複雑・ファジー小説
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- あの日僕らは過ちを。
- 日時: 2020/05/21 15:42
- 名前: みどろん (ID: 62xm4.JP)
第1章 彩の章
僕らと彩芽が出会ったのは小学校4年生の時だった。彩芽は違う県から引っ越してきた転校生として二学期からクラスメイトになった。僕らは彩芽と話してみようと思い、近づいた。思ったより明るい雰囲気で話しかけやすく、すぐに仲良くなれた。それからというと、外で遊んだり、彩芽は読書も好きだったので本についてもおすすめを出し合ったりして話した。それが毎日の日課になりつつあった。僕ら自身もすごく楽しくて友達になってよかったと日に日に思うようになっていた。
それから時は進み、中学生になった。
中学校の部活はどうするのかと僕らは尋ねた。彩芽は吹奏楽部に入ると笑顔で言った。
だが僕らは意外だなと思えた。なぜなら彩芽は絵が得意で、勝手にアート部に入るだろうと決めつけていたからだ。だが彩芽ならどんな部活も馴染める、そう僕らは思って応援した。彩芽も嬉しそうだった。小学校の時よりも笑顔を見れる気がして嬉しかった。
これからも笑顔を見続けれる。そう信じていた。
第2章 怪の章
中学2年。1学年上がってこれからは後輩ができる。僕らはワクワクしていた。彩芽もこれで後輩に楽器の吹き方などを教えて...おっと...つい彩芽のことを考えてしまった。僕らは部活に入っていない。帰宅部だ。だからかもしれない。部活に入っていたらどんな先輩になれていただろうか。想像するだけでも少しニヤつく。彩芽はどんな先輩になるんだろう...。
2年になって2ヶ月たった頃、彩芽の様子がおかしく感じれた。少し暗いような感じがする。大丈夫?なにか相談でもあれば聞くよ。そう尋ねてみると、彩芽はいつもと変わらない笑顔の表情で「大丈夫だよ!」とだけ言った。いつもと同じ笑顔だったので僕らも安心した。
だが、半年後。彩芽は喋らなくなった。声をかけても反応してくれなくなった。表情もずっと同じ真顔。笑顔もひとつも見なくなってしまった。何があったんだ...。どうして...。
第3章 殺の章
彩芽は完全に心を閉ざしてしまった。僕らに対しても、誰に対しても反応してくれない。
きっと部活で何かあったんだ。僕らが...絶対に彩芽を元に戻す。最初は部室を覗いてみた。確か彩芽はフルート担当だったはずだ。
フルートを吹いている部員を見つけた。聞いてみると、一つだけ答えた。「彩芽先輩は...もう...。」と言って俯いてしまった。部活でいじめがあったらしい。それに気づけなかった僕のせいだ!どうして...近くにいたのに...。僕らは...何もしてあげれなかった...。完全に心を閉ざした彩芽は...何も反応を見せない...。ふと思ったことがあった。彩芽はもう亡くなっているのではないかと。彩芽は僕らの前だけ幽霊として存在だけ残してくれているのではないかと。そう思うことにした。...それから1年過ぎ、中学3年生になり、卒業の少し前まで来た。それまでも彩芽と会話はできていない。...でも僕の周りには皆がいる。皆が支えてくれた。そう思い微笑むと、彩芽がいた。彩芽は涙を流しながら...僕らと彩芽しかいない教室で喋った。
「どうして...どうしてっ!一緒に卒業しようって約束したのに...。どうして死んでしまったの...っ!一緒に頑張ろうって言ったのにっ...」
...死んでしまった...?彩芽は死んだんじゃないか。誰に向けてその言葉を...。
「颯斗!どうしてっ!...うっうっ...」
はや...と?それは...その...名前は...僕の...
僕の頭の中は一瞬にして崩壊した。
...死んだのは僕の方だったらしい。
いじめを受けていたのも僕。
僕が彩芽の方だと思っていたのは、僕だった。...だけれど...僕の周りにいるのは...それに確かにフルートの後輩部員と会話を...
いや、あれは会話じゃなかったのか...たまたま聞いた時に1人呟いて...そうか...僕の周りにいるこの人たちは幽霊なんだ。僕を迎えに来ていたあっちの世界の友達になる人...。僕は勝手に記憶の中からいじめられていたことや自殺したことを封印していた...。死ぬ前だったから...幽霊が見えた...。彩芽には見えていない。僕の姿も、もちろん周りの友達も。
僕はずっと独りだったのに...勝手に僕の中で空想を作り出してた...彩芽がたった1人の友達だったのだ...彩芽が僕を守ってくれてた...それなのに.....ごめん彩芽...。すると、教室に僕をいじめていた当の本人が来た。すると彩芽はそちらに向き、「颯斗の...復讐なの。ごめんね」そう呟きながら、ナイフを振り下ろした。返り血で真っ赤に染っていく彩芽をみて、何もしてあげれなかった。ただ突っ立っていることしか...。「颯斗。いるんでしょ?大丈夫。ひとりじゃないよ。」あのいつもの笑顔で喋り、自らナイフを振り、首を貫いた。
彩芽は人を殺め、自らも殺めた。
そうだ...僕は自殺していない。あやめに楽にしてあげるからと涙を流しながら首に...。
アヤメは皆のために最後まで動いた。
アリガトウ。アヤメ。コレカラモヨロシクネ
- Re: あの日僕らは過ちを。 ( No.1 )
- 日時: 2020/05/21 16:04
- 名前: みどろん (ID: 62xm4.JP)
皆さん。はじめまして!みどろんと申します。こちらはあとがきのようなものになっております。見てくださった方ありがとうございます!
なぜこのような話を書こうとしたのか、これは元あった話と作り話を混ぜたものです。
いじめや、心を閉ざしたり、部活でのことは本当のことが多いです。本当の話では彩芽の立場にいるのは私自身で、吹奏楽部でいじめられていました。主人公は作り話の方。フィクションでもあり、ノンフィクションでもある話ですが、実際にあったこととして捉えながら読むともっといいかもしれませんね!
私自身文章を整えたりすることが苦手なので分かりにくい話になっていたかもしれませんが、ご了承ください(--;)
ではまた次の話でお会いしましょう。
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