複雑・ファジー小説

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独身アラサー女がセフレに恋して何が悪い
日時: 2021/02/01 02:03
名前: M (ID: EsPIP2Jr)

「え?もう帰るの?」
「そのつもり。今日はこのあと残った仕事片さないといけないからさ」
「もう少し恵美ちゃんの体、見とけると思ったんだけどな」
「アラサー女の体見て何がいいのか分かんないけど?それに、剛も仕事あるでしょ」
「今日は恵美さんとのデートだから有給使った」
「ご飯も食べずにホテルに直行するのがデートなんだ?」

「だってそういう関係だし。俺ら」

荒れたベッドに寝そべりながらそう言う彼は檜山剛、私の幼馴染でもあり、元カレでもあり。そして今は、
私のセフレでもある。
こんな関係になってしまったのは2年前、高校の同窓会で会ったことがきっかけだった。同窓会で出会い、
セフレになるなんて大抵なことじゃ起こらない。今までに会ったことがすべて関わってきているのだと
私は確信している。


1.高校時代

中学ではあまり喋ることのない私達だったが、高校に入るとそれは変わった。
勉強が人よりできるという訳でもなく、運動神経が良いということもなく、友達も多くない。
陰気でクラスではけして目立つことのない私は、ひっそりと美術部に入った。そこにはうるさい人達がいない、
私と同じような人しかいなくて居心地が良かった。
対して剛は私とは真逆な人だった。
成績優秀、スポーツ万能でサッカー部の10番を背負っていた。顔立ちも整っていて、身長も高い。
こんなハイスペックな男がいたら、モテない訳もなく。何回告白されたのかは知らない、というか知りたくない。
知ったところで自分の低スペックさに虚しくなるだけだろう。
高校2年生、花のJKからかけ離れた私は毎日絵彼はに没頭していた。
そんな日に彼はきた、この美術部に。
「失礼します…入ってもいいかんじですかねこれ」
「どうぞ」
『え?あれって檜山剛さん?』
『ほんとだ、実在したんだ…』


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