複雑・ファジー小説

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アワード
日時: 2022/12/06 16:34
名前: t (ID: wqCye4Wu)

1
佐藤は、東へ向かって歩いた。方位磁石を頼りに。午後4時、風はゆるやかに、少し寒さを感じさせる。日没前、佐藤はひたすら東を目指した。
何故東を目指すのか。それは、佐藤が「旅」が好きだという他ない。趣味だ。学校がない土日によく、方位磁石だけを持ち、行った所のない場所を求めて歩き続ける。
先日、文化祭があった。高校3年の秋、佐藤も嫌だったが参加した。しかし、得たモノは何もなかった。旅には得るものがある。それを文化祭を通して再確認したのだった。
そして、今日も旅をしている。

Re: アワード ( No.1 )
日時: 2022/12/06 16:47
名前: t (ID: wqCye4Wu)

2
閑散とした砂利道。民家が少しある。太陽が傾き光もあまり差さないその場所に、佐藤はワクワクしていた。
進めば、林や民家が見え、店が並ばないような奥の道に来ていた。どこかで犬の鳴き声がする。自然の景観がダイレクトに伝わってくる場所だった。
普通の人ならば、何もないな、と引き返す所だかが、佐藤は逆だった。好奇心が止まらない。
ある民家をすれ違ったときに、そこに人がいるのを佐藤は気付いた。20代くらいの、若者。庭でヤンキー座りをしながら、タバコを吸っている。佐藤はそのまま過ぎようとしたが、その人に呼び止められた。
「おい、何してんの?そこには何もないよ」
タバコを片手の指の間に挟みながら、その人が言う。佐藤はその人に向かって軽く会釈をすると、そのまま歩いた。するとその人はさっきよりも大きな声で、
「そこは行き止まりだよ!」
と佐藤に投げ掛けた。佐藤は止まると、「そうなんですね!」とその人に言い、引き返した。そのタバコを持った、黒髪ロングの女性が佐藤に問いかける。
「何が目的でここへ?」
佐藤は若干笑みを見せながら、
「旅です」
と答えた。


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