複雑・ファジー小説
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- 美貌にストーカーはつきもの
- 日時: 2022/06/08 23:14
- 名前: かまめしきり (ID: p/lGLuZQ)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13266
完成させる気はあるがいつ出るかはわからない
でも見てくだしい
ちゃんとしたラブコメかなぁーーどうかなーーー知らん!!!
もしかしたら性暴力もはいっちまうかもしれん。
GL?BL?そんなものは書かないよ。もしそういうふうに見えたのならそれは気のせいだ。
心は男ーーーー!!!!
もう一つの物語「乙女じゃなくて乙男(おとこ)です。」も読んでいただけると嬉しいです。
かなりの性転換要素が含まれます。苦手な方がいましたら、すぐに拳を画面に打ち付けてください。ただし責任は取りません。
誤字報告などする所も作りました。
プロフィールからとんで、そこから誤字報告のとこにとんでいただけると出来ます。
祝100閲覧 嬉しすぎる!
祝150閲覧 50回ごとにやるのかって?そうだよ。(便乗)
もぉくぅじぃ
一話 >>1
二話 >>2
三話 >>3
四話 >>4
五話 >>5
- Re: 美貌にストーカーはつきもの ( No.1 )
- 日時: 2022/06/08 22:56
- 名前: かまめしきり (ID: p/lGLuZQ)
一話 願いに代償はつきもの
誰かが言った。皆は何を信じ、何を裏切り、何を愛すのか。この全てに当てはまるのは金だと。
誰かが言った。迷うのなら両方選べば良いと。
誰かが言った。正義は必ず勝つと。
誰かが言った。上記の全ては妄言であり、くだらない嘘だと。
誰かが言った。こんなどうしようもない物語もあって良いのだと。
◆ ◆
俺はどこにでもいる普通の高校生。異変が起きたのは突然だった。
いままでの人生は普通に遊び普通に勉強をして普通に家庭崩壊して実家を出て一人暮らし。
普通にアルバイトをして普通に店から盗みまくった3000万円で普通の高校に入った。
そして普通にいじめられ普通に高校卒業して普通に店から盗んだことがバレて刑務所に行く...はずだった。
7月21日 14:37
「オイ、キモ豚」
「・・・」
「オイ、聞いてんのか?」
いつも通り無視を決め込む。
こんなクズの話を聞くのは無駄だ。しかもこの前服を汚してきやがった奴に損害賠償を求めたからそんなに手荒な真似はできないだろう。
案の定それ以降は何もしてこなかった。彼は舌打ちをして踵を返した。
つまらない授業を聞き流して学校が終わればすぐ帰る支度をして帰路についた。
高校卒業の資格がほしいだけだから、そんなに熱心に聞く必要もない。テストはカンニングすれば良いし、先生は俺がいじめられているのを知っているからか授業中、俺に質問するなんて事はなかった。
ここから約一キロの所にある自分のアパート。一キロしか無いのに、最近太ったからなのか遠く感じる。
さて家に帰ったら一発抜こうか。今日は待ちに待ったエロゲの発売日。正直な話かなり楽しみだ。
「そこの君ちょっとおじさん達の話を聞いてくれるかな?」
近道をするために、あぜ道に入った瞬間のことだった。後ろから声がかかった。その声色は優しく振る舞おうと取り繕おうとする声だった。この声を俺は何度も聞いている。犯罪者の声だ。
どうせカツアゲだろ。こういう時はちょっとビビらせときゃどっか行くからな。弱い奴から金を取ろうと言っている時点で自分が弱いと認めたようなものなのに。
周りの家に聞こえるか聞こえないかのギリギリの声量で答えた。
「うっせぇな。こっちは忙しいんだ...ッ」
振り返るとそこには警察手帳を突き出している一人の警官がいた。その後ろにも警官が二人。警官はニッコリと笑い、敵意がない事を主張してきた。
「...ッ」
完全に油断した。急げ、家に逃げちまえばこっちのもんだ。
だが自分の家はここからおよそ1kmだ。俺の怠け散らかしたこの肉体じゃ逃げ切る事はできなかった。苦しいと心臓が叫び声を上げた。
「離せ!!!」
今にも潰れてしまいそうな声を発した俺を警官三人という圧倒的人数差で蹂躙してきた。三人からの拘束に藻搔くしかなかった。
クソ!もっと『身軽な体』なら逃げ切れたのに。
「クソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソゴミがーーーーー!」
その時目の前が暗くなっていった。
それは死と程遠い、世界の暗転だった。
目が覚めるとそこは本来いるべきはずの病院?刑務所?ではなかった。
周りには天使が羽ばたいており、目の前には神々しい神がいた。
正しく神だった。
正直な話、神が見えたとか信じたことはない。だが彼は神だった。神を見た者だからこそ分かる。そんな感覚だった。だから俺は神のことを神だと信じた。
「オイ、連れてこいって申したのはこいつじゃないぞ」
太く威厳のあるような声が耳の中に入ってきた。
神が誰かと喋っている。間違えてしまったらしい。彼は少しでた腹をこちらに向け、ドッシリと座っていた。
それにしても神様も間違える事があるんだな。
「すいません。次は気をつけます。」
天使は何度も何度も深々と頭を下げる。
上司と部下か...どこの世界も上下関係はあるものなのだな。
そんなことよりも聞かなければいけない事が山積みなのだ。
転生かな?そしたら俺勝ち組じゃん。イヤッッホォォォオオォオウ。クソみたいな人生でも報われる日が来るんだと、少し感動した。
「あのーそれで俺はどうすればいいのでしょうか?」
その声色は優しく振る舞おうと取り繕おうとする声だった。
少しわざとらしいとは思うが、少しでも善人ぶっとかないとな。いやーすまない、誠にすまない、これで勝ち組かと思うと前世の世界には申し訳なくなってくる。
だがその考えが叶わないと言われたのは次の言葉からだった。
「もういい、こやつの願いは...新しい肉体がほしいのか。面倒くさいからくれてやる。ホレ、もう帰って良いぞ。」
「は?ちょっと待てよ。オイ」
聞いてた話と違うぞ...いや、正確には違うくはないのだが。おいおい、失敗しておいてそれはないだろ。
そんなことを考えている俺を神様はまるでゴミを見るような顔をして見つめるのだった。
実際、神の前ではゴミだったかもしれない。
「じゃあねーー二度とくんな」
地面に穴が空き、暗闇に落ちていく感覚だけが残っていた。
7月21日 5:43
「はっ」
目を覚ますと自分の家のベットに横たわっていた。異世界にいなくて残念。
「チッ、キモい夢見ちまった。」
?
あれ、やけに声が高いような...しかもなんか肩も重いしかなり痩せたような。
まいっか、とりあえず顔でも洗うか。
今日も学校かと思うと家でギャルゲーを嗜みたくなる。そんな事を思いながら顔を洗うために洗面所に向かった。
「えっと...誰?」
洗面所に着くと見慣れない女がいた。その女もこちらを驚いた表情をしながら見ていた。
え…誰?驚きたくなるのはこっちなんだけど。
近づいてみる。女も近づいてきた。
近づいてきたので遠ざかる。女も離れた。
あまりに自分と同じ動きをしてくる。
あれ?これ鏡じゃね。え、ってことは...
「女になってるーーーー!!!!!!」
えっ?なんで?どゆこと?
昨日までは絶賛キモオタに豚骨スープをぶちまけて、海苔トッピングをした(顔もニキビだらけの小太りの逆サバ読まれみたいなかんじ)かのような容姿だったのに!
考えていても仕方がない、ちょっと服を脱いでみるか。別にこれは決っっっして疚しい気持ちがあるわけではない。確認だ。
「おお!」
これは立派な乳房だ。これを見た男はきっとイチコロだろう。
これなら亀千人を千回天国に送れるぞ!
下は見る勇気はなかったが、きっと処◯だろう。まー俺童貞だし。
正直、処◯の見分け方とかわからんが。
気を紛らわせようと首を振ると、二つの果実が大きく揺れた。
さてこれはどうしたものか。一旦欲望に身を任せても良いんではなかろうか?っと危ない。今は状況を整理しよう。
昨日(今日)の出来事は夢だったのかな?
警察に捕まってー神様に会ってー...ん?ってことは夢じゃないのか?
わからん。
「まー『夢だけど、夢じゃなかったー!』ってことでいいだろ。」(怒られろ)
ここでヤリチンなら迷わずするところだが私は違う。もう一度言おう私は童貞なのだ!
んー同人誌ならここで頼れる親友がきたり、学校に行ってめちゃくちゃモテたりするのだろう。無理だな。中身キモ豚だし、友達なんて生まれてこのかた出来たことなんて一度もありません。
いつの間にか大きなドロップスが頬についている。悲しみで涙が出てしまったようだ。
涙を拭おうとすると手に吸い付くような、もっちりとした肌だった。
顔はーーー可愛い?のか。
二次元にしか興味ないから正直言って現実の顔面偏差値なんてわからないし...
まーブスって言われないくらいにはなったのかな。こんな格好じゃ身分証明なんて無理か。学校諦めるかーー。高かったのに。見たところ身長的にも胸的にも大学生でいけるかな。
俺の場合は下手に病院にいけないからな。もし行ったら警察に通報されて即逮捕。捕まって即牢屋行きだろう。こんな事を言うのは虚しいが、むしろこの体のままの方が楽まである。
深く考えても仕方ない、スーパーに行って飯でも盗ってくるか。
今の俺?私?には思いもしなかった。これが世にも奇妙な物語のほんのちょっとだということを...
あとがき
至って普通のラブコメを書きたいと思ったので書きました。
な、何言っているんですか!至って普通ですよ!
主人公の外見は悪い意味で大人っぽい低身長デブです。
主人公の初期の性格は自分を元にしました。(だから何だよ。ってやつ)
誤字がないといいなー。
- Re: 美貌にストーカーはつきもの ( No.2 )
- 日時: 2022/06/08 22:31
- 名前: かまめしきり (ID: p/lGLuZQ)
二話 利益に別れはつきもの
私は人間が嫌いだ。自分も人間なのだから一種の矛盾を言っていることはわかっている。
それでも人間が嫌いだ。いつも人の顔色を伺う。人の顔色を伺って伺って伺い続けそして裏切る。あの看護師もそうなのだろう。表向きでは清楚な振りをしているがクソビッチなんだ。
あの医者もそうなのだろう。表向きでは「治るよ」とか「心配しないで」などといっているがもう治らないと半分諦めているらしい。
彼氏もそうだ、いや元彼氏といった方が正しいかもしれない。最初はお見舞いに来てくれたが治らないと知ったら、君が弱っていく姿なんて見たくないとか言って来なくなった。
そんな善人の皮を被った悪人などを好きになって裏切られるなら、私は悪人の役に立ちたいと思う。今更そんな事を言ってもどうしようもないのだろう。だから私はこんなクソみたいな人生に終止符を打つために病院を抜け出しビルに向かう事にした。だがそのビルの屋上で奇妙な者に会った。
それは変質者と言う意味ではない。私が会ったのは自分だったからだ。
◆
近所のスーパーからパクってきたのり弁を食べる場所を探していた。
「お、せっかくだから公園で食べてみるか。」
公園のベンチでのり弁を食べると開放感があってとても美味しかった。ガキを見ながら食う飯は美味い。これ常識。
そんな事を考えながらのり弁を頬張っていると周りの人が自分を見ていることに気がついた。写真を撮っている者も多くいた。
やべー油断してたぞ。盗んだ事がこんなにも早く伝わるなんて。
善は急げ、とっとと逃げよう。せっかく罪を隠せたのにまた捕まるなんてごめんだ。
最近の警察は優秀すぎて困るね。いやー参った参った。
そんな事を考えていると後ろから声をかけられた。
「ねーおねえさん」
またカツアゲかな?このシチュエーションに嫌な思い出があるのだが...まー所詮夢だし。深く考えなくても良いだろう。まーその所詮夢とやらに俺は女にされてしまってるわけだが。とりあえずまずは振り向いてみないとわからない。夢での失敗を生かして穏便に...
「何のようですか。私のお金はこののり弁に消えまし...ッ」
穏便にいけたゼ!...いけたぜ?
昨日の夢が鮮明に蘇ってくる。昔の自分と、まったく異なった今の自分が初めて重なる。
目の前に警官がいた。
え、警察?は、早く逃げなきゃ...ヤバいって!
あたふたしている内に腕を掴まれてしまった。うわーん掴まれちゃったよー。ふざけている場合ではないが...泣けば許してくれるかな。
正直ワニワニパニックだ。略してワニパ。
っていうかこの体になってから楽観視がすごいな。なんかより陰キャとしてのグレードが上がった気がする。
パニック状態の俺を横目に警官が口を開いた。
「お姉さん、お茶いかない。いいお店知ってんだよね。」
ん?どゆこと?いまいち話の内容がつかめない。
状況を整理すればするほど迷宮入りだ。
「あ、あのー警察の方であってますよね?」
「ん、そうだけど。そんなことよりタピらね?金ないんだったら奢るからさー。」
えーっと。もしかしてだけど...ナンパされてます?
まー確か、この透き通った白い肌、金髪でスタイルはかなり良い。なによりこの豊満な胸!
もしかしてだけど...可愛いのか俺。
オイオイうかれてる場合じゃないぞ。警察なんかにナンパされたって嬉しくねーよ。
逃げるのか?だが今の俺は神様から体をもらっているんだ。昨日の俺を超えられる気がするぞ!!とかカッコいい事を言ってみたが...性別が変わっとるんよ。女は非力。これ常識。無駄だと思うがやってみるか。
「背負投げ〜〜っと」
そう言って(IKKO風)警官を投げようとしてみる。無理かなやっぱ。そんな事を思っている私の手から警官がすごいスピードで吹っ飛んでゆく。そして電柱にドーン!
「ぐふぅッ」
男が白目を向いたまま電柱にもたれかっている姿が私の目に入った。
「は?」
ちょいちょいちょい、聞いてた話と違うぞ!って何も聞いてはいないのだが...
うわーヤベーよ。神様ってスゲーなーおい。ってそんな事考えてる場合じゃねーよ。
これ結構ヤバい罪に問われるんじゃない。ますますこんなしょうもない事を考えている場合ではなくなった。そうと決まれば、
「ずらかれー」
正直、神様パワーに蹂躙された警官は可哀想にも見えなくはないが。自業自得だ。犯罪者に手を出すなんぞ、警察の風上にもおけんわ!
「ヒュッ、ヒュッ、ヒュッ、ヒュッ」
リズミカルに風を切る音が鮮明に耳に流れ込んでくる。少し心地良い感じがする。
って言うか...なんか自分、足速くなかったか?公道の車を普通に抜かせたぞ。こんな俺にこんな力渡しちゃっていいのか?
しばし休憩。疲れてるわけでは無いのだがもうすぐ食べなければアイスが溶けてしまう。
うむー。まー深く考えても仕方ねーから、とりあえずデザートのアイスをあのビルの屋上で食べよ。ざまーみろのり弁。主食を食べている時よりデザートの方がきれいな景色を見ながら食べてやる。きっと悔しかろー...っ てそこ、そんなに憐れんだ目でこっちを見るんじゃない。
メタ発言を挟みつつ、私は説明を展開していきながら階段を二段飛ばしに上っていった。
なぜ階段かと言うと、エレベーターは壊れているので使えないからだ。
少し前、ここから飛び降りた女性がいたらしい。下は1年くらい前まではショッピングモールだったんだが自殺した女の幽霊が出るとやらで潰れてしまったらしい。
だから使えない。
いやーでも階段で良かったかもしれない。メッチャ速い。多分エレベーターより。
「よーし、屋上とうちゃーく!...へ?」
あっという間についた。あっという間についてしまった。と言う方が正しいかもしれない。
人が死んだ場所だけあって、人は全然いない。はずだった。
そこには黒髪の女がいた。
彼女の髪が風で揺れ動いていた。
え…幽霊ですか…もしかして。
ヤバイよ!どうすれば良いの、もしかして俺死ぬのか。死にたくない。死にたくなーい。
早く逃げなきゃと後ろを向こうとした瞬間、女が屋上のフェンスを乗り越えた。
彼女の黒髪が風に揺れ、逆立っていた。
◆
7月 21日 2:23
今日、俺は日を越さなかった。何がって...仕事だよ。ブラック企業で働いて早2年。
休日出勤は当たり前、労働基準法?なにそれ美味しいの状態。
だが今日の俺は一味違う。なんと定時前に帰宅できるのだ。もう神。
早く帰るついでに自分の趣味を行うことにした。
それは…自殺スポットめぐりだ。こういう事は本当にしてはいけないと思う。だが自分を犠牲にしなければいけなかった人の苦しみがわかると明日も自分は頑張れる気がするのだ。
「っと今日は…ここの元ショッピングモールにしよう。」
ここは2年位前に女の人が自殺してしまったらしい。中に入るのは色々とヤバそうなので周りを見ていることにした。案外きれいに残っているもんなんだな。塗装があまり剥がれていないのは改装工事があった直前に事件があったというのを物語っている。周辺住民の立ち退きが上手くいかなかったらしく、結構周りは入り組んでいて一周するだけでも一苦労だった。そしてここが…
「死んでしまったところ…」
「死んでしまった」...この言葉は間違いだ。彼女は自らそれを望んだ。
環境の性ではなく自ら。
「環境の性でもあると思うけどな」
彼は自分の矛盾を笑った。死地で...人が死んだ場所で。
死んでいってしまった人には悪いがこれでも俺の励みになっている。これで明日も生きていける…そう思った。
綺麗事に身を置きつつ、少し写真を撮った。案の定何も映らない。映った事があるのは二回ほどだ。ここからは嫌な気配はそこまで感じない。本当に人が死んだ場所か怪しいくらいだ。
帰ろうとし、左足を出し体の重心を前に預けた。つもりだった。気がつくと自分の足は止まっていた。そして視線が上へ上へと延びていった。まるでこれから起ころうとしている現実を知っていたかのように。
視線が真上にたどり着いた瞬間、二人の人影が落ちてきていた。そして瞬きする間に消えていた。
彼が経験した中で、ここまで露骨に怪奇現象が起きたのは初めてだった。
「ふぅーーー」
男は大きく息を吸い込み自分に言い聞かせるように言葉をなじった。
「うん。もうこんな事するのはやめよう」
死の条件を俺は満たしてはいない。生きるものは死者へ最大限配慮するものだ。
そう言って男は早足で帰るのであった。
あとがき
結構暗い感じになっちゃいましたね。
自殺なんてするもんじゃないよ。残された人の方が辛いんだから。
こんな真面目な事を言ったのは久しぶりかもしれないですね。
ジェンダー平等?体力テストって知ってる?
誤字報告などする所も作りました。
プロフィールから飛んで、そこから誤字報告のとこにとんでいただけると出来ます。
- Re: 美貌にストーカーはつきもの ( No.3 )
- 日時: 2022/05/21 23:06
- 名前: かまめしきり (ID: p/lGLuZQ)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13266
三話 利益に別れはつきもの
落ちた瞬間壁に爪を引っ掛け窓を割って中に入る。こんなことができる人間は私と範馬勇◯郎、二人だけだろう。
「ふぅ、危なかったー。」
危うく死体を見ながらアイスを食べることになるところだったよ。そんな事をのり弁に知られたらアイス君は悲しくて泣いてしまう。女の子を掴んでいる手と同じくらいの力で握りしめたアイスはちゃんと私の手の中にあった。
「うんまーーーー」
ちょっとした景色を見ながら食べるアイスは格別だった。
っと、そんなことより女の子。うーん。顔からいってるけど大丈夫そうかな。ガラスの一片も刺さってないし。
「痛ッ」
当たり前の事だが、手についていたガラス片を取ろうとしたら痛い。服を貫通して体にも結構刺さっている。そして当たり前の事じゃないのだが傷口が回復した。
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恐るべき神様パワー。身体能力の件で耐性がついたとはいえ、現実じゃ絶対ありえないようなことなので少し戸惑う。
「もう驚かないぞ。」
心のなかでそう誓った。
人生歴17年、これからたくさんのことを経験する身でありながらこれ以上に驚く事はないことを私は悟った。
いやいや、これ以上に驚く事はないよ。だって傷が無くなっちゃったんだよ。血だって傷口に吸い込まれるように消えちゃったよ。これ以上驚くことがあるとすれば、私からチ◯コが生えてきてナメクジと同じ雌雄同体になることぐらいだろうて。
「うっんっ」
「おっ、起きたか...」
目の前にいたのは自分と同じ顔をした少女だった。
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我ながらキレイなフリをしたもんだ。「前世は布袋尊です」と高田鈍次さんから言われても今なら信じられるぞ。
「あ、あなた誰ですか?なんで私が...」
彼女がまた倒れた。よほどショッキングな物...いや、ショッキングな者を見てしまったらしい。
「ふぅーーー」
彼女が起きるの(結局起きなかった)を待っていたらかなり時間を浪費してしまい当たりはすっかり闇に包まれていた。街灯が近くに無いからなのかメチャクチャ暗い...かに思われたのだがメチャクチャ良く見える。神様に至れり尽くせりだな。それよりも労り尽くしすぎと言う感じだ。
背負うしかなかったので背負ったが...軽いな。実に軽い。軽くても重くても女性の体重はタブーらしいがこの体だと大岩でさえ軽いと感じてしまいそうだ。だからもんだい無いだろう。そしてついでだが胸は小さい。マジでAAAぐらい。
いや良いんだよ小さくても。私は小さい方も好きだし。大きい方とどっちかって言われると...大きい方になるけどーー(うざい)私は大きいけどーーー(くそウザ)ロリ巨乳とかの方がギャップで萌えるけどーーー(ガチウザ)良いと思うよ(⌒▽⌒)。
っとそんな事を考えている内に家についてしまった。あらためて思うが、凄いね。私!
と、とりあえず家のベットへ...?ちょっと待てよ。これ誘拐じゃね。犯罪者まっしぐらじゃん。このままだと捕まるーー...って罪意識が低すぎないっ!
我ながら恐ろしい。ここまで罪意識が足りないとは。ギャルゲの主人公ぐらい鈍感。
「はぁー」
って言うかもうどうでもよくね。こっち死にそうなのを助けてんだぜ。これでもう一生分の善行は積んだだろ。
普通この場合は誘拐と言うかい?ヤバい。ヤバイよ。もうこのままだと布袋尊になっちゃうよ。
「うっんっ」
「あれ、もう起きたの?」
「もう」と言ってもかれこれ7時間は経ってるのだが。なんかこの体になってから時間が進むのも早くなったような...や、やめよう。全部神様の性にするのは良くない。
「お姉さん、悪い人だから警察行けなかったんだけど...良かったかな?」
「あ、別に大丈夫ですよ。悪い人の方が良かったんで。」
彼女は平坦な口調で答えた。彼女の言葉には若干の含み...と言うか違和感があるように感じた。
っていうか、バカ正直に答えちゃったんだけど。咄嗟に本当のことを言ってしまったが大丈夫そうだ。この子がおバカちゃんで良かった。ちょっとバカくらいが可愛いもんな。
...ブーメランじゃね。どちらかといえば相手に当たってないからブーメランと言うよりパンジャンドラム。
「っていうか普通こういう時ってさ、なんかもっと言うことあるじゃん。「なんで死なせてくれなかったんですか!」とか「助けないでって言ったじゃん」とか...助けないでとは言ってないけど。」
「いえ、大丈夫です。そういうのもう間に合ってるんで。」
彼女の答えにまたもや含みを感じた。が、そのまま話すことにした。変に地雷を踏んでも困る。なるべく穏便に、そして簡潔に。
「それでーなんで死のうとしてたの?親絡みとか?友達関係?それとも失恋?失恋だったらバカにするぞ。失恋で死ぬとか阿呆すぎ。もっと他の事で悩めよって感じだよ。」
「ううん、失恋じゃないよ。」
「じゃー何?」
「さっき言った全部。」
「一緒じゃん。」
一瞬でここまで地雷を踏み抜いたのは私が初めてだろ。えー気まずい、気まずすぎて過ぎて死ぬーー。
「全然気に病む事じゃないですよ。本当にもう終わった事なんで。」
なんか...この子さー...怖いんだけど。
状況で言ったらこっち誘拐犯だよ!(認めた)おかしいだろ犯罪者とこんなにも話せるの!
「・・・って言うかさ。名前を聞く前から話飛ばし過ぎじゃない。」
「あっそうでしたね」
「「そうでしたね」じゃないが。」
何故か犯罪者がツッコミに回っている件。かつてこんなにも破壊力のある言葉はあっただろうか。言葉の破壊力が◯ルガレオのサンシャインスマッシャーぐらいあるのだが。
「まず私の名前から言うよ。...えーっとー。」
あれ、私の名前って何だっけ?思い出せない。一人称も『私』で固定されてしまったし、男の時の記憶が曖昧だ。そ、そうだ。おっぱいを見よう。
そう言って私は自分の胸を揉みしだいた。柔らかいマシュマロを掴んでいるような感じだ。手で押した所が手の形を覚えたかのように変形する。そして手をガッチリ掴んで離さない。間違えた。手がガッチリ掴んで離さない。
「おっ、やっべ。心のチン◯が...」
思わず声が漏れる。心は相変わらず男のようだ。
なんか安心したような、辛いような。胸を揉んだ代償として自分が女になってしまった事を嫌というほど自覚させられる。
「『心のチン◯さん』なんですね。分かりました。」
「おいおいおいーーーーー!ちょっと待て。」
彼女が小学生みたいな事を言い出した。胸が小さいから本当に小学生かもしれないが...
「小学生ではありません。中学三年生です。あとあなたの胸が大きすぎるだけですから私は普通です。」
「ホントかなー(疑心暗鬼)...ってお前、人の回想を覗き見するとは!はっ、さては布袋尊!」
散々布袋尊の事をバカにしたバチが当たったのだろうか?
「違いますよ。人の顔色ばっか窺っていたので、考えていることが大体わかるんです。」
彼女は平坦な口調で言った。だがさっきのとは違い若干だが棘があるように感じられるのは何故だろう。気のせいかな?
「あと回想とは『過ぎ去ったことを色々と思い出すこと』です。あと、あなたのことでしょうから布袋尊が笑いの神様かなんかだと思っているんじゃないでしょうか?」
地味に敬語なのがムカつく。っていうか布袋尊って笑いの神じゃなかったんだ。
「で布袋尊はなんの神様なんだ?」
「確か...簡単にいえば夫婦円満、財福UP、笑門来福の3つです。彼が笑わせてくるわけじゃないんです。あと布袋尊の背負っている袋には幸運が入っていると言う説があるらしいですよ。」
なんだこいつ、メチャクチャうざい。
ただ頭が良いだけじゃなく雑学も知ってやがる。
「まー名前が『 神宮 全知』ですから。全知って事で名を...」
「え、お前男だったのか!やけに胸が...」
ポコッ
「イテッ」
こいつ、年上をブツとは...この私の ブツ(こころのチン◯)が黙っちゃいねーぜ。
「いえ、れっきとした女ですよ。父親が名付け親でしてね。性別も分からないのに勝手に名付けてこの世をさりました。」
あれ、また地雷を踏んだかな?っていうか、心読まれてないだろうな...
「それと心のチン◯で犯せるものなら犯してみなさい!」
「心を読まれてた!」
クッソ、やられた。 罠にはまった。
「まーあなたの名前はいいです。興味もないんで。」
悲しい。めっちゃ悲しい。それはもうスッゴイ悲しい。語彙力を失うほど。
「じゃーあたしは今日から「神宮 全能」と名乗る事にする。二人合わせて全知&全能みたいな。今日から私がお姉ちゃんだ。」
我ながら天才だ。やっぱり布袋尊だわ。
「それより「無能生命体 無知」とかの方が似合ってますよ。あと勝手に既成事実を作らないで下さい。」
「バカでもわかるぞ!貴様侮辱してるな!」
「「無知」って二乗するとムチムチじゃないですか。だから、あなたのクソビッチな体に似合っている名前だと思ったんですが...」
「なんか口が悪くないですかねぇ、神宮さん!」
それからなんやかんやあって一緒に風呂に入る事になった。
あとがき
力作です。
・・・・・・・・・・特に言うことはありませんが...すみません。とりあえず謝っときます。
誤字報告などする所も作りました。
プロフィールから飛んで、そこから誤字報告のとこにとんでいただけると出来ます。
- Re: 美貌にストーカーはつきもの ( No.4 )
- 日時: 2022/05/22 22:31
- 名前: かまめしきり (ID: p/lGLuZQ)
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四話 利益に別れはつきもの
なんやかんやの場面をお送りいたします。
◆ ◆ ◆
「で、どうするんですか。」
彼女はさっきと変わらない平坦な口調で言った。
表情が変わらないからか、少し怖い。
「何が。」
お酒を少し口に入れる。実に上手い...気がする。酒は缶の安いやつ。
「私を誘拐してする事ですよ。」
「ブフッェ」
思わず一気に飲んだ酒を床に吹き出す。決して驚いたわけではない。酒が苦い。安いからかな。そうに決まっている。
彼女にかかっていないのを確認してティッシュを取りに行く。
「どうしたんです。年下に大人ぶって酒を飲んだみたいな表情してますが?」
「分かってんならそう言え!」
実に恥ずかしい醜態を晒してしまった。こんなに恥ずかしい思いをしたのは幼稚園の時から生理が始まっているのが同級生に知られた時以来だ。
?何を言っているのだろうか。私は男だ。
「顔が赤くなっていますよ?発情してるんですか?」
「違うわ!」
「では何故?」
「酒だお!」
危うく噛む所だった。許容範囲で良かったよ。もし噛んでた事が知られたら醜態に醜態を重ねたミルクレープが出来上がってしまう。
「なるほど、動揺した上に酒が不味くて恥ずかしく赤面した所で動揺して噛んでしまったと。」
祝ミルクレープ完成!
「な、何を言っているのかね?神宮君。」
ポコッ
クソガキが頭を殴った。結構強めに。
「何だよ!」
私はあまりの痛みに頭を押さえながら言った。
「私は女なので「神宮ちゃん」です。」
「そこは良いだろ!」
何故、今日はこんなに年下に叩かれるのか分からない。さ、さっきのはそ、そういうつもりじゃなかったんだけどなー(棒)
それにしても助けた理由か...無いんだよなー。
「まーこの会話も飽きたんでそろそろ抜けます。」
「ここはネトゲか!辛辣なタイプの!」
負けが決まった瞬間の奴もよく言うよな。
「本当に飽きたんで、さっきの質問の答えをどうぞ。」
彼女は私のツッコミがお気に召さないようだ。え、メンタル死ぬよ。
神様もメンタルまでは変えられなかったらしい。
「いや別に深い意味はないよ。そこにお前がいたからだぜ!」
決まった。
「なるほど、私をストーカーしてたんですか。」
決まらなかった。
「違うからね。無理やりタイトル回収しようとするなよ。」
「じゃーなんであんな所にいたんですか?」
犯人を追い詰める刑事みたいな口調だ。抑揚のない声と真顔が合わさって、かなり怖い。
私は誰かさんが吹いた酒を拭きながら答えた。
「本当に深い意味なんてないよ。本当にたまたま...まー良かったじゃん、死ななかっただけ。」
「それが私に言うことなんですか?」
あ、そっか。コイツ死のうとしてたんだ。コイツが自殺志願者だと言うのをすっかり忘れていた。こいつがあまりにも普通そうだったから。普通に喋ってくれたから。
『死にそうな奴に見えなかったから、つい』
心にふと浮かんだ言葉をかき消した。
「これは言い訳か。」
「どうしました?」
平坦に喋る彼女。俺が何かを言おうとしているのを察したらしい。
「お、お前が初めての友達...みたいな。俺と喋ってくれる人なんてなかなかいなかったからさ。ちょっと嬉しかったんだ。だから少し調子に乗った。ごめん。失礼なことを聞いて。」
今必要なのは謝罪だ。死ぬ。それはどんな事よりも重く、どんな事よりも儚い。生あるものに必要なのは、生きている者に対しての最大限の配慮だ。
「良いんですよ。こちらこそ、貴方と会えて少し得しました。昔を思い出しましたし、もうちょっとだけ 現世にいても良いかなーとか思えましたしね。」
ちょっとだけ敬語を崩し、俺の謝罪を受け入れてくれた。そしてその言葉を言った時、彼女の顔は少し笑った。少しだけ心がキューと締め付ける何かが起こった。これはきっと友情の証だろう。
「あと一人称「俺」でしたっけ?」
いつも通りの真顔になった彼女が、少し不思議そうな顔をしてるようにも見えた。
「あーーーーーーーーー!そうだ風呂に入ろう!お風呂だよ。お・風・呂。」
私は直様、話を切り替える。もし男と言うのがバレたら友情が大破産するかもしれない。
「なんか隠してませんか?」
「イ、イヤ、ナニモカクシテマセンケド。」
やっぱり不思議そうな顔をしている彼女。いくら彼女でもこれは読めなかったらしい。
あとがき
これぐらいの方が飽きずに読めそう。と私は悟った。
誤字報告などする所も作りました。
プロフィールから飛んで、そこから誤字報告のとこにとんでいただけると出来ます。
- Re: 美貌にストーカーはつきもの ( No.5 )
- 日時: 2022/06/07 07:29
- 名前: かまめしきり (ID: p/lGLuZQ)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
五話 利益に別れはつきもの
「どうしたんですか?」
「いや、ちょっとね。」
やってしまった! こ、この体の全体像を見たことが無いのに。エロ画像でも二次元でしか女性の裸体を見たこと無いのに。
や、ヤバいぞ。本当にヤバい。免疫がなさすぎて死ぬかもしれない。
こ、このままだと心の中がバレかねない。
真っ赤になっている私を覗き込み、彼女は少し驚いた。
もしかして...
彼女はゴクリと唾を飲み込んだ。こちらも緊張感が全神経にまで伝わる。
「はっ、もしかして私の裸を想像してます?」
余計な心配だったようだ。
こいつは「エッチ」と一言。何故か唇を尖らせてアヒル口を作り、腰をゆらゆらと揺らし始めた。無理に色気を出そうと頑張ってる感が伝わってくる腰使いだった。エロさが微塵もない。エロいと言うより...キモい。気持ち悪い。
これは見てくれている人のためにも一刀両断せねば!心の内側から湧いてきた僅かな正義感を素早く振りかざす!
「胸がないお前の裸なんて見たくもないわ!」
ボコッ
「うぅぅ」
私は伸身の新月面の前戯の如く周っていた私は...新体操の前戯とは一体!?
さ、逆上がりかな。いや、もしかしたら後方支持回転かもしれない。すごすぎる。鳥肌が立ちそうだ。
って、そんな事を言いたいわけじゃなくて。いつもは「ポコッ」なのに今回「ボコッ」何だが。普通に痛いぞ。
30秒ほど回り回った私はその流れで膝を地面に打ち付け、キレイな土下座をかました。
「いや、本当にすいません。」
「次やったら、そのおっぱいを刈り取りますからね。」
彼女の声が 本気だ。だが許してもらえそうだ。これはチョロボン。
バサッと顔を上げると胸が大きく揺れる。
ボコッ
「なんでだよ!」
「次、やったら殺しますよ!」
やったことに対しての罪が重い。重すぎる。イ◯バ物置でギリギリ耐えられないぐらい重い。
それぐらい怒っているらしい。だからなのか顔が赤いような...
「こ、これはのぼせてるだけです。」
「いや、まだ風呂に入ってないだろ。」
というより、風呂場にすら入ってない。というか、それ以前に風呂さえ溜めてない。
見切り発車もいいところだ。だが私の決意は変えられん。今入らなければ一生入らない気がする。
「よし、溜めながら入ろう!」
「短期ですね。」
「それは大学だろ。」
私はツッコミをしながら服を脱いだ。服がいつもよりダボダボなせいか大きな膨らみがあるのにスルッと抜けた。
「なにやってるんですか!ブラジャーつけてないなんて...痴女なんですか?」
彼女の声が部屋に響く。彼女は今にも目が零れそうなほど目を見開いている。
「あー、だからか街の人が写真を撮ってたのって。」
いやはや納得、正直あんな早くバレるなんて絶対にない。と思いたい。いつも警察には無能でいてほしい。
「バカなんですか?それ私を犯してくださいって言う合図ですよ。」
「嘘をつくな!健全な人がこれを見て真実だと思ったらどうする!」
「そこはあなたの体で支払うしかないですよ。こうなったのもあなたのせいです。責任取ってもらいますよ!」
彼女は指をビシッと私の方に伸ばし、判決を言い渡した。
「いや、とりあえず入ろうぜ。寒いんですけど。」
「そ、そうですね。少し長引かせ続けました。このペースだと文字数が4000を超えてしまいます。責任取ってもらいますよ!」
「どんだけ責任とってもらいたいんだよ。ワザップか!」
ジョルノだった。
少し二人で入るには狭いかな?いやでも女の人二人分くらいはあるか。風呂にはこだわって家を決めたからね。ただでさえキモかったのに衛生観念が欠如してたらそれはもう豚でしょ。
「う、寒いですね。少し詰めてくださいよ。」
「や、やめろって!胸が...潰れる...」
「そんな胸、潰れてしまった方が世のためです」
「世界って...主に自己満足だろ!」
「世の中には貧乳好きもいるんです。勝手に私を悪者だなんて決めつけないでください!」
二人とも髪を洗い終えた。長くて少しできなかったので手伝ってもらいながら。
しばらく雑談を続けた後、彼女はいつもより真剣な口調で呟いた。胸の位置まで溜まった水に反響するように彼女の言葉が響き水面が揺れた。
「でもこうやってあなたと喋ると改めて違う人なんだなって実感しますね。二重の意味で。」
「ん?あぁ、性格と胸の大きさで二つってことか。」
激しく水しぶきが上がり、貴重な水が溢れ出した。それと同時に彼女の手も上がった。
「ボコッ」
「なにすんだ!今のは不可抗力だろ!罠にはめやがって!」
「二重ってそういう意味じゃないです。私が言いたいのはですね...やっぱりなんでも無いです。聞かなかった事にしてください。」
「うわ、一番気になるやつじゃん。闇が深そうだし深くは聞かないけど。」
そろそろ出るかと一言。そうしましょうかと一言。
私達は着替えながら話を続けた。
「まー簡単に言ってしまえば会って4時間くらいしか経ってないのにこんなに喋れるなんて初対面じゃないみたいですね。ってことですよ。」
「そうかもな。前世はセルと悟空だったかもな。」
「なんで敵対関係なんですか!?」
「あ、もちろんお前がセルだぞ。」
「頭でも吹っ飛ぶんですか?」
「「なーんちゃって」」
「「あはははは」」
二人でパジャマに着替えた。服のサイズ...というか。服の種類が男性用しかなかったので彼シャツみたいな感じになった。幸いにも好きなキャラのTシャツはSML全て買っているので良かった。というかマシなのがこれしかなかった。その他はエロゲの物ばかり。少し軽蔑されたが問題無いだろう。
「私の家にはベットが一つしか無い。しかもシングル。と言うことでどっちが寝るかジャンケーンをしよう!」
「いや、二人で寝れば良いのでは?少し肌寒くなってきた頃ですし。」
「え、良いの。やった!」
何故か喜んでしまった。こころなしか頬もつり上がっている気がする。
あー。本当に楽しい。友達ってこういう事なのかな。明日はデパートへ服を買いに行くことになっている。ふふっ。明日が楽しみだ。
期待を胸に、この大きな胸に抱え明日が来るのを眠りにつきながら待ち望んだ。
あとがき
こういう友達がほしい。あっ、別に友達がいないわけじゃ無いですよ!ホントだからな!
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