」
「それが…」

【大妃殿】
アリの物を握り、机を叩く大妃。
「アリ…アリというのか。」
「霊力が強く ノギョンと言う巫女とともに国巫の候補に。傷を追いそう遠くへは行けないはずです。付近を捜しているので__そのうち…」
「(笑いながら)王族と巫女の恋とは。天が味方しているようです。アリはかつてウィソン君宅の下女だったとか。周りも2人の仲を知っていたはずです」
「だとしたら…なおさら危険なのでは…」
「なぜですか。」
「恋ごときに命を捧げるのが女というものです。全てを目撃したあの女が便殿に駆け込む 恐れが。息の根を止めないと…」 *便殿ピョンジョン…王殿。
「慕っていた男を王座に就かせたいと願っていたら?そのためにお札を書いたなら?あり得る話です。」
「しかしあの女が書いた証拠など…」
「国巫が私の味方ですゆえどうにでもできます。主上にご報告を。」

【ウィソン君の屋敷】
兵士たちが手に火を持ち、入ってくる。
「逆賊イ・ハンは…」
兵士はウィソン君の倒れている姿に驚く。

【大司憲の屋敷】
そこには亡き大司憲の姿が…そして、下を見ると、書物の上の封筒(遺言に見せかけた手紙)が。

【便殿】
大司憲の屋敷に置いてあった手紙を読む王。その手紙を丸める成祖。
「この手紙の内容は__誠なのか?」
「内輪もめでしょう。大司憲が自らの過ちに気付きイ・ハンを殺して自害したようです。」
「申し訳ございません。早く申し上げていれば逆賊を罰せられたのに。お許しください。」
そこに外から宦官の声が。
「殿下。星宿庁の国巫が参りました。」
そして、入ってくる国巫。王は札を国巫に渡すよう命じ、国巫の手に渡る。
「国巫。どんな札なのだ。」
「この札は…太陽の気を高めます。」
「確かか?」
国巫は跪きながら嘆く。
「殿下に嘘など申し上げられません。これは間違いなく太陽の気を高めるお札です。」
「それは…誰が書いたのだ?」
「星宿庁のアリという巫女が強い霊力を持っています。アリが__書いた物です。」
「その者は今どこにおる?」
「現在逃亡中だそうです。」
「その巫女を必ず…必ず捕えるのだ!」

【山中】
男たちが背負う輿によって運ばれる謎の両班。その輿の前にアリが姿を現わす。
そして、その両班の使用人が声を上げ、輿を抜かす。
「何の騒ぎ?」とその両班が。
「あ…あそこに人が…いえ…遺体が…いや人が倒れています。」
「下ろせ。」
輿から妊娠中で腹を押えるシン氏が…



Re: 太陽を抱く月 ( No.3 )
日時: 2019/07/26 00:17
名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)

太陽を抱く月:第4話(最終話)

そして、シン氏はアリを輿に入れて匿う。

【門前】
輿を検査する兵士は血の匂いに気付きアリを発見。捕えるよう命じる。
「罪人だ!早く捕らえよ!」
腕に傷を負うアリを無理やり連れ出す。

【処刑場】
鋭そうな刀が用意される処刑場に連れて来られるアリ。
アリ「私は無実だわ。私は書いていないわ。書いていないの。」
「執行せよ」と武官の声が。そして、数秒後、地面には切り落とされたアリの首と血が…

【ユン・デヒョン宅】
音を立てずに潜入するノギョン。
そこにはお札の余りが。それを衣に入れ、去る。

【便殿】
ユン・デヒョンの前に立つ王・成祖。
成祖「そなたは…罪もない巫女に罪を着せ、巫女を殺したそうだな。」
「殿下。違います。違います!」






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