複雑・ファジー小説
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- 遺書とも言へぬもの
- 日時: 2019/10/19 01:15
- 名前: 藤原愚畜 (ID: R4l9RSpR)
遺書と言うほどのものでもない。
単なる個人的で身勝手な劣等感の発散に過ぎない。もはやこれを小説と言うのは正しいのか甚だ疑問ではあるものの、多少の手慰みにでもせむとて、ここに書きつく。
勝手に思考を無限ループに陥らせて、自らの不幸さについて考えていた。忙しい、ああ忙しいと、阿呆らしく嘆いていた。それがため、ある人達の元へと行った。それにより多少自分の心も持ち直すだろうかと思っていた。甘かった。都合のいい考えしかしていなかった。そこで私が得たのは、とても心中に入り切らぬほどの劣等感と、自らのつまらぬことに嘆くことへの罪悪感であった。なんと自分は愚かな人間であろうか、あの人は私の数百倍は忙しい、欲求すら失うほどに忙しい。それが自分はどうだ。忙しいと口先はいいつつも、別に夜中に追い詰められるわけではない、現に今悠々と蒲団の中に籠っているではないか!自分をひたすらに恨んだ。なぜお前は刻苦を拒むのか なぜお前は刻苦を拒むのか 疲れたくないからか、怠惰だからか、そう逃げてればいいという発想なのか
自分を追い詰める他なかった 自分より恵まれぬ人はいる。それも数多く。でもその人達は自分よりずっと努力している。ずっと労働をしている。なぜ自分に価値があるだろう。このようなおそろしく無能で、けちで、欲張りで、自堕落な怠け者に。そして何故自分より価値あるものは忙しく、価値ない自分はこう睡眠を貪っているのだろう。おかしいことだ おかしいことだ おかしいことだ
忍耐力というものが自分にはない それを打ち消す能力もない 教養もない 体力もない 良心もない
価値がない、価値がない、価値がない
ああ、そうあの時死ぬべきだったのだ
優柔不断だったのだ
自分の生死すら、まともに制御できないのだ
死んでしまいたい そういうだけなら簡単だ
だがそれをする勇気もない
そうしてこう無意味に生きながらえるだけである。
今度こそは死のう、もう終わりにしよう
そう思った
どうせ自分は成就できるはずもないのに
いつか死ぬであろう。でもいつか分からない。
最後まで人に寄生するように生きるのだろうか
仕方ないかもしれない
それが結局、自分という人間だ