複雑・ファジー小説

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人間不信のお嬢様が冷血な彼と恋をしてみた話。
日時: 2022/12/02 09:56
名前: akahige (ID: 1J.iP85L)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13526

1,人間不信のお嬢様の話。

 よくいるヒロインや主人公って、健気な人や、悪役に転生した人とか、そんな人ばかりなのだと思う。そんな中私は、物語を盛り上げるサブキャラに徹したいと思っている。今読み終わった小説をおいて私―海音寺 華夜乃(かいおんじ かやの)は立ち上がる。日本一の財閥である海音寺グループの会長令嬢。誰もが振り返る美貌。美しいスタイル。全国模試一位の頭脳。多種多様の才能。特にお茶と剣道は素晴らしい。ここまで主人公要素が揃っていても彼女は自分を嫌っている。むしろ境遇を恨んでいる。才能しか見ていない両親と使用人たち。そしてそんな私を恨む周囲の人達。そんな中ひねくれた性格になるのもしょうがないと思う。簡単に言うと、彼女の性格は極度の人間不信で人が嫌いという言葉ですべて語れる。愛想、というものはあいにく一ミリも持ち合わせていない。ちなみに彼女は家ではいい子、学校などでは天才問題児、というのを『演じている』。演じていれば人は私をそういう人と思ってくれる。良くしてくれる。気にしないでくれる。そんなことを思いながら夕食の席に向かう。人はだれにでも裏がある。それを見破るのが得意だった。だから常に人を疑った。
「今日はお母様とお父様は?」
「申し訳ございません、お嬢様。本日も御当主様と奥様はお仕事でございます。」
 聞き飽きた。いつもだ。たまに一緒に夕食を取っては私の成績を聞いて満足する。
「そう。じゃあこれは貴女達にあげるわ。」
「ありがとうございます。」
 最初はいらないと言っていたが私がずっとあげると言っていたら受け取ってくれるようになった。少食なのでそんなに食べられないことをわかってほしい。そう思いつつ味を感じられないシチューを食べた。別に料理人の腕が悪いわけではない。むしろ最高級だ。無駄に広い部屋がそうさせるだけ。用意してくれたお風呂に入り、寝る。明日も学校に行かなきゃいけない。授業はサボりがちだが、人に会うこと自体が嫌いだ。憂鬱すぎる。

                        続く…


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