複雑・ファジー小説
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- この恋はやり直しの後で
- 日時: 2022/07/12 20:36
- 名前: 魅霊 (ID: r4kEfg7B)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles
私、 天園 恋女あまぞの れんじょは、7月13日、高校三年生まで生きたこの人生の幕を
閉じようと思う。この糞な社会で生きていく意味が見いだせなくなった、というのが理由だ。もともと生きていても生きる理由はなかったから別に未練...?はないと思う。ただ、鮎川あゆかわにはわるかったかなぁ...じゃあ、私の一人の命でこの糞な社会が変わるように祈って。
グシャッ
---ザーーザザッザッ
ノイズが走る。これは何?
[本日未明、〇〇ビルの屋上にて高校三年生の少女が飛び降り自殺をしました。警察は............]
〇〇ビル私が飛び降りたビルの名前だ......これは?何?
---ザーーザザッザッザ
「おい、浅野。お前の隣の女子自殺したらしいぜ?」
男子が話して言る。浅野?私の隣の男子?
「そうか、まぁあいつ気味悪かったしいいんじゃね?ww」
「だよなぁww」
やっぱりこの社会は糞だ。
---ザーーザザッザーーザッ
ちっちゃい男の子と、かっこいい長身の男性が見える?。
『ねぇねぇーこの子面白いよー?』
真ん中の宝玉?には私の姿が映し出されている。
『私は責任取りませんよ?』
『ってことはぁーどうしてもいいんだね?』
『いっても聞きませんでしょう』
『そうだねぇじゃあ彼女には社会を変えるとかはあれだからねぇあの能力を上げようかな?』
『聞いてませんね、アヌビス様.....』
---ザッ
っつ夢か?それにしては、リアルだった。それに、能力?意味が分からない...とりあえずここは、学校か。寝てしまっていたようだな...
「おい?天園、起きたか?」
「あぁ」
「うなされてたぞ?大丈夫か?」
「大丈夫だ、変な夢を見た」
「詳しく聞かせてもらって...」
「大丈夫だ、鮎川よりは変じゃない」
「俺って...比べる対象間違ってるだろ」
「......」
はぁ、なんでこんな遅くの学校に鮎川はいるんだ?って聞いたら、君が好きだから待ってた!!とかいうんだろうな...メンドクサイ。こうだから私は社会が好きじゃない、無理に人と付き合って、みんなで手をつなぎあってワイワイしましょう!!なんて理解できないし、理解するつもりもない。だから人付き合いは避けてきた、なのに鮎川は、私のことが好きだからぁーとか、私の考えに興味があるとか理由を付けてくっついてくる。鮎川はモテるんだから、ほかの人に恋してくれないかと思う。そこら辺を含めて、鮎川は変人だ。
「そうだ、つまらないことを聞くが今日は何日だ?」
「今日?7月3日だよ?夏休みまでもうすぐだねっ!!夏休みになったら、天園俺と付き合ってくれる?」
二文目は無視するとして、今日は7月3日?さっき見た夢では確か...7月13日、十日前になっている。どういうことだ?
ザザァーーードドーン
急に鳴り響いた音と大きい砂埃は私には届かなかった。
「天園ぉー---!!!どこだ?事故に巻き込まれて、クソッ土煙で見えない」
どういうことだ?私事故に巻き込まれたのか?確かによく見たら、今の私には感覚がないし、浮いている感じだ...死んだのか...それはそれで本望だが。鮎川には悪いことをした感じがするな...。だが、なにかおかしい。天国に行くわけではないし、地獄にもいかないどういうことdッ
っつ
「おい?天園立ちくらみか?気をつけろよ夏にまだ慣れてない今は危ないからな!!」
どういうことだ?私は死んだはずで...
「そういえば7月2日テストって言ってたから...マジか!!今日テストじゃねーかよぉぉーテスト勉強してねぇよぉー」
7月2日?7月3日に私は死んだはず...ということは、私は生き変わった?というか人生をやり直している?能力...確か
『そうだねぇじゃあ彼女には社会を変えるのはあれだからねぇあの能力を上げようかな?』
そうか。だいぶ事情が呑み込めてきたぞ!!
「どうした?天園テストでいい点とれそうなのか?急にしかめっ面したと思ったら、笑顔になりやがって」
「...何もない」
「そうかぁ」
そもそもテストどころじゃこっちはないんだよ!!こっちは、死んだと思って潔く死のうとしたのに、死ねないんだぞ?あの神だがなんだか知らないアヌビス?ってやつにあったらブチ切れてやる...
(天園、本当に病気じゃないよな?コロコロ顔かえてるが...)
放課後屋上にて
テストはどうにもならなかったがそれはどうでもいい...はず。これからどうしようか。とりあえず、事故が起こる前に見た夢?は確か私が自殺する内容だったはず。ってことは、私は二回死んでこの人生を途中からやり直している。一回目は十日前に、二回目は一日前に、やり直す日時に法則があるのかまだわからないな。これからどうしようか...?さすがにこの能力を手に入れてチート人生...は法則が分らないからできないだろう。まぁ、そうそう死ぬこともないしこの能力のことは頭の片隅に置いておこう。
「あーいたいたぁ!!天園ーーー!!一緒にお弁当食べよーぜーー!!」
「いちいちうるさいってか放課後だし...」
「そのクールなとこもかわいいね!!」
「鮎川はいちいちかわいいといってて疲れないのか?」
「事実だしょうがないよー」
っつ
「頬を赤らめてるよ?大丈夫?」
そういうとこも嫌いだ、平静を装って近づいてくる。
ドンッ
「私もう行くから」
「あぁ...うん!!また今度なーー」
バタンッ
ッツあいつにときめいた?バカな、そうだこれは謎の能力を手に入れたせいなんだっ!!そういうことなんだ...?もう帰るか、疲れた。
まだ、明るいなぁ。鮎川の心もあんな感じなんだろうな...?なぜだろう?鮎川のことばかり頭に浮かぶ。きっと疲れてるんだな...
「おはよう!!天園」
「はよ」
「今日って、7月3日?」
できるだけ、平静を装って言う。
「あぁそうだよ?天園なんか楽しみな事でもあったのか?」
「ない。ただ聞いただけ」
「そうかぁ」
鮎川は、見るからにしぼんでいる。そんなに、沈むことを言ったか?私は。それに、7月3日、私が二回目に死んだ事故の日だ。気を付けないと。
「鮎川、あそこ工事してるよな?二番目の大通り」
「そうだよ?」
「あそこ、今日避けて通らないか?今朝占いで工事現場は危ないって言っててな」
「分かったよー!!!一緒に帰ってくれるんだね!!」
言って損した...とりあえず、これで大丈夫のはず。
<そう、それからは他愛もない会話をしながら生きてたんだ。平和にあの日までは>
7月10日、今日はどんよりとしていた、朝からなんか嫌な感じはしてたんだ。
「おはよう!!今日は雨が降りそうだねー」
「そうだな...」
なんか嫌な予感がする。この予感当たらなければいいが。
「どうした?神妙な顔つきをしてぇー-ww」
「笑うんじゃないww」
本当に鮎川は、すぐそう笑うんだ。そして、私の不満をすべてかっさらってく。
「そういえば、宿題はやってきたのか?」
「あ、ヤベッ。やってきたんだけど置いてきた.....」
「あの宿題、ゴリ男先生のだぞ?」
「マジかぁ、移させてくんね?」
「今なら自転車で飛ばせば間に合う」
「むぅ、分かったよー。」
彼はしぶしぶという感じでうなずいた。分かればいいんだ。せっかくやったのだから、持ってきたほうがいい。
「時間稼ぎは私がやっておく!!」
「ありがとっ!!」
鮎川は満面の笑みでうなずいた。それぐらい、提案した私がするんだがな...?そんなに、嬉しかったのか?頬に熱を持つのが分る。なぜだろう?
「んじゃ、いってくるー」
「あぁ」
<あの時、私は止めればよかったんだ...>
間に合うといいがなぁ...ゴリ男先生こわいからな。
キキィィーーーーーーキィーーー
きっと皆には些細な音だったんだろう。取り乱した私に驚いていた。そう、私はこの音に嫌な予感が的中してしまったのが分った。
「鮎川ぁ!?お前どこにいるんだ!!!!!」
<今思えば、あの時の私は、とても取り乱していた。>
<一時間目のさなか、鮎川が死んだことが知らされた。>
嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ、ウソダウソダ、ウ....ソ...ダ...?
私の意識はそこで途切れた。目を開けた時には、家に帰っていた。
どうやって私は帰ってきた?学校は?そんなことを考える間もなく私は歩き出していた。
「シ...ネバ、あ...ゆ川をや...り直して、た..すけら..れる」
あの時の大通り、事故が起きた二回目の。ここで死ぬのは二回目だ。自分で死のうとするのも二回目。何かの偶然か?そんなことを考えていた。周りは、異常な私に心配の目を向けるものも。写真を撮るものもいた。そして、私は三回目の死を決意した。
キィィーーキキィーキーグシャァッ
ハァハァハッ
「どうした?天園」
「今は何日だ?」
「なんだよ?そんな険しい顔をして、7月8日だけど?」
「そうか...」
鮎川が死ぬまで、あと二日か。どうにかしなければ...
「十日締め切りのゴリ男先生の宿題やったか?」
「あ、やったけど入れてない。アブねーありがとう!!」
「あぁ」
とりあえず、これで要因は消した。大丈夫だろ。
---目的の10日
「宿題持ってきたか?」
「なんだよ?そんな険しい顔して、宿題忘れたのか?」
「違う、心配してるだけだ」
「そうか?まぁ持ってきたよ!!」
よかった。これで、鮎川は死なないはず!!
<油断したのがいけなかった、それからが地獄だったんだ>
「久しぶりに、カラオケでも行くか?」
「なんだよ?そんな嬉しそうな顔して、行くけど!!!」
鮎川が死んだのは三日前なのに、心はこの笑顔を何年も待ってた気がする。それぐらい、鮎川の存在は私の中で大きくなっていたのだ。
<そんな中、事故は起こったんだ>
「危ないっっ」
「鮎川!?」
鮎川は、道路に飛び出した女の子を車から守るために飛び出した。その様子は、スローモーションのように遅く感じられた。
ガシャァーードシャーン
女の子は助かった、だが。鮎川は助からなかった。彼の最後は、善良そのものだった。だからこそ、私も鮎川に惹かれたんだろう。
私は、鮎川を助けるため、死ぬことをなんなく決めた。四回目だ。
でも、鮎川は、10日になれば必ず死んだ。鮎川の死が繰り返されるにつれ、私の精神もすり減っていく。10回目のやり直しまでは、数えていた回数もすぐ数えなくなった。50回目ぐらいからは、鮎川へのあたりも強くなった。そして、今、私は....鮎川が死ぬ前に死のうと思う。もう疲れた。どうせ、やり直せるのなら、鮎川が生きている世界で死にたい。
「鮎川には悪かったなぁ」
っつ
『ねぇ、天園さんはそれでいいの?』
「え?」
そこには、あの一回目のビジョンで見た、少年がいた。
『ねぇ?天園さんは、まだ試してないカードがあるのにそれを切らないで、本当の終わりにしようと思ってる。』
「試してないカード?全部全部やったにきまっているでしょ?私は、もう終わりにしたいの...鮎川がいる世界で、」
『本当?』
「ほ..んと...う...?」
『うん、』
「本当は私死にたくない!!鮎川を助けて好きだって伝えたい!!!もう....失いたくない.....」
私の声は泣き声でかすれていた。
『分かった、じゃあ君を現実世界へ戻すよ?生きたまま僕、アヌビスに会えるなんて、普通はできないんだからね?』
「あぁ、」
私は声にならない声を上げた。
ッツ
「おはよう!!」
何度私はこの声を聴いて喜んだのだろう?
「おはよう!!!」
私は、満面の笑みを浮かべたつもりだが、泣いてしまったようだ。鮎川が困った顔をしている。
「なんだよ?その顔w」
「笑うな、今から大事なことを言うから。」
あの、少年が、アヌビスが言っていたこと。
最後のカード。本当は使いたくなかった。気味悪がられるかもしれないから...
「私は、死ぬと人生をやり直せるようになったんだ。...」
私は、鮎川に今までのことを話した。鮎川は親身になって聞いてくれた。きたる、7月10日今日のために。
「そうなのか...分かった。俺も死にたくないからな!!」
なんで...?自分が死ぬって聞いたんだぞ?そんな明るく入れるんだ?気味悪がらないのか?そんなことが軽くよぎった。でも、それよりも大きかったのは、君に受け入れられた嬉しさと、その笑顔のまぶしさだ。
「ありがとう!!」
私も今までにない笑顔をしていたと思う。
そして、帰り道までは何もなく過ごした。
「これからだな...」
「あぁ...」
私たちは周りを厳重警戒しながら歩いていた。多いのは通り魔だ。しかも、明らかに私たちを狙っている人ばかり。本当になぜだろうか。
「お出ましか?」
「そのようだな」
「うあぁぁあぁぁぁっぁっぁぁぁぁー----」
謎の叫び声をあげながらナイフを振り回した男が近づいてくる。
「見切る!!!」
私は、ナイフを蹴り捨てた。ただ、油断してはならない...。
「油断するなよ?」
「わかってるよ...天園」
本当に命を狙われていたと実感したのだろう。驚いている。ただ、鮎川には悪いがまだ来る。多分次は事故だろう。
「工事現場は避けて通る、無論バス・タクシーなど使えば即死ぬ」
「分かってたが、凄いな...」
「ずっと、私はこれから守ってきたんだからな?」失敗してたけど。
それから、工事現場を避けて通りながら私たちは明日を迎えようとした。
朝日を見た時の感動は忘れられない。私は、私たちは勝ったのだ!!
「やった...やったぞ!!天園!!」
「そうだな、鮎川!!」
「俺は、これからもいきれるんだな、お前のおかげで...」
「ダメなのか?」
「いやぁ...好きな人に守られるってのが、何かなぁ..」
「それなら、強くなって私のもとへ戻ってこい!!」
「私はお前のことが好きだ」
自然に笑えただろうか?頬はほてってないだろうか?そんなことよりも、鮎川、君の頬が赤くなったみたいに、私の心もその色に染まっていく。
「一緒にいよう、これからも」
「あぁ!!」
あぁ、鮎川の力強い声に私の心は支えられた。
この能力も使われなくなる。
やり直しの後にこの恋は繋がれた。