複雑・ファジー小説
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- 世界に一人の美少女と、天才少年怪盗うさぎ⁈
- 日時: 2022/04/10 07:10
- 名前: 白珠 (ID: KLUYA2TQ)
やだっやだこわいっ。
後を振り返ってはいないけど、誰が追いかけてくるのがわかる。
だれか助けて!!
そう叫びたいのに息がきれて声が出ない。
とうとう足がもつれて私は前のめりになる。
もうっだめ…
そう思ったとき…
「アイッ」
だれ?
この声はだれ?
知りたい。
その子は私をかかえると、そのまま人けのない道まで逃げていった。
「アイ、大丈夫?」
男の子?
もうすぐ顔が見える。
知り…た…い…
藍は目を覚ました。
(また同じ夢…)
- Re: 世界に一人の美少女と、天才少年怪盗うさぎ⁈ ( No.1 )
- 日時: 2022/04/10 07:24
- 名前: 白珠 (ID: KLUYA2TQ)
「おはようございます、アイ様」
「おはよう。」
アイはその声にそっけなく返事した。
いつもあそこで終わる夢…
(あの子は誰なの?)
「アイ様?
どうされました?」
その声に私はハッとした。
「な、なんでもないわ。」
(いけない。
私は世界に一人の女の子なんだから。
そう。
アイは世界に一人の女の子なのだ。
この家に来る直前の記憶だけがなくて、ずっと昔の仲の良かった女の子のことはしっかりと覚えている。
この世界に一人しかいない女の子だから、誰もかれもがアイのことを大切に扱う。
アイには世界一の医師、教師、音楽家…がついていた。
アイはいつも、世界一のものに囲まれていた。
- Re: 世界に一人の美少女と、天才少年怪盗うさぎ⁈ ( No.2 )
- 日時: 2022/04/10 19:43
- 名前: 白珠 (ID: 4NzAaWKB)
でも…
(正直、こんな生活は嫌。
ずっと見張られているみたいで。)
本当は今までのような生活がしたい…
今までみたく、沢山の友達と遊んで、沢山の思い出をつくりたい。
それだけが今の私の願い。
きっと叶わないけれど。
そんな思いを抱えながら私は服を着替えた。
「アイ様、今年の誕生日もプレゼントがいっぱいですよ。」
「誕生日?」
「はい…」
(おかしい。
今日は私の誕生日の前日なはずだ。)
「明日、じゃないの?」
「明日ですか?
今日なはずですが」
(まただ。
また記憶が消えてる…)
昨日の記憶が全くない。
こんなことはよくあるけど、いつもいつも慣れない。
怖い。
あの夢のように…
- Re: 世界に一人の美少女と、天才少年怪盗うさぎ⁈ ( No.3 )
- 日時: 2022/04/21 06:46
- 名前: 白珠 (ID: KLUYA2TQ)
「顔色が悪いですが、どう致しましたか?」
いつも通りうさぎのかぶり物をしているメイドが、(メイドと言っても性別はもちろん男だが)心配そうに聞いた。
「なんでもないわ、ただ…」
「ただ?」
私は、一年に一度の誕生日という大切な日を無駄にはしない。
「ただ、教えてくれてもいいのでは?私ももう15歳よ。女の子が一瞬にして消えてしまうなんて、信じられない歳になったもの。」
メイドはビクッと肩をふるわせた。
「わ、私たちにも分かりかねます。お、女の子がき、消えるなんて。」
ふふっ なにこの動揺っぷり。
「そ、それに!
他の女の子は今探しているので!わ、わかるわけが!」
「今探してるのね!
それなら、消えたなんて嘘じゃない!
そうね。消えるわけないわよね。
でもそれなら、私を放っておいてもいいんじゃないかしら?」
私は怒りをぶつけた。
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