複雑・ファジー小説

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百鬼夜行の世界の果てに
日時: 2021/09/13 11:59
名前: 雪見餅 ◆Jhc7o2e8z6 (ID: 0LEStScZ)


『ようこそ、百鬼夜行の世界へ』


○残酷描写
○登場人物多い
○謎設定や謎言語多い
以上に気を付けて見て頂ければと思います。

《人物》
西園寺さいおんじ はる
 名門西園寺家の三男。
 西園寺家では年齢が下という事もあり、将来の方針が決まっていない。

西園寺さいおんじ 紫乃しの
 名門西園寺家の四女。
 西園寺家では末っ子で良く可愛がられる。

百鬼ひゃっき
 百鬼夜行の世界を管理する者。
 伝説級の鬼であり、普通の鬼とは明らかに違う特性を持つ。

《ストーリー》
第1章「百鬼夜行」
   1話 西園寺家>>1
   2話 月満ちる刻>>2
   3話

Re: 百鬼夜行の世界の果てに ( No.1 )
日時: 2021/09/13 10:55
名前: 雪見餅 (ID: 0LEStScZ)

  1話 西園寺家

西園寺家は、名門の家系だ。
この百鬼夜行の世界において、知らない者は居ないだろう。
子供達は幼い頃から英才教育を受け、当主によって決められた将来に従う。
トップレベルの頭脳や人望、政治への影響力や武芸、様々な事に関してトップの家なのだ。

俺は西園寺家三男、西園寺さいおんじ はる
西園寺家では下の方の年齢である。

「春、明日のパーティー大丈夫?」

西園寺家の屋敷の廊下で話し掛けて来た女性は、長女の翡翠ひすい
明日は西園寺家主催のパーティー兼三男、四女のお披露目会がある。
パーティーに参加するのは初めてで、かなり姉様達が心配してくれている様だ。

「はい、参加者に対する挨拶も、対応の仕方もきちんと学びましたので、問題無いと思われます。」

「そう、じゃあ明日楽しみにしておくわね。」

パーティーに向けて、きちんと作法を一から百まで習ったのだ。
西園寺家に泥を塗る様な真似はしたくないから、ちゃんと何回も見直した。
これで他人から馬鹿にされる様ならば、兄様や姉様達にも迷惑を掛ける事になる。
それだけは回避したいので、必死だった。

「翡翠姉様にそう言って頂けると、より一層頑張らなくてはなりませんね。それでは、おやすみなさい。」

翌日になり、西園寺家主催のパーティーが行われた。
兄様や姉様達もパーティーの正装をしている。
四女の紫乃は俺になついているから、面倒を見る事が多い。
ちなみに産まれた順番は、長男、長女、次女、次男、三女、三男、四女の順番だ。

「春兄様、人が沢山居ます……。」

「これからその人達を相手にするんだから、覚悟しとけよ。」

紫乃にそう言うと「分かってるよ!」と元気な返事が返って来た。
お父様がマイクを手に取り、西園寺家の紹介を始めた。

「本日は、我が西園寺家主催のパーティーにお集まり頂き、大変有り難う御座います。さて、子供達の紹介をしたいと思います。」

お父様はカリスマ性が高く、人を無意識に惹き付ける魅力がある。

「長男、西園寺 れん。長女、西園寺 翡翠。次女、西園寺 かなで。次男、西園寺 ゆう。三女、西園寺 はるか。三男、西園寺 春。四女、西園寺 紫乃。以上六名。」

名前が呼ばれると、一歩前に出て分かりやすくする。
そして終わったら全員で一礼をして椅子に腰掛ける。
お父様による司会が終わると、挨拶に入る。
自分の名前を紹介したり、趣味や好みを聞いて来たりしているが、それは西園寺家と繋がりを持ちたい家系だと皆気付いている。
軽く挨拶をして対応を終わらせると、紫乃と一緒にお父様が用意してくれた高台にあるテラスでパーティーの様子を見ていた。

「春兄様、兄様達と姉様達とても人気ですね。ダンスの申し出が大量に届いてます……。」

「いつかは俺達もあんな感じに沢山踊らないといけないからな。紫乃、大丈夫か?」

「問題無いです!必死に練習すれば出来ますね。」

テラスに用意してあったクッキーを食べながら、そう言った。
お父様はずっと周囲の人の話に対応している。
多分、物凄く疲れるだろうな、と思いながらそれを顔に出さないお父様を普通に尊敬した。

そうして何事も無く、西園寺家主催のパーティーは終わった。
今は西園寺家の人間がパーティーの片付けを行っている。

Re: 百鬼夜行の世界の果てに ( No.2 )
日時: 2021/09/13 12:53
名前: 雪見餅 ◆Jhc7o2e8z6 (ID: 0LEStScZ)

  2話 月満ちる刻

「春兄様、今日のパーティー楽しかったですね。それに、月も綺麗です。」

「うん、今夜は満月だからね。後、絶対に俺から離れるなよ。」

「はい、月満ちる刻に鬼は力を増すとされていますからね。」

鬼は、人間を襲い喰う存在とされている。
満月の夜は特に力が増す為、満月に出歩くのは無謀と呼ばれている。
まぁ、今屋敷に帰っているから出歩いているんだけれども。

「こんばんは、西園寺家の御二人様。」

何処からか、自分達を呼ぶ声がした。
鬼かもしれないと思い、紫乃を守る素振りを見せる。

「私は、貴方達を襲うつもりでは御座いません。失礼、私は百鬼ひゃっき。この百鬼夜行の世界を管理する者にあります。」

百鬼夜行の世界を管理する者。
普通の鬼とは違い、人を襲わないし喰わない伝説級の鬼だ。
百鬼には、逆らわない方が良いと聞いた事がある。

「世界を管理する者が、俺達西園寺家に何か用でしょうか。」

「そうですねぇ。貴方達、既に大量の鬼に囲まれているのです。それを忠告しに参りました。」

「春兄様。鬼に囲まれているのは、もう既に絶体絶命としか言い様が無いのですが。」

「百鬼……。貴方が伝説級の鬼なら、この鬼達を全滅する事も出来るでしょう?どうか、紫乃の事をお守り下さい。俺はどうなろうと構いません。」

百鬼に対し、頭を下げる。
紫乃を守らなくては、という強い意思で百鬼に願い出てみる。
それに対し、百鬼がニコリと微笑んでいた。

「貴方、私に逆らわないだけの人間じゃない。利害関係を結ぼうだなんて、何年ぶりかしら。良いですわ、この百鬼と契約をしましょう。」

百鬼がくるりと指を回すと、光が降り注いだ。
お父様も、遠い昔に百鬼と契約を成したと聞いた事がある。
それが今、俺の身に起こっているのか。
すると百鬼のピンク色の瞳が、赤色に変わり、言葉を告げた。

「止まれ」

単純な言葉だったが、とても不思議な感覚で何処からか見られている様なそんな感覚が呼び起こされた。
そして、徐々に眠くなっていった。

「やりすぎ……でしたね。西園寺家まで、私が運ぶとしましょう。」

二人を連れて、百鬼が西園寺家まで行き、西園寺家全員が百鬼との契約に驚き、そして安堵の表情を浮かべた。
西園寺家は百鬼との契約を成した事がある唯一の家系なのだから。


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