複雑・ファジー小説
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- 白い朝に希望を
- 日時: 2023/05/04 14:04
- 名前: 白露 (ID: recIuhzr)
良く晴れた夏の日。耳が壊れそうになる蝉の聲。
小さなトランクを開け、静かに微笑みながら荷造りを始めた。
朝6時を回っても、家族は一降雨に起きそうにない。
クローゼットを開け、姿見で、服を当てていく。 最終的に決まったのは、真っ白なワンピース。
忍び足で、家の廊下を歩く。バレないようにしないと。
彼女は、希望に満ち溢れた顔で
「いってきますっ!」
そういった。
******
大きな平屋に、小さく3回ノック。多分これで気づくはずだ。
勢いよく扉があき、私よりも背の高い男
「なに? 成瀬。」
出てきたのは、やっぱり真田 春樹だった。
「やっほ!」
「お前さぁ、6時過ぎに元気よく訪ねてくんなよな」
「いいじゃん別に」
真田は、溜息を吐いた。
彼は、小さいころからの幼馴染で、よく遊んでいた。
「てか何の用?」
少し沈黙が走り、思い切った顔で成瀬 いろはは言った。
「ん-とねぇ。 一緒に家出しない?」
夏の朝に暑さを覚えた。
- Re: 白い朝に希望を ( No.1 )
- 日時: 2023/06/24 08:36
- 名前: 白露 (ID: recIuhzr)
続きです。少しでも楽しんでもらえたら幸いです。
「家出しない?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「はぁーーーーーーーー!?」
「そんな大声出さなくてもいいじゃん」
呆れた顔で成瀬いろはが「てか、そんなおどろく?」と一言足した。
「ていうか、またどうしたんだよ」
いろははにっこりと笑って
「なんでもないよ」
「さ、早く準備しちゃって、一緒に出掛けよ」
ーじゃあなんで泣きそうな顔してんだよ。 しかもよりによってアノ日にー
- Re: 白い朝に希望を ( No.2 )
- 日時: 2023/09/02 18:51
- 名前: 白露 (ID: 9ydMs86F)
続きです。不定期投稿でそろそろたたかれそう…
少しでも面白いと思ってもらえると幸いです。
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「んで、どこにいくの?」
自転車に大きな荷物を持って2人はまたがった。
「んー、分かんない」
「はあ!?行先も決まってないのに俺に頼んだわけ!?」
荷物を上下に振り回しながらいろはは言った。
「とにかくずー--とっ遠い所」
呆れた表情をしながら春樹はゆっくりと自転車をこぎ始めた。
ほほをなでる風が心地いい。スピードは徐々に上がっていき人通りの少ない道に入った。その時、いろはのお腹が大きく音を立てた。
「春樹、おなかすかない?私朝なんも食べてなくてさ、どっかよらない?」
返事はない。「春樹?」
「あのさぁ、春樹って呼ぶのやめてくんない?」
頬が赤いことに気づいた。
「小さいころだけじゃん。名前で呼んでたのって」
いろはは、春樹の腹部に腕を回したぐっと力を加えた。高校生だからか分厚くて大きな体にはあまり力が入らなかった。
「ちょっ、成瀬 なんで急に抱きしめてんの!?」
ガッシャンと大きな音を立てて自転車が倒れた。
- Re: 白い朝に希望を ( No.3 )
- 日時: 2023/09/02 19:38
- 名前: 白露 (ID: 9ydMs86F)
前の文章修正しました。あまり違和感がなかった方もいると思いますが、(。´・ω・)ん? となった方は申し訳ないです。(-_-;)
最近、閲覧数が増えててとてもうれしいです!(^^)!こんな小説読んでくれてありがとうございます。(o^―^o)ニコ
ちょっと長々となるのですが、登場人物たちの名前を紹介しようと思います!
成瀬 いろは naruse iroha
真田 春樹 sanada haruki
です。 いろはって「いろはは、…」ってかいちゃうとややこしいんですよね(;´・ω・) ( ゚д゚)ハッ!長々と申し訳ない。本編行きましょう!
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「ちょっ、聴いてる?」
「………」
「おい」春樹が抱きしめている手を軽くたたく。
すると、いろはが小さな声で
「い、やな、の…?」
「はぁ!? いやも何もなんで急に抱きしめて… わっ!お前、なにしてっ」
ドサッ 春樹は地面に押し倒された。
「何急に押し倒して…」
春樹の頬1滴の涙が落ちた。
先ほどのいろはの優しい目ではなく刺すような悲しい目から冷たい涙があふれだした。春樹の心臓にズキッと痛みが走った。
「どうしたんだよ」
無数の涙が春樹の顔に落ちる。
「おい!俺下にいるから全部お前の涙当たるんだけど」
春樹は押し倒している体勢だったいろはを抱き寄せ座らせた。
「落ち着いた?」
泣き止んだいろはが
「うん… ありがと」
泣いているときの表情とは違い、いつも通りの表情を見せた。
「ごめんごめん。」
目を細めて頭をふりをした。
「ごまかしたって無駄だよ。なんでアノ日に家出なんかしようって言ったんだ」
急に真顔になるいろは。
「別にアノ日とか関係ない」
震えながら「私は別に…」
だんだん呼吸が荒くなる。
「はあはあ、わた、しは?関係ない、は…ず?は、あ」
「大丈夫。落ち着いて」
春樹はゆっくりと背中をさする。
呼吸も落ち着き、会話ができるようになった。
「春…」
「大丈夫。後で話そう。今じゃない。さあ、進もう。話はそれからだ!」
そう言って、ニカッとまぶしい笑顔を見せた。
また、自転車が動き始めた。
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