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複雑・ファジー小説
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- 私の花
- 日時: 2022/05/25 00:18
- 名前: あお (ID: X7Da.dhQ)
「ねーみた?昨日出たmv」
「ほんまに情緒破壊された〜うわこのリップめっちゃマスクにつく無理」
「だからサムアンドにしときなよって…そういえば2組のあの子絶対整形したよね」
「よな ひなこもさ、整形とかどう思う?」
「んー ひなこって呼ばないでよ…」
パウダーやファンデやらで作られた白い肌にちょんと映えるリップ。チークは塗らない。鏡に映るそこそこかわいい、ナンパしやすいくらいの可愛さ、それが私。ひな。
私はひなこ、の『こ』が好きじゃなくて、snsはみーんなひなで登録してるし、周囲にもひなって呼んで、ってお願いしてる。ひなは可愛いわたし。ひなこって呼ばれるのは私が細胞の集まってできた人間であることを思い出させるようであんまり好きじゃない。
「整形って痛くてお金もかかるんでしょ?なんで続けてるんだろう、美味しいものとかコスメとか買った方がいいよ〜」
「マイルドに言ってあげるひなこちゃんやさしー。実際クラスで半分より下だからさ、もうヤケになってるよね」
毒舌すぎwwwと笑いが聞こえてくる。でも粉やら液やらで塗り固めて、熱をぐるんぐるんにくわえなきゃ外に出れない私達も大概だ、お互い様だね。最高に女の子なこの空間で、純情で馬鹿なふりをしているこの時間がわたしは少し気持ちいい。別になくなっても困りやしない時間だけど。
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