複雑・ファジー小説
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- ねぇ恋って何? ~恋何~
- 日時: 2021/12/10 18:25
- 名前: テッチャン (ID: EMf5cCo0)
【第1話】×ねぇいじめって何?×
「やめてっ!筆箱返して!」
平野瑠偉茄が遠慮気味な声の音量で言った。
生まれつき知的障害の瑠偉茄はクラスメートの花部神奈に毎日、いじめられていた。
ただ彼女はまだいじめとはどういうものなのかがわからなかった。
しかし瑠偉茄は寡黙症でもあるためいじめが何かわかっていてもすぐに助けを求められなかっただろう。
「なんか言った?聞こえないんだけどww」
瑠偉茄の筆箱を奪い取った神奈は、瑠偉茄の筆箱を奪い取り悪そうな笑みを見せながら手に持っていた瑠偉茄の筆箱を黒板の前のゴミ箱に捨てた。
それをみていた瑠偉茄の幼馴染みの水嶋優乃が神奈に怒鳴り付けた。「ねぇそれ瑠偉茄の!何してるの!最低!瑠偉茄にちゃんと謝って!」
教室には、瑠偉茄と優乃と神奈しかいなかったため優乃は周りを気にせず廊下に届くような大声で怒鳴った。
「謝らなくてもいいと思うよ。どうせ先生にも誰にも言わないし喋らないから。あ、優乃も先生に言わないでね」と言いながら神奈は優乃の隣に来て耳元で“言ったらお前の悪い噂、学校中に流すから”と言って去っていった。
瑠偉茄は今にも泣きそうな顔をして優乃のことをみていた。
- Re: 恋ってなんですか?~知的障害の恋~ ( No.1 )
- 日時: 2021/12/07 16:29
- 名前: テッチャン (ID: EMf5cCo0)
優乃は怒りと悲しみの感情が入れ混じり何にも言えなかった。
瑠偉茄は知っていたのだ。優乃は本当の本当は弱いのだでも瑠偉茄のためにいつも大丈夫そうな顔をしている。
優乃も瑠偉茄もこの事を先生には言えなかった。
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〈おはようございまーす!〉
いつも通り朝が始まった。瑠偉茄と優乃はいつも一緒だった。いつも一緒だから瑠偉茄は優乃と話せるのだろう。瑠偉茄が普通に話せる人が数少ないので優乃はいつも遊んであげたりしている。
「先生ぃおはようございまぁすぅ!」と優乃が大きな声で片手をあげて門の前に立っている女の先生に向かって言った。「おはようございます。今日も元気だね」と先生は優乃に優しく話す。…と瑠偉茄は先生の服をチョンチョンとつついて先生に“おはようございます”と書いたノートを見せた。
「おはよう瑠偉茄ちゃん」
瑠偉茄はニコリと笑った。瑠偉茄は話せない人と話したい時はノートに書くのが普通だった。
- Re: 恋ってなんですか?~知的障害の恋~ ( No.2 )
- 日時: 2021/12/07 16:47
- 名前: テッチャン (ID: EMf5cCo0)
教室に着くと瑠偉茄はイソイソと教科書などを机の下に入れていた。すると隣の席の男子が「どうしたのですか?ww忙しいんですかぁ?w」と笑いながら瑠偉茄に話しかける。
瑠偉茄はこれはおちょくりなのかわからなかったが嫌な気持ちしかしなかった。でもこれもいつもの事で、、、そもそも瑠偉茄は男子が苦手だった。
瑠偉茄が男子に話しかけられ固まっているうちにあの神奈がやってきた。「おはよおー優乃~瑠偉茄~」
廊下から元気良く入ってきた神奈は2人の名前を呼んだ。優乃は正直、関わりたくなかったが何かされそうだったので「…おはよう」と苦笑いをしながら言い瑠偉茄は話せない男子達がいたのでコクりと頷いた。
- Re: 恋ってなんですか?~知的障害の恋~ ( No.3 )
- 日時: 2021/12/09 17:11
- 名前: テッチャン (ID: EMf5cCo0)
今日はクラスに転校生が来るらしい。
そんな情報を、知った瑠偉茄はウキウキワクワク少し緊張してじっと席に座って待っていた。
-ガラガラガラ-
先生と転校生がやってきた。転校生はとても可愛いくて眼鏡をかけていてスカートを揺らすようにモジモジしていて少し緊張気味な様子だった。彼女の名前は櫻井琴といった。
優乃は琴と仲良くなり瑠偉茄は琴のことも慣れていった。
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琴が学校にやってきて2ヵ月後…
神奈がまた人をいじめたとの情報が流れてきた。
神奈にいじめられている人はたくさんいる、なのに何故か先生に誰もいじめのことを言わない。多分それは神奈の作戦の1つだろうと優乃は密かに思っていた。
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ある日、琴が優乃の家に行き優乃に相談してきた。
「あのさ…瑠偉茄最近様子が変なの」琴は目線を下にして元気がなさそうに話した。
「瑠偉茄の?…う~んそういえば最近、隣のクラスの山谷玲音といるのみたなぁ」優乃は何故か心配そうな顔を浮かべながら言った。
玲音は神奈と仲良しで玲音もいじめっ子だった。
その事を知っている優乃は瑠偉茄のことがあまりにも心配になり琴が帰った後に電話してみた。
ただ電話は繋がらなかった。
- Re: ねぇ恋って何? ~恋何~ ( No.4 )
- 日時: 2021/12/07 17:23
- 名前: テッチャン (ID: EMf5cCo0)
次の日になると優乃は、少し怒り気味で瑠偉茄に聞いてみた。「最近玲音と何してるの?」瑠偉茄も玲音はいじめっ子だということを知っていた。
でも瑠偉茄はいまいちわからなかった。
「ねぇいじめって何?…悪い事はわかってるけどどんなのなの?イタズラはいじめなの?」瑠偉茄は難しそうな顔で真剣に優乃に聞いた。
あまりにも真剣だったので
「イタズラといじめは少し違うの。いじめはね、神奈に筆箱取られてゴミ箱に捨てられたり泥水をぶっかけられたりされるのがいじめなんだよ」優乃は瑠偉茄の目を見ながら教えた。
いじめがなんなのかわかった瑠偉茄は泣き出した。
自分が泣かしてしまったと初めは焦った優乃だが良いことを思い付いたのか焦りはおさまった。
先生が瑠偉茄が泣いていると気が付き駆け寄る。
先生はどうしたのか話した。
すると…
「先生実は…私達いじめられててその話しをしていたら瑠偉茄が泣いちゃって」優乃は瑠偉茄の背中を大きく撫でた。先生はとにかく話を聞こうとして2人を会議室に連れ込んだ。
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