複雑・ファジー小説

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寿命屋
日時: 2020/11/23 13:16
名前: skyA/スカイア (ID: 2AFy0iSl)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12886

こんにちは、skyAです。更新している小説が多いですが、頑張ります。

▶注意事項

※本作は死ネタがあります。嫌いな方は回れ右。
※グロ表現がある……かもしれません。あやふやですみません。
※不定期投稿です。
※修正はこまめに行っています。作者自身語彙力が皆無に等しいので、誤字や、間違って使っている言葉があればご指摘お願いいたします。
※コメント等は超大歓迎です。超嬉しいです。


▶あらすじ

 寿命屋。そこは、不思議な少年少女たちが経営する小さな店だ。
 あまり名も知れていない……のだが、たまにふらりと、寿命を売買することを望む客がやって来る。

 「寿命をやるから、お金を頂戴。……あっ、それとも、寿命を売りたいのかい?」


▶主な登場人物

桜庭さくらば あきら
 通称アキ。十七歳、男子。金髪に染めているからか、ヤンキーだと思われやすい。好奇心旺盛で活発。『ひとの寿命をみる能力』を持つ。

桜庭さくらば 名星めい
 通称メイ。十五歳、女子。能力をうまく操作できないため、不登校。ぼうっとしていることが多いが、ノリが良く、人といるのが大好き。『寿命を渡す能力』を持つ。

桜庭さくらば 玲音みこと
 通称ミコ。十歳、女子。静かでおっとりしている。お人形が大好き。『寿命を保管する能力』を持つ。

桜庭さくらば りょう
 通称リョー。十八歳、男子。天然で周りを明るくし、人懐っこい笑顔をみせる。『寿命を受け取る能力』を持つ。

桜庭さくらば せい
 通称セイ。七歳、男子。最年少にして『寿命屋』のリーダー。人よりもたくさんの記憶を持っているせいか、大人びている。普段は何事も冷たい目で見ているが、知らないことには興味を示す。予想外のことが起きると慌てる。『寿命が経験したこと、これから経験するはずだった記憶をみる能力』を持つ。

▶目次

♯1>>1 ♯2>>2
♯3>>3 ♯4>>4
♯5>> ♯6>>

一気に読みたい方用>>1-4

 よろしくです。

Page:1



Re: 寿命屋 ( No.1 )
日時: 2020/11/19 14:56
名前: skyA/スカイア (ID: 2AFy0iSl)

♯1


「おっはよー、みんな!」


 アキことアキラの騒がしい声が響く。アキはリビングに行き、みんなが来るのを待った。


「アキ、おはよう」


 晶に返事をしたのは、自室から出てきた名星メイだった。クセのある茶髪を適当に一つに束ねているため、髪はボサボサである。
 美人なのにもったいない。そう思った晶だが、口に出すのはハードルが高い。リョーだったらためらいもなく言えるのにな、と思う。


「じゃ、もう店開けちゃうな」


 外に出て、ドアに引っ掛かっているプレートを『営業中』にする。

 ここは、寿命屋。

 不思議な能力を持って生まれてきたきょうだい達が、客の願いを叶えていくお話。




 しばらくして、玲音ミコトリョーが起きてくる。


「ねえ、セイはまだ?」


 セイというのは、末っ子でありながらもこの『寿命屋』のリーダーである、桜庭さくらば セイのことである。


「あ、じゃあ、わたしが起こしにいきますね」


 ミコこと玲音ミコトが名乗り出る。きょうだいみんなは知っているが、ミコはセイのことが大好きなのだ。

 タタタッと二階に上がったかと思えば、セイの自室から「ぐはぁああっ!」という声が。


「セーイくーんっ! あーさでーすよー?」


 四人は「またメイがセイの上に飛び乗ったのか」と思っていたが、いつものことなのであまり気にしない。

 だが、このやりとりを唯一楽しみにしているリョーは、セイの自室に向かう。


「セイくん、かわいい、すき! かわいいーっ! 愛してるっ」

「うぐ………………」


 ミコはセイに抱きついていて、頬ずりをしていた。セイは絶対に嫌がっているが、何年もやられているせいか、無表情でやり過ごしている。

 普通の人だったらひいてしまうようなやり取りを、リョーはニコニコしながら見る。


「セイ、はよー」

「助けてくれないのは知ってる……」


 セイがなんとも言えないような表情をし、かすれた声を発する。それから、


「……ミコ、お願い……、着替えるから、あっち行ってくれ…………」

「じゃあミコと着替えましょう?」


 セイは無表情を崩そうとしない。


「リョー、部屋借りたい」

「だめだよ。ミコちゃんと着替えて!」

「…………」


 隙を見たセイは、するっとミコの腕から逃げ出す。


「やー! セイくん、だめですぅううーっ!」


 そのままアキの部屋に逃げ、鍵を閉めてしまった。

 アキはセイのことを気の毒だと思い、部屋に着替えやらスマホやらを置かせてあげているのだ。ちなみにリョーの部屋にもセイの着替えがある。

 少し時間がたつと、「出ていい?」との声。二階に上がってきたアキがミコを取り押さえると、セイが出てくる。


「ありがと、アキ。おはよう」


 そう言ってセイは一階に降りた。

Re: 寿命屋 ( No.2 )
日時: 2020/11/19 16:16
名前: skyA/スカイア (ID: 2AFy0iSl)

♯2


「いらっしゃいませー」


 カランコロン。来客を知らせるベルが鳴る。それに反応したアキが、ドアの方を見た。
 そこにいたのは、中年のおじさんだった。派手な服を身に纏っていて、メガネをしていた。髪も薄く、ハゲだ! と思いながら


「……わたしは、宮原みやはら和俊かずとしという者だ。ここのお店では、寿命を売買していると聞いたから来てやった!」


 うわぁ偉そう、嫌いとアキは思ったが、口には出さない。


「うわ……なんで命を扱っているというのに、ヤンキーなんかがいるんだ。なんて店なんだ!」


 なんで命を扱う場にこんなゴージャスおじさんがいるのか。それはアキをさらにムカムカさせる。


「で、なにかご用ですか?」

「店長を読んでこい! 説教したるわ!」


 セイを呼ぶということを少し躊躇ったが、このうるさいおじさんの声はきっと二階まで聞こえているだろう。


「てーんちょー」

「…………」


 しばらくすると、たったったっと階段を下りている音がした。


「…………なに」


 制服__といってもYシャツだが__の上に薄茶のセーターを着た、小さな店長。
 おじさんはセイを見、固まる。そして。


「お、おい! 冗談を言うんじゃない! こんなガキが__店長なわけあるかッ!」


 それが店長なんだなーと思った。さっきからアキはムカムカしっぱなしである。


「本当、ヤンキーに店長はガキって、なんて店なんだ!」


 ぴく、とセイが反応する。


「なに、寿命を売りにきたの? 買いに来たの?」

「買いに来たに決まってんだろ?」

「なるほど。では、お金をください。店員を呼んで来ます」

「おお、話が早いな」


 セイがミコとメイを呼びに階段を駆け上がる。
 すぐに二人はやってきた。
 メイは「仕事だわ!」とはりきっていた。
 ミコは両手で小さな小さな箱を大事そうに抱えている。


「なんだ、その箱の中に寿命が入っているのか?」

「企業秘密だから。じゃ、メイ、ミコ。指示通り頼む」

「おけおけ!」

「りょーかい」

Re: 寿命屋 ( No.3 )
日時: 2020/11/21 18:55
名前: skyA/スカイア ◆imp17udYzg (ID: 2AFy0iSl)

♯3



「……ちなみに、アキ。あとこのジジイの寿命はどれぐらいだ?」


 大金をもらって上機嫌のセイは、アキに耳打ちをする。ジジイと呼ばれてしまっていることにクスクスと笑ったアキは、


「……あと、十五年ぐらいかな。お酒とかタバコとかやってんじゃねぇの?」


 と答えた。
 同じようにメイとミコに耳打ちをし、こくりと頷き合った。


「ミコ、ちょうだい」

「…………はい」


 そう言い、ミコはパカッと箱を開ける。
 ぱわああ、と淡い光が溢れる。
 その光__寿命いのちを、ミコは大切そうにすくいとる。
 それをメイに向けると、ふっと飛んでいった。するり、とメイの体に入る。

 次に、メイはおじさんの胸のあたりに触れた。


「……不快でしたらすみません」


 正直早く終われと強く願うメイ。
 そして、おじさんにひかるものを流し込む。


「おおお、なんだこれは! すごい、気持ちがいい……! 力がみなぎっていく!」


 おじさんは淡く光っている。これは、寿命が渡された証拠だ。
 しばらく飛び跳ねるように喜んでいたおじさんだが、淡い光が完全に消えると、フンと鼻息を立て偉そうに、


「感謝するぞ貴様ら。じゃ、また来るからな」


 と言った。


「ちょっと待って」


 声を出したのは、セイだ。


「寿命をわたしたので、受け取ることはできませんからね」


 はっきりと、そう告げる。


「わかっておる! じゃあな貴様ら! また寿命をもらいに来るからな!」


 叫んで、おじさんは店から出る。
 出たのを確認した瞬間、ふふふ、とセイがお腹を押さえて笑う。
 一体どうしたのか、一同ぽかんとセイを見る。
 アキが問う。


「どうしたんだセイ、そんなに笑って」

「ふふ、あはは……い、いや、これからが楽しみだな、と思って、ふふふ」

「……?」

「これから俺が仕掛ける。見てろよジジイ。泣き叫んでここに来るハメになるぞ……あはははは!」

Re: 寿命屋 ( No.4 )
日時: 2020/11/23 13:14
名前: skyA/スカイア ◆imp17udYzg (ID: 2AFy0iSl)

♯4



数週間後。


『えー、これから、あの大企業の「宮原みやはら株式会社」の騒動について説明いたします。
これまで様々な商品を販売してきた宮原会社。ですが、宮原みやはら和俊かずとし元社長の浮気や賄賂が発覚、さらには少年時代のころの万引きやハッキング、金を騙し取ったりしたことが世間に漏れ出ました。
会社は倒産してしまい、社長は逮捕され、……』

「ちょ、せ、セイ! これ一体どういう……!?」


 朝。パンを貪っていたアキは、ヨーグルトをちびちび食べるセイに問う。

 リョーや、メイ、ミコ、も気になっているようで、じっとセイを見る。

 ごくんとヨーグルトをのみ込んだセイは、


「……簡単な話だ。あのジジイの行った罪がみえただけ。だから、SNSでひったすら被害者装って呟いてたらさ、意外といたみたいで、被害者。
そっからどんどん炎上してってさ。誰かが有無をいわさないような証拠出してきて。
まあ、罪が罪だから懲役期間も短いと思うけど、顔晒してるからなー。さぞ生きにくくなるだろうな。あははっ……バカみたい」


 と言う。


「あ。もしあのジジイがこの店に来たら、おっぱらっといてね」


 ……全員が「セイには逆らってはいけない」と思った日だった。



     ◇ ◇ ◇



 ここは、寿命屋。


 家族全員が持つ不思議な能力で寿命の売買を行うところだ。


 長男、桜庭さくらばリョー。『寿命を受け取る能力』。


 次男、桜庭さくらばアキラ。『ひとの寿命をみる能力』。


 長女、桜庭さくらば名星メイ。『寿命を渡す能力』。


 次女、桜庭さくらば玲音ミコト。『寿命を保管する能力』。


 三男、桜庭さくらばセイ。『寿命が経験したこと、これから経験するはずだった記憶をみる能力』。


 個々の能力を駆使し、営業している店だ。



 __寿命を買いにきたのかい? それとも、寿命を売りにきたのかい?

 さあ__


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