複雑・ファジー小説
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- 光の姫巫女
- 日時: 2021/04/25 17:15
- 名前: 古川優亜 (ID: CxgKVnkv)
‟目を覚ましたら″
真っ暗な夜の闇。
何人ものいかつい大男たちが一人の少女を追いかかている。
力の許す限り少女は走るが男たちに捕まった。
髪の毛を掴まれ少女は終わりを悟る。
ゆっくりと深く目を閉じると少女の中で強く恐怖を覚えた。
その時だった。
目を閉じていても分かるほど辺りが明るくなる。
それは太陽が地面を照らすように眩しく暑かった。
パチパチと音も聞こえ少女は驚いて目を開く。 ・・・・・・・
先ほどまで周りにはたくさんの男たちがいたのに目の前にいるのは燃える火の人形だった。
呻き声をあげながら少女に近づいてくる。
(怖い・・・怖い怖い怖い!!)
少女は怯えてまた強く目を瞑り意識を手放した。
少女の周りの火はよりいっそう強くなり少女を守るように地面から炎の柱となって日の人形を焼き払っていた。
「た、すけ・・・て」
炎からかすかにそんな声が聞こえた。
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少女はベットで寝ていた。
うなされているようで服は汗でぐっしょりとしており呼吸も荒い。
少女が目を覚ますと勢いよく跳ね起きる。
小さな手が震えており少女の顔は青白く血の気がなかった。
「お、おい。大丈夫か?」
男の声がして明らかに少女の震えは大きくなる。
少女は顔を下に向けると男は優しく少女の頭をなで始める。
優しく撫でるその手は温かく安心感をもたらすものだった。
少女は戸惑いながらも前髪の間から男の顔を見る。
男はそれを気づいてるのか気づいてないのかは分からないが少女に優しく笑いかけていた。
「起きたようですね。温かいスープをどうぞ。」
髪の長い男が湯気の立つスープを持って少女に近づいた。
少女の髪と違ってサラサラとしていた。
温かいスープを少女に少しづつ飲ませている。
少女はどこか力なくボーっとした目で口に持ってこられたスープを飲んでいる。
スープを黙って飲ませた後髪の長い男は言った。
「凄い汗の量ですね。髪の毛も所々痛んでいます。傷がしみるかもしれませんがこのままでは病気になってしまうかもしれません。温かいお湯で体を綺麗にしましょうか。」
男はそう言うとボロボロの少女を軽々と持ち上げた。
少女は力なくぐったりとしておりされるがままだった。
数分後。
少女は男から渡された白いシャツを着ていた。
髪の長い男は少女をベットに寝かせると少女に言い聞かせるように言った。
「私の名前はルイスです。もう一人はジーク。大丈夫です。もう怖くありませんからね。今日はぐっすりと寝てください。では、また明日お会いしましょう。」
ルイスと名乗った男はそう言うと安心させるために少女の額に口づけをした。
優しく少女の前髪をかき分けていた。
少女はゆっくりと眠りの中へと入って行った。