複雑・ファジー小説
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- あんだんすう
- 日時: 2019/11/10 23:25
- 名前: t (ID: DtsDLNJl)
会社帰り、パチンコではなく、ゲーセンに寄った。
メダルゲームではない、ufoキャッチャーでもない。カーレースゲームだ。座席に座ると、運転をスタートさせた。
それから1時間。ゲーセンで時間を費やした後、スーパーで夕食を買い、家に帰った。辺りは暗く、街灯が眩しい。
翌日も、昨日同様のルーティンで朝の支度をした。7時58分、家を出た。
俺は、いたって普通の会社員だ。26歳で今の会社に就職して、5年経った。31歳になった俺は、毎日仕事で日々を埋め、彩り、したくもない笑顔で他人に気を使い、微々たる収入にしがみつき、何気なく毎日を生きていた。
家を出て数秒後、後ろから声がした。
「上田さんですよね?」
振り向くと、そこにはこの世のものではない、例えるなら、宇宙人のような生物が立っていた。
「上田さん、あなたを今から殺します」
- Re: あんだんすう ( No.1 )
- 日時: 2019/11/10 23:38
- 名前: t (ID: DtsDLNJl)
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「な、何・・・?」
心の中は恐怖で、震えた声が口から出た。目の前にいるのは、目が黒く、銀色の肌に、尖った大きな耳。そして緑色のスーツを着ている。
「私は、地球人ではありません。遥か遠い、地球に似た星からやって来ました。」
身長約170センチの宇宙人が、淡々と俺の目を見て話す。
「実は、今からあなたを殺さなければならない。残念ながら、上田さんの寿命は、残り10秒だ」
俺は、宇宙人の存在自体に驚いていて、彼の発する言葉が頭に入ってこなかった。だから、今から俺を殺すとか、何を喋っても、無意味だった。
「な、何が・・・。な、誰なんだ!!」
宇宙人が右手をかざすと、大きな光に包まれた。カバンを道の上に落とした。そして次の瞬間、目の前が暗闇に包まれ、俺は意識を失った。
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