複雑・ファジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

『残念』悪役令嬢はざまぁを目指すようです。
日時: 2019/11/24 03:31
名前: RITSU (ID: 3pCve.u0)
参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs3/index.php?mode=image&file=1265.png

ユーザー名は異なりますが、アルファポリス様でも同タイトルのものを投稿させていただいております。

はじめまして、RITSUと申します。
中学三年生、文章は拙いと思いますがどうぞ優しい目で見守ってやってください。
基本コメディとシリアスをいったりきたりする感じです。

感想など、泣いて喜びます。
一話だいたい1500文字前後。

ー宣伝ー
掲示板のほうでイラスト依頼受け付けております。








☆あらすじ(?)
乙女ゲームの悪役令嬢に転生させられた仁科美華は、あれよあれよというまに断罪され、下町に追放された。
「さてと、今日もいっちょ頑張りますかぁ!」
衣食住、安定した収入はかかせませんね?

とあるナルシストイケメンを脅し……いえ、かわいくお願いして家も貸してもらいましたし、和食とかの再現もできたらいいですねぇ。衣?えっと……お風呂どうしよう。

仕事は、まぁあたし魔法使える元貴族ですし?
魔法を利用すれば何でもできちゃうかなって☆
ほらあたし、デキる女ですから☆

………………あ、それと忘れたりは絶対にしないんですが、バッチリ復讐はさせていただきたいものですっ!
あたしを陥れた仕打ちはきーっちり受けてもらわなきゃいけないですもんね!

ラブコメなファンタジーなので、よろしくですです!
※グロ表現あり。ご注意ください。



☆目次
第1章 仕事確保は最優先!
 第1話 歯形男と白目女 >>01
 第2話 乙女のピンチ!? >>02
 第3話 ○○○ >>
 第4話 ○○○ >>
 第5話 ○○○ >>

Re: 『残念』悪役令嬢はざまぁを目指すようです。 ( No.1 )
日時: 2019/11/23 16:56
名前: RITSU (ID: 3pCve.u0)

 くんくんくん。
 なんか、あまーい匂いがする。
 なんだっけ……これ。

 あ、そうか。あたしの大好きなイチゴケーキの匂いだっ!
 と、思ったら、目の前に美味しそうなイチゴケーキがぷわん、と浮かんだ。

 きゃーっ、きっと、神様があたしのために焼いてくれたんだわ!あたしはちょっとお行儀悪いかなーと思ったけど、近くにナイフやフォークがないから、いいやと思って、せいいっぱい大きく口を開けた。

 パクリ。

「いったああああああああああ!」

 うん?
 甘くないよー。スポンジみたいに柔らかくもないし……正直言って、マズい。
 あたしはそれをぺっと吐き出した。
 神様、作ってくれるのならもうちょっと美味しいのを頂戴ね。そう、思ったときーー。

「いい加減に起きやがれ! この白目女!」

 ぐはっ!
 あたしは、温かいお布団をひっぺはがされて、イッキに目が覚める。
 ……お布団?
 っていうことは、イチゴケーキは夢か……。

 って、あれ?
 あたしの側に、見慣れない男の子が立っていた。
 金髪に緑色の瞳、そこそこ良い服を着ている。顔も悪くない……ううん。イケメンの類いだろう。

「きゃあああああ! なんで男があたしの寝室にいるのよぉぉぉぉっ! あたし、まだ早いと思うんだけど!」

 も、もしかして、あたしもう……。
 おそるおそるあたしは自分の格好を見下ろす。
 見慣れたドレスだ。少し汚れているけど、脱がされたような風ではない。

「何が早いんだ……変なこと口走んな白目女。誤解されたらどーしてくれんだよ」

 ふ、ふん。
 あんた、あたしを襲いに来たってわけじゃないみたいね。
 少し落ち着いたことで、ゆっくりと周りを見渡すことができた。そこそこ立派だけど、見慣れない室内。
 も、もしかしてあたしっ!

「さらわれたの……!?」

 悲劇のヒロインってやつね。
 ヒロインじゃなくて悪役令嬢だけど。

「落ち着け。家の前にぶっ倒れてたから拾ってやったんだよ」

 ふーん。信じたわけじゃないけど、とりあえずそういうことにしといてあげるわ。
 よし、じゃあ記憶を辿りましょう。
 あたしはリーナ・クラウリア。前世は仁科美華、十七歳。死んで、この乙女ゲームの世界の悪役令嬢に転生した。昨日、婚約破棄されて追放された。
 そこから……あんまり記憶がないわ。

「目が覚めたんならとっとと出てけ白目女」

 白目女?

「白目女って誰よ」
「お前だよ」

 あたしが白目女?

「あんたのそこについてる緑の目は飾りなの? あたしの目は青よ」
「ちげーよ。白目剥いてぶっ倒れてたからそう名付けた」

 ……白目を剥いてぶっ倒れるなんて、乙女にあるまじき行為!
 仮にもあたしは元令嬢!
 倒れるなら美しくおしとやかに倒れたかったわね……。

 でも、過去は変えられないわ。しょうがないから、この失礼な男にも変なあだ名をつけてあげなくちゃ。何か特徴はないかな?……と、思ったら、男の右腕にクッキリと歯形が。

「じゃあ、あんたは歯形男ね」
「この歯形はお前のせいだよおおおおおおっ!」

 ……もしかして、あのマズいイチゴケーキはこいつの腕だったの……?
 それは悪いことをしたわね。ちょっとだけ……ほんのちょびっとだけ、反省してあげなくもないわよ。

「ま、まぁいいじゃない? 流石あたしの歯形だわ……まるで芸術品のように美しいわよ? 歯形男っていうのもそう考えると褒め言葉になると「ならねーよっ!」」

 うぐっ。

「はー。お前といると疲れるな。さっさと出てけ。お前、いいとこのオジョーサマだろ? その服、良いやつだもんな。こんなところにいつまでも居座らないで、家に帰れよ」

 ……。
 待って、あたし、帰るとこないわ。屈辱だけど、こいつにゴマすって頼み込んで住ませてもらうしかないわね!

「あたしをこの家に住ませて!」

「……はぁ?」

Re: 『残念』悪役令嬢はざまぁを目指すようです。 ( No.2 )
日時: 2019/11/23 20:09
名前: RITSU (ID: 3pCve.u0)

「……もしかしてお前、追放されたっていう令嬢サンか?」

 あ……あは。
 そうでーす。ご名答でーす。

「流石ですね歯形男様! 素晴らしい慧眼をお持ちでいらっしゃるっ!」

「あからさまにゴマをするな、お前……だがその歯形男をやめないあたりにお前の汚い心が映ってるぞ」

「うふっ!いやですわ歯形男様。汚い心なんて……あたしの心は歯形男様と同じくらい歪んでいるだけでしてよ!」

「ゴマすれてないぞお前!」

 はっ!機嫌をとるつもりが、この歯形男を見たときに感じる強烈な嫌悪感のせいで、うまいことを言えないわ!どうしてこいつのことが褒められないの……持ち上げられないの……?

「こいつに良いところがひとつもないからかしらね」
「お前、初対面の男に、しかも頼んでいる側でよくずけずけとそこまで言えるな」

 あたし、正直ですから。
 胸を張ってそう言おうとしたときーー。

「!?」

 ベッドに座っていたあたしのほうに、男が寄ってきてーー。
 押し倒されているような形になってしまう。
 こいつ、顔だけはいいから何とも思ってなくても勝手に心臓がドキドキしちゃうしーー。

 ゆっくりと、自然な動作で男の唇が近づいてきてーー。

「あたし、もしかして今、キスされそう?」

 男はピタッと止まってジト目でこっちを見てくる。

「そーゆーこと、口にだすなよバカ」

 うきゃあああああっ!
 キスしようとしたって肯定したようなものだよね、今の!
 全国の乙女のみなさんっ!この男、さっきあたしに初対面がどーたらって言ってましたけど、初対面でキスしてこようとする人のほうがどうかしていると思いませんか!

「顔、真っ赤」

 しょ、しょうがないでしょっ!
 こーゆー恋愛経験なんてないんだし!
 それに……。

「あんたがカッコよすぎるのが悪いのよ!」

 顔だけだけど!
 あんたの顔が無駄にイケメンなせいだもの!
 あたしがそう言うと、歯形男は目をパチパチ。ついでに長い睫毛が目立って、さらにイケメン感が増した。その後、ふっと微笑みーー。

「目、とじろよ」

 そして、さらに近づいてくる唇ーー。

「やめてってばああああああああああ!」

 あたしはそう叫び、無我夢中で手足をじたばたさせた。
 いやああああ、あたしのファーストキス、こんな顔だけ男なんぞに奪われてたまるものですかあああっ!

「ふぐっ!?」

 あと少しのところで動きが止まり、歯形男はさーっと青くなった。
 ばっとあたしから勢いよく離れると、へそより下のほうをおさえて悶える。

 うーん。
 どうしたのかな。

 ともかく、乙女のピンチは過ぎ去った!
 バンザイ!
 あとはこの変態歯形ヤローを処分……じゃなかった、この家に住ませてもらえるように交渉するのみね。

 うんうん。
 あたしが頷きながら計画を練っているうちに、回復したらしい歯形男はよろめきながらこちらを見た。

「俺はお前を女だなんて認めないッ」

 ちょっと涙目だった。

「あたしは正真正銘の女よ」

「……百万歩譲って女だとしよう。だがお前は令嬢ではない! 俺の夢見ていた優しくておしとやかな令嬢じゃないっ!」

 そんなこと言われてもねぇ。
 あたしは元令嬢だけど、優しくておしとやかな令嬢なんて少数派じゃないの?
 夢見すぎよ。

「それよりも、あたしをここに住ませて頂戴。住むところがないの」
「くぅっ……お前は俺の夢見ていた令嬢じゃなくても、とりあえず令嬢だった!」

 さっき令嬢って認めないとかなんたら言ってたけど、現実は受け止めてくれるのね。

「だから……百万歩譲って、ベッドで寝てるだけでいい! あとは俺が服ひんむいて勝手にする!」

 きゃーっ!乙女の敵よ!

「令嬢令嬢うるっさいわねぇ! そんなに優しくておしとやかな令嬢を拝みたいなら、あたしに一人心当たりがあるから、その子の情報で手を打ってくれない?」

 友達を売る?
 いいえ、あの子ーーヒロインとは、友達じゃないわ。


Page:1



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。