複雑・ファジー小説
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- ようこそいらっしゃいませ。【短編集】
- 日時: 2021/06/11 14:11
- 名前: 傘 (ID: ix4.VKBw)
この時、私のドッペルゲンガーが笑っていたことを私『ただいまー』
家のドアを勢いよく開けたこの物語の主人公、(名前)。
どうやら友達の家に遊びに行っていたようだ。
(名前)が靴を脱ぎ顔を上げると、鬼のような顔をした母が立っていた。
『うわっ!びっくりした!…なんだ、母さんか』
母「なんだ、じゃないでしょうが!(名前)、塾の宿題はやったの?」
『うるさいな、そのうちやるよ』
母「そう言ったってあんた、先週だってギリギリだったでしょう、だからあんたは………」
ガミガミと説教する母を横目に(名前)は自分の部屋へ入った。
『あーあ、もう1人の私がいれば何にもしなくていいのに』
ベッドにつぶやきながらつぶやく。
私が頭よくない事だって知ってるのに親は勉強がなんやら、受験がどうたら、言って自分を叱ってくる。だったら、もう1人の自分がいたらいい。なんてくだらない事を考える。
『ははっ、バカだな私』
もう1人の自分なんているわけないじゃないか、
『はぁ…最近、私おかしい』
前はそんな事考えた事もなかったのに、大きなため息が出る。
そういい(名前)が机にあるゲーム機を取ろうとしたその時、正面にあった姿見の自分が動いた気がした。
『えっ!?』
もう一度、姿見を見てもうつっているのはやつれた顔の自分。
『なんだ…』
やはり最近疲れてる。もう一度ゲーム機に手を伸ばそうとした瞬間……
「こんにちは、私はあなたのドッペルゲンガーです。」
と、背後から声がした。
『!?』
ビックリして声のした方へ顔を向けると、全く同じ容姿の‘もう一人の自分‘がいた。
『あんた、誰?』
そう、(名前)が聞く、
「私は、(名前)さんのドッペルゲンガー、いわば分身です。もう一人の自分が欲しいと今さっき願っていたので」
『は?』
何をバカな事を言っている。分身?そんなもの現実にあるわけないじゃないか
「あ、今何バカな事言っている。と思ったでしょう?」
いたずらっ子のような笑みを浮かべてもう1人の自分否、ドッペルゲンガーが言う。
『な、なんでわかったの!?!?』
「そりゃ、もう1人の自分ですから」
こいつは使える。
そう思った。
『だったら変わりに塾の宿題して』
「わかりました。」
これで私が勉強しなくてすむし、母さんの手伝いもしなくてすむ。
「『ふふっ』」
この時もう一人の自分も奇妙に笑ったのを私は知る由も無かった。
