複雑・ファジー小説
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- 1000光年の旅路
- 日時: 2019/11/21 21:39
- 名前: TAMASA (ID: dYnSNeny)
西暦2119年、生物を冷凍した後無事に解凍できる[炭素冷凍装置]と、宇宙の構成元素である水素を利用して燃料が尽きることなく無限に宇宙を光速で飛ぶエンジン[宇宙エンジン]を開発していた。
国際連合宇宙局は、人類を送り出す計画を立てた。
人類を炭素冷凍し、宇宙船を人工知能で操作し、地球と同等以上の文明を持つ知的生物のいる惑星まで行くという計画だった。
何千年かかるかわからない。それまでずっと炭素冷凍しているのだ。
この計画に大勢の人類が募集した。
国際連合宇宙局は、上上貴貴<カミジョウタカキ>という日本人に決めた。
理由は、家族関係や職業や動機が自虐的だったからだ。天涯孤独、無職、死ぬなら宇宙という理由だった。
西暦2120年、上上貴貴は、宇宙船ドラモン号に乗って、宇宙へ旅立った。
「それでは貴貴様。炭素冷凍装置の中に入って下さい」と人工知能のドラモンは言った。
「わかったよ」
貴貴は、炭素冷凍された。
貴貴は、炭素冷凍から解凍されて目覚めた。
「え、もう。一瞬だったけど」
「はい。電波が出てる惑星を探知しました」
年号や地球からの距離を見た。
西暦3120年、地球から1000光年の彼方だった。1000年が経っていた。
「ドラモン、本当に1000年経ってるの?」
「はい。経ってます」
電波の出てる惑星に着いた。
「こちら惑星アストロ、本機の船名と目的地を述べよ」と謎の惑星からメッセージが届いた。
「ドラモン号。惑星地球から来ました。目的は異星人との友好関係を築くためです」
「異星人との友好関係を築くとかって、こいつ何わけのわからないこと言ってんだ。ドラモン号って船名の宇宙船って登録にあったっけ?」
「ドラモン号っと、あったわよ。1000年前、ワープ航法の無い宇宙船で人体を炭素冷凍して地球を飛び立った宇宙船よ。名前は上上貴貴」
「1000年間、宇宙を旅してここに来たのか」
「ドラモン号、着陸を許可する」
「ありがとうございます」
大都会だった。
「惑星アストロへようこそ。カミジョウタカキさん」
「え?何で僕の名前を知ってるの?そもそも何で地球語を話してるのですか?」
「我々も地球人だからですよ」
「どういうこと?」
「西暦2257年、巨大隕石が地球に衝突し、地球が滅亡することがわかりました。人類は全滅する運命にありましたが、異星人が救出に来てくれました。宇宙にはたくさんの異星人がいて、銀河連邦を設立し、交流をしていました。本来ならワープ航法が出来るまで、異星人との交流をしないと銀河連邦法で決ってましたが、巨大隕石の衝突という事態が発生したので。
地球人類は惑星アストロに移住し、銀河連邦に所属し、異星間交流が始まりました」
「じゃあ、僕はこれからどうすればいいのでしょうか?」
「さあ?ゆっくり考えてから決めて下さい。地球をその目で見たければ、地球まで観光で行ける宇宙船が毎週出てますよ。ワープ航法で行くから、1日で行けます」
「いや、ドラモン号で地球に行きます」
「だとしたら、1000年かかりますよ。往復で2000年かかります」
「かまいません。炭素冷凍なら、僕の感覚では一瞬ですから。それを5回繰り返し、1万年先の未来を見てみたいと思います」
「まあ、あなたの好きにすればいいですよ」
貴貴は、炭素冷凍による宇宙走行をし、1万年先の未来へと旅立った。