複雑・ファジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 未来は魔で満ちていた
- 日時: 2019/10/23 00:03
- 名前: 雨音リョウ (ID: hfVure16)
初めまして雨音リョウです。
最近まではとある掲示板にいましたが、人が激減等で移動してきました。
正直言ってそこまで自信はありませんが、それは書いて行って身に付けて行こうかと思ってます。
操作やここでの暗黙のルール的なのがまだ把握出来ていないので、もし迷惑掛けたらごめんなさいm(_ _)m
今回書くのはとある掲示板に書いていて、なろうにも書いたは良いけどパス忘れて投稿出来なくなった物に訂正入れた物です(未完結)
【この作品に含まれる成分】
・ファンタジー
・
【ストーリー】
数十年もの間、人類を脅かす存在がいた。
その者の名はロアン・メルム。魔を統べる魔の王、【魔王】と呼ばれていた。
魔王は知的生命体の負の感情から生まれる魔物と魔族を従えて人を喰らい、土地を奪い、世界を征服していた。
そして、今から五年前。神から授けられた強力な力を持つ【勇者】と呼ばれる者達の一人が南にある魔王の本拠地である城に単独で突入し、魔王の首を討ち取った。
この物語は魔王が討ち取られて五年後の物語である。
- Re: 未来は魔で満ちていた ( No.1 )
- 日時: 2019/10/23 00:37
- 名前: 雨音リョウ (ID: hfVure16)
1話:時の神の気紛れ
「時空を支配する偉大なる時の神よ。我が願いを聴いて頂けるだろうか」
山奥に住む勇者が、自身で建てた家の隣に建てた小屋の中の小さな教会で方膝を付いて、神へ願いを乞うていた。
その姿はまるで聖騎士の様でとても様になっていた。
「我が望みは強い者と戦う事。しかし、魔王が討伐され、平和となったこの世界では強き者がいない」
この世界には数年前、魔王と呼ばれる魔物や魔族を統べる者が居た。
魔王の望みは世界を支配し、神に成り上がる事。その望みを叶える為に、周りの領土を侵略して行った。当然、人族の領土にも手を出した。
始めは隣国同士の対立程度の形ではあったが、時間が過ぎるにつれて当然の如く関係は悪化して行った。
そして、両国は敵国に対抗出来るよう、戦力を確保し始めた。
人族側は、聖騎士や神々の加護を得た勇者と呼ばれる者を揃えていった。
魔王側は、神の加護を得た魔物や魔族に魔王自らの力の一部を配下の魔族共に与える等をして、戦力を増やしていった。
そして、今神に願いを乞うているこの男は、神[クロノス・レオン]から加護を受けた勇者だ。
この男は多量の魔族を葬り、最後には魔王の首を討ち取ったと言う、壮大な功績を残した英雄である。
しかし、魔王討伐でどんちゃん騒ぎとなった街が面倒になり、国が追って来れないような山奥へと逃げ込み、神クロノスを崇める教会を作ってそこに住んでいるのだ。
だが、魔王を討ち取り、騒ぎに嫌気が差して誰にも会えない様な山奥に逃げ込んだのは良かったが、誰にも会えないのはこの男の趣味である強者との戦闘が出来ないと言う事に気が付いたのだ。
しかしあの国に帰るとゆっくり過ごせそうに無い上に、王が色々としつこかったりするので、帰国するのは毛頭考えていない。
それに、魔物や魔族を9割程殺したので、当分の間は強力な魔物と戦い、強くなる者が出なくなる事にも気付いた。因みにこれに気が付いたのは山奥に住んでから1年後の事であった。
訓練で強くさせるにも時間が掛かり過ぎる上に、勇者の力は訓練云々で得られる物ではなく、努力だけでは変えられない才能のようなものなので、適性がないのであれば不可能だ。強力な魔物は昔、趣味と鍛える為に戦い続けてあらかた片付けてしまい、今はそこらの勇者が楽勝出来る程度のものしかいない。
人を訓練させるのは才能と神に選ばれる運でもないと不可能。強い魔物は全滅。魔物を育てるのは危険過ぎる。となると残るは神頼みだ。
こうして、山奥生活2年目から毎日決まった時間に祈りを捧げているのである。
「そこで、大変おこがましい事ですが、神クロノス様に頼みが御座います」
『そうか言ってみろ』
「神クロノス様、御慈悲をありがとうございま……」
あまりに自然だったのですぐには気付かなかったが、途中でおかしい事に気付き咄嗟に顔を上げた。
「何者だ!」
自分以外誰も居ない筈の山奥にある小屋で声の主を探す。
目で探すのと同時に、魔力探知で辺りを探したが、不審な反応は見付からなかった。
『俺だよ俺。[クロノス・レオン]だ。今から姿を顕すからちと待ってろ』
脳内に響く謎の声がそう言うと、勇者が腰に着けておいた神剣[霊牙]の刃の部分が淡く輝いた。
勇者は鞘から剣を抜き刃を見てみると、その淡い光は剣の尖端に収束し、光の球となって剣から離れていき、徐々に人の姿を取り始めた。
光が完全に人型になると、光が収まって人の体が見えてきた。
その姿は長髪で実に女性的な美しい体型をしており、髪の色は勇者と同じ銀髪だった。
「お前は……誰だ?」
勇者は剣を構えて出現した謎の人物に問い掛ける。
神剣から出たので、剣の精霊か何かとは思うが、だからと言って用心しない訳にはいかない。
少し待っていると謎の女性は突然、その場でクルリと回って笑顔で話しだした。
「俺は時空を支配する神[クロノス・レオン]だぜ」
……どうやら剣の精霊ではなく、ただのアホな精霊らしかった。
Page:1