複雑・ファジー小説
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- アニマルラミナーズ
- 日時: 2021/01/28 16:01
- 名前: 模型ムクチル (ID: hDVRZYXV)
コメディ・ライトから移行してきました。
それに伴い、物語のスタートを変更します。
四月になったら本格的に書き始めたいと思います。よろしくお願いします。
投稿頻度は遅いです。また一話一話が長いです。
それでもいいよーってかたは、まあのんびり気ままに見てくれると嬉しいです。
- プロローグ 『アニマルラミナーズ』 ( No.1 )
- 日時: 2021/01/28 17:32
- 名前: 模型ムクチル (ID: hDVRZYXV)
ここは人間と動物が混在する世界。
動物と言っても二足歩行で喋ることも可能、おまけに知性つき。すなわち『人』である。
そんな世界に更に不思議なことが一つ、それは『魔法』。人によって使える魔法は多種多様。もちろん使えない人もいる。
そんな個性豊かな人々が暮らす世界。そこに一人の男がいる。オスと言ったほうがしっくりくるであろうか。そんなことより話を続けよう。
その男は動物の血を引いている。正確にはペガサスとユニコーンのハーフ、アルコーン。男といってもまだまだ子供だ。人間でいう十四歳ほどである。
小さなツノと少し大きな羽を持ち、青く透き通った髪をして琥珀色の瞳をぱっちりとさせている。
名をペガ・ユニコ。これはペガが『夢』に向かって進み、仲間とともに成長していく物語。
この物語に題名をつけるとしたらただ一つ。
もう皆さんご承知。
『アニマルラミナーズ』
- キャラ紹介 ( No.2 )
- 日時: 2021/01/28 17:37
- 名前: 模型ムクチル (ID: hDVRZYXV)
ペガ・ユニコ ・・・本作の主人公
ピーコ ・・・?
フェニ―・? ・・・?
ケトロス・? ・・・?
- 用語解説 ( No.3 )
- 日時: 2021/01/28 17:40
- 名前: 模型ムクチル (ID: hDVRZYXV)
魔法・・・超自然的な力
- 1章 1話 『昔の話の序』 ( No.4 )
- 日時: 2021/02/03 15:26
- 名前: 模型ムクチル (ID: hDVRZYXV)
それは陽の光が世界を覆うほどの晴天であった。
これからの悪夢を全く感じさせない平穏な日であった。
人々はこの日も元気に学び、働き、遊び……そして愛を分かち合っていた。
そんな素敵な人生をこれからも続けていきたかっただろう。
だが、ことはいつだって突然に始まる。
世界から動物が消えた。
一瞬のうちだった。森の小動物も海の魚も虫も……なにもかもが姿を消した。
そして……『異端』が現れた。
彼らは人間にとてもよく似ていた。だが大きく異なっていた。
彼らは尻に尾をつけていた。彼らは頭部に毛の生えた耳を持っていた。
中には、背中に羽根を垂らす者、鋭い牙を持つ者もいた。
人間は困惑した。今までに確立してきた食物網がその瞬間に人間だけとなったのだ。
さらには周りに今まで見たことのないような『異端』がいるとなる。
全人類はその混乱の中で、二種類の判断を頭によぎらせた。
戦うか、逃げるか。
おそらくこの『異端』が世界から動物を消したのだ。そんな奴らに冷静に話しかけたなら最後、待つのは死のみ。
そう思っていた。だが、『異端』は放心状態のようだった。
『異端』も信じられない光景を見たようだった。瞬きもせずに周りを眺める。
そして声を出し始めた。意味の分からない言葉を発した。雄叫びを上げる者もいた。
世界のほぼ全ての人間はそれを見た途端、判断を一つに絞った。
戦いだ。この『異端』を倒せ。どんなに人間のように見えても、確実に自分たちの仲間とはなり得ない。皆で力を合わせて直ちに排除しなければならない。
こうなった時の人間ほど恐ろしいものはない。人間は武器を持った。そして『異端』を殺し始めた。
『異端』は唸った。そして抵抗を始めた。武器の持たない『異端』は素手で殴るしかなかった。それでも人間は武器を持ち、『異端』の生命を削っていった。
突然に現れた『異端』もすぐに消えてしまうように思えた。しかしそんなことはなかった。
数が多いのだ。殺せど殺せど殺しきれない。人間は疲弊していった。
世界が疲弊に満ちていく。その時だった。世界が叫び声に包まれた。
- 1章 2話 『昔の話の破』 ( No.5 )
- 日時: 2021/02/03 15:53
- 名前: 模型ムクチル (ID: hDVRZYXV)
全ての『異端』がただただ大声で叫んだ。苦しそうにもがいた。
だがそれは『異端』だけではなかった。人間も同じだった。
とてつもない苦痛のようで痛くない。視界を失ったようで、全てが見える。
鈍く重いようで、薄く軽い。そんな何かを体の中に流し込まれる感覚だった。
血とは違う。酸素でもない。この世界に存在するはずのない何か。
叫び声が消えた。すると今度は静寂が続いた。
無の時間がしばらく流れる。
人間も『異端』もお互いを見合う。
そして、お互いに存在を確認し合うと。
叫ぶ。空に向かって、腹の底から、喉が張り裂けそうなほど。
ただただ叫ぶ。人間にもはや人間としての原形がまるでない。まるで獣のよう。
そして、叫んだまま。
また殺し合いを始めた。
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