複雑・ファジー小説

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公爵夫人は夫から逃げる!(完結)
日時: 2020/06/13 21:20
名前: はな (ID: obDW75wI)

この物語は、主人公ティアが夫の公爵から逃げる物語です。


ティア・マセット
公爵夫人。裁縫が得意で、顔は上の中くらいの美人。


すごい登場人物が少ないのはめ面倒くさいから描いていない訳ではないですよ。ヒュヒュー。 (口笛)

Re: 公爵夫人は夫から逃げる! ( No.1 )
日時: 2020/06/07 01:23
名前: はな (ID: obDW75wI)

「貴方は、フィンレー様にふさわしくないのよ!!」
いきなり入ってきたすごい美人から私は夫にふさわしくないと言われました。どうも、ティア・マセットです。
思わず目を丸くしてしまいました。まぁ私の目はもともとくりっくりっの目なんですけどね。嘘です、冗談です。そんなナルシストではありません。
そんな事より今はこの方のことを考えなければいけません。
「ふさわしくない、ですか?」
「そうよ。あんたみたいなブス、フィンレー様にふさわしくないのよ!!」
「そんな事言われましても。どうしたらいいのでしょうか?」
「ふんっ。貴方とフィンレー様が離婚すれば良いのよ!」
「離婚ですか?もし私が離婚に応じても、夫が応じなければどうなさるのですか?」
「そんな事はないわ!ほら!!」
美人さんが私に紙を見せつけるように見せた。
なんでしょうか?



こ、これは!?離婚でお馴染みのグリーンペッパーではないですか!?しかも夫の名前が記名されています。文字も夫の字とおなじぽっいですね。
まぁ夫がどんな字を書いているか知りませんけど。
「フィンレー様は離婚を認めているのよ!貴方が名前をかけばもう離婚できるのよ。」
「そうなんですか。では、その紙貸してください。名前を書くので。」
「ふんっ、ほらっ!」
私はサラサラっと名前を書く。
「これでよろしいでしょうか?」
「そうよ!貴方は早くこの屋敷から出て行きなさいっ!今日から私が住むのから」
「そうですか。では」
私は鞄に荷物を入れ、自分の部屋から出て行った。



この屋敷から出ていくのか。
この屋敷から出たのは、お茶会やパーティくらいだったな。いつも夫が駄目だと言うから。なんでかな?まぁ別にどうでもいいしな。
私は門から出、髪の色を変えた。金髪だった髪は、茶色に変わった。
何故髪の色を変えたのか、それは一回平民になりたかったのだ。平民ではないけど、平民の暮らしをしてみたかったから。これだと、私は公爵夫人だった事がバレないはず。ここはマセット公爵の領地だから私の顔を知っている人がいる。その為、変装する事にした。まぁ平民が金髪なのは珍しいし。


これからどうしよっかな。
でも、ここの領地にいたくないし、別の街に行きましょう。
そう思った私は、馬車を呼ぶ。
馬車を呼ぶのは簡単だ。別に難しくはない。
あっ馬車がきた。
私は馬車に乗り込む。
「行き先は?」
「そうね。ヴァントの所までで」
「わかりました。」
ヴァントとはヴァント男爵の領地。ヴァント男爵様とは全く接点はないけど、いい領地と聞いた。ぜひ行きたかったのだ。

ヴァントまでかなり遠いな。遠いからお金もかなりかかるだろう。
そう思い、鞄からお金があるか見る。
よかった。お金は金貨2枚ある。足りるのかしら。少なかったらどうしよう。
そんなことを考えていると眠ってしまった。



Re: 公爵夫人は夫から逃げる! ( No.2 )
日時: 2020/06/07 01:55
名前: はな (ID: obDW75wI)

「んんっ」
どうやら眠ってしまったみたいです。
今はどこまで進んでいるのかしら。
「あの。今どの場所かしら」
「今はシカヤアレです。」
シカヤアレってまだ目的地まで半分も行っていないところね。
シカヤアレってよく元夫と行ったわね。
懐かしいわ。




私が元夫、フィンレー様と8歳の時婚約した。元夫は、この婚約は乗り気ではなかったみたい。まぁ私もだけど。
そして、学園を卒業した後結婚した。
結婚してもあまり会えなかったけど。

そんな事を考えていると、気分が悪くなった。どうしたのかしら。酔ったのか?でも、前は酔わなかったしよく分からない。やばい気持ち悪い。
とりあえず、魔法を使おう。
少し気持ち悪いのは治った。よかった。

その後、寝ては起き寝ては起きを繰り返していると、
「つきました。」
ついたみたい。
「ありがとう。代金は、私手持ち金貨2枚しかないのよね。」
「き、金貨!?!?だ、代金は銀貨2枚です。」
「あらっ。銀貨2枚でいいの?でも銀貨は持ってないのよね。」
「両替えできますよ」
「じゃあ両替えします。」

こうして無事お支払いは終わった。
「き、綺麗」
思っていたよりも、綺麗な所だった。
よし、ついたことだし、働き場所見つけなくちゃ。
それにしてもよく見られる。そんなに珍しいかしら?

働き場所ないかな?
あっ、針子の仕事!私、裁縫得意なのよね。ぜひしたいな。
そう思い、針子の募集をしている店に入った。




Re: 公爵夫人は夫から逃げる! ( No.3 )
日時: 2020/06/07 13:24
名前: はな (ID: obDW75wI)

フィンレー視点です




「公爵様!!!」
仕事をしていると、扉が思いっきり開いた。
「どうした?」
「そ、その。奥方様が、、、、」
「ティアがどうした?」
「実は、奥方様が離婚届にサインして出ていかれました、」
なんだと、、。
「ほ、本当なのか?」
「は、はい」
つい、魔力が暴走し、執務室は氷漬けになった。
「おい、落ち着け。」
「落ち着けるか!!ティアが、ティアが出て行ったのだぞ!」
俺に落ち着けと言ったのは、この国の第一王子のアーサー・エル・クニッシュル。普通だと不敬罪だがどうでもよかった。
「ティア、、、」
どうして出て行ったのだろうか?俺に嫌気がさした?
「なんで出て行ったのか?」
落ちこんでいる俺の代わりに殿下が聞く。
「それが。ある女性に出て行けと言われたみたいで。も、申し訳ありません!!!」
*普段は穏やか?な性格だが、ティアのことだけになると穏やかじゃなくなる。なので従者はすごい勢いで謝っている*
「その女はどこだ?」
「は、はい、その女の方はハカ二ーティサ侯爵家の長女のアリス嬢でございまして。今はマセット公爵家の屋敷に居座っています。」
「アリス嬢は終わったな。フィンレーの大切な物に手を出したなんてな」
そう殿下は言う。
フィンレーの周りで仕事をしていた人全員が心の中で頷いた。
「何故屋敷にいる?」
いつもの声よりかなり声のトーンが低くなっている。かなりのお怒りだ。
「それが、私がフィンレー様の妻となるのだからと言って聞かない始末です」
「そうか。その女を牢屋に入れておけ。」
普通に牢屋に入れられてもおかしくわない。それは、いきなり許可なくマセット公爵の屋敷に入り、フィンレーの愛する妻を侮辱したのだ。不敬罪で捕まる。
「畏まりました」
「それで、ティアがどこに行ったのかわかるか?」
フィンレーは、アリス嬢のことよりティアがどこに行ったのかが大事だった。
しかし、どこに行ったのかと聞くと従者の顔が焦った顔になり、汗をたくさんかいていた。
「も、申し訳ございません!!!!奥方様は、屋敷から出て行った後、行方が分からなくなりまして!」
その言葉を聞いた瞬間、フィンレーの周りにいたものは、固まる。そして、グギギと首を動かしてフィンレーを見ると、スーパーウルトラ怒っていた。
「今すぐ、騎士団の所に行きティアを探せ。」
「は、はい!!」

「公爵様。怒ったって奥方様が見つかる訳ではないので落ち着いて下さい。」
そう言ったのはフィンレーの専属執事。フィンレーを落ち着かせるのはかなり難かしいので、彼はかなりのプロだ。

その様子を見ていた殿下は、呟く。
「もし、見つからなかったらこの国の危機だな。」
その呟きを少なからず聞いていたものは青白い顔になっていた。




Re: 公爵夫人は夫から逃げる! ( No.4 )
日時: 2020/06/13 19:08
名前: はな (ID: obDW75wI)

中は、思ったより綺麗で、布や、ドレス、服、帽子などが置いてあった。
店内を観察していると、奥の方から人が出てきた。
「いらっしゃいませ。何をお探しでしょうか?」
「ごめんなさい。買いに来たのでは無くて、外に針子の募集の紙を見つけたから。」
「はぁ。針子ですか?」
「ええ。このお店で働きたいなと思って。」
「わかりました。店長をお呼びしますね」
「ありがとう」
店の方が店長を呼んでいる間に店内の服を見る。デザインもいいが、刺繍がすごく上手だ。バランスよく、服と凄くマッチしている。刺繍した人はすごい腕を持っている。そんな事を考えて、観察していると、話しかけられた。
「その服は、私が作った物だ。」
急に話しかけられて、少し驚いたが、さっき言われたことを理解すると、彼女に「上手ですね」と言った。
「そうかい。そういえば、あんただろう?ここで働きたいといったのは」
「はい。ごめんなさい、急にそんなこと言って」
「いや、大丈夫だよ。とりあえず、来な」
「はい」
私は、彼女の後についていく。店内の奥に行っているみたいだ。
そして、彼女の足が止まった。どうやらついたみたいだ。
そして、彼女が中に入り、ソファに座る。
で、私に座れと目線でいった。
ので、私も座る。
「私はこの店の店員のアンだよ。本当に働く気なのかい?」
「はい。」
「そうかい。実力はどれくらいなのか後で分かるだろう。あんたをここで雇おう」
「ありがとうございます!あ、名乗ってませんでしたね。私、ティア・マセッ、、
ティアです。よろしくお願いします。」
平民には、家名がなくあるのは貴族だけなのであと少しでバレる所だった。危なかったと、心の中で安心するが、、、
「ティアは貴族なんだろう?」
えっ何故わかった?
そんな心を読んだのか
「バレバレだよ。言葉遣いも丁寧で仕草も綺麗。髪も傷んでいないサラサラの髪だし、今着ている服は、かなりの上質な布だし。」
そこまで見られていたのか。
「アンさんの言う通りですよ」
「なんであんたここに来たのかい?」
「あぁ。それは夫と離婚しまして。実家に帰るのもいいですが、一度平民になるのもいいかなっと。」
「変わった貴族さんだねぇ。」
「そうでしょうか?」
「あんた住むとこあるのかい?」
「そういえばないですね。どうしましょう。」
「私の家の一室を貸してやるよ。」
「! いいのですか?」
「あぁ」
「ありがとうございます。お礼は」
「お礼はいい。お礼して欲しくてしたわけでもないし」
「いえいえ。お礼させて下さい!」
そんな事を言って10分。お礼すると言って聞かなかったので、アンは折れた。
「じゃあ。ティアの友達にここを紹介してくれないか?」
「それくらいですか?わかりました。便箋くれませんか?」
「あぁ。」
私は、アンさんから便箋を貰い、友達のリナと、ヴァイオレットと、オードリーに店の紹介と夫と離婚した事と私は元気みたいな事を書いといた。
「はい。アンさんこれでいいでしょうか?」
「!?ティア!あんたの友達、公爵家や、侯爵家の人ばかりじゃないか!!」
「?どうしました?」
「ティアはどこの貴族なんだい!?」
「私は、コヒーアット侯爵家の長女です」
「!それって、長女がマセット公爵家に嫁いだって言う」
「はい。そうですよ」
「そ、そうかい。」
「あ、でもこの話は、他言無用でお願いします」
「当たり前だよ。そんな事言ったらやばいさ」
「ありがとうございます。」
アンさんは、やっぱりいい人だ。




Re: 公爵夫人は夫から逃げる! ( No.5 )
日時: 2020/06/13 20:23
名前: はな (ID: obDW75wI)

アンさんから雇って貰って10日。
私は、針子のみんなと仲良くなっていた。
最初は、あまり話しかけてくれなかったけど、私の方から話しかけるのを何日か続けていると、みんなの方から話しかけてくれるようになった。
「ティア。そういえば聞いた?最初ここら辺に騎士たちがやって来てティアという女の人を探しているんだって」
「そうなの?」
なんだろう、それ。
「そう。しかも、見ていないとかって答えると、絶望みたいな顔して帰るんだって」
「なんでだろう?」
絶望?どういうことだろう?
「ティアって、同じ名前だけどその騎士達が探している人じゃないの?」
「多分違うと思うよ。ティアなんてよくいる名前だし」
「そうだよねー」
そういうと、針子の彼女は落ち込む。
そんな落ち込まなくてもいい気がする。
その日は仕事をした後、買い物にいく。
すると、
「すいません。」
「?どうしました?」
私に話しかけて来た人を見る。どうやら騎士みたいだ。
「ティアという女性を探していまして」
針子の彼女が言っていたのを思い出す。
そして、騎士が見せてくれた絵をみる。
そこには、私の姿があった。一瞬ビクッとした。探していたのは、私!?
「そ、その女性をなんで探しているのですか?」
誰が私を探しているのだろうか?
リナ?ヴァイオレット?オードリー?
しかし、私が予想していた人物を大きく上回る。
「マセット公爵様です。」
は?一瞬固まる。何故離婚した彼が?
「そのティアという方とは離婚したとお聞きしましたが?」
そうだ。彼とは、離婚したはず。何故?
「えっ、離婚していませんよ。どこからそんな噂が、、?」
えっ、は?離婚していない?
リコンシテイナイ?
「離婚していないのですか?ほ、本当に?
本当にそうなのですか?」
私は、必死に聞く。騎士は、
「そうですよ。ティアというお方様は、勘違いで家を出て行ってしまって。それを、必死に公爵様が探しているということです」
私のカンチガイ?勘違い?
私は、思わず魔法を解いてしまった。茶色だった髪が一瞬にして金髪になる。
しまった。そう気づいた頃には、もう遅かった。
騎士の近くに見慣れた人がいた。見慣れた人といっても、夫ではなく、私の護衛していた騎士。
どうしよう。焦った私には何も思いつかなかった。
「ティア様!?公爵様が探しております。屋敷まで帰りましょう」
私に有無を言わせず、私を馬車に乗せた。
帰るの?屋敷に?嫌だ私はまだ、平民として過ごしたい!
逃げようとするが騎士達に捕まる。
「いやー!私は!私は!帰りたくないー!」




そんな抵抗も虚しく、屋敷までついた。
ある一室の部屋が開く。そこから、見慣れた赤髪が見える。
「おかえり、ティア。」
私の夫のフィンレー様からそう言われ、抱きしめられる。
しかし、私は夫の腕で抱きしめられている時こう思った。


夫から逃げたい!そして、平民として暮らしたい!

っと。


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