複雑・ファジー小説
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- しあわせサービス
- 日時: 2020/07/11 00:29
- 名前: 影霧 (ID: 62xm4.JP)
彩音side
キーンコーンカーンコーン...そう教室内に響き渡るチャイムの音は今日はとても嬉しく感じた。
「やっと終わったァァ!」
「ふふっ...相変わらず元気いいね彩音。」
「えへへ...だって今日金曜日だよ?それに好きな芸能人がテレビ出るんだよ?そりゃテンション上がるよ!」
「まぁ推しが出たらそうはなるわね(笑)」
今日は金曜日、好きな芸能人がテレビに出る日。
明日休みだし夜更かしもできる。なんて夢のような日...!早速あたしは帰る準備に取り掛かった。
...金曜日以外は憂鬱。別に授業が嫌とか学校が嫌とかじゃない。優花の周りが鬱陶しい奴でいっぱいなのだ。優花は顔も美人でモデル体型で頭もそこそこいい。それを囲む奴らがいる。その囲いが嫌いなのだ。
(なんで違うクラスの奴がくんだよ...。早く帰れよ)
そう心の中で言わずに思いつつ、鞄を持ち教室を出た。
(やっと家に着いたぁ...っと何か来てる...)
家のポストに一つの封筒が入っていた。
(ん...?あたし宛?誰からだろ...書いてないや...)
名前はあたしのしか書いてなくて不気味だったが
少し好奇心が湧き、開けてみることにした。
(やばそーなやつだったら即捨ててやろ...)
ビリッと破り中を見てみると、そこには一通の手紙が入っていた。
松岡彩音様へ
申し遅れました。私しあわせサービスを運営しております椎名と申します。しあわせサービスとはその名の通りしあわせになってもらう為のサービスでございます。このサービスのご利用権利が彩音様へと移りましたのでご連絡をさせていただきました。
サービスご利用の際はこのURLから...
(しあわせサービス...?聞いたことないけど、とりあえず幸せになれるってことかな...なら利用した方が良き?でもなんかなぁ)
胡散臭いサービスだけど次第に好奇心が強くなっていき、あたしは利用することにした。
- 幸せの第一歩 2 ( No.1 )
- 日時: 2020/07/11 00:31
- 名前: 影霧 (ID: 62xm4.JP)
優花side
ふふっ...彩音ったらテンション高いなぁ。
やっぱりあの芸能人が一番好きなんだな(笑)
私もそろそろ...あっ彩音に言わなきゃいけないことあるんだった。
「あや...」
「優花ちゃん!今からカフェ行かなーい?」
「あ、えっ...ちょっ」
(どうしよ...彩音に伝えなきゃいけないのに...)
周りにいた友達に強制的に手を引っ張られ、カフェまで連れてかれた。
周りは賑やかで静まることがない。
また...彩音に伝えようと思ったことを今日も言えなかった。
(彩音...ちょっと怖い顔してたな...)
周りに友達がわっと来た時、彩音は少し怖い顔をして足早に去っていった。彩音は人混みが嫌いなのかな...そう考えながらスマホを眺めていると友達が
「うちねぇ?幸せになるんだぁ」
「幸せ?wどうやって」
「なんかぁ幸せになれるって密かに噂されてるサービスがあるんだけどね?うちそれ申請したの!だからこれから幸せになるのよね」
「へぇ...サービスねぇwなんか胡散臭いけどちょっと面白そーw」
(幸せ...?サービス?そんなのあるんだ...あ...もしかしてこの広告の...?)
眺めていたスマホの画面には、まさに今聞いていた幸せのサービスの広告が隅っこに映っていた。
(幸せ...か...。)
少し頭に残しつつ、今日は解散した
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