複雑・ファジー小説
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- 人間操縦士 NO,1
- 日時: 2024/02/09 21:30
- 名前: 変な生命体 (ID: UJ4pjK4/)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
12月の中頃のある月の美しい夜、ガタガタと寒さで震える一見廃墟のような家の立派な門の前に一人の少年が立っていた。
少年の名は「翡翠」彼は親の本当の死因を求めるべくこの廃墟に来たのだった。この少年はここでどのような宝を発見するのであろうか。
3980年、世界的な発見をした医者「ユズリハ」が亡くなった。死因は病とされ、ニュースとなり世界中が驚きを隠せなかった。
しかし彼女の持病は誰もが知っているような病気であった。いや、彼女を知る者であれば誰でも知っているものと言う方が良いのだろうか?その持病とはユズリハ本人が発見した病気であったからだ。だが、その病気は発見した本人であるユズリハしか知らない闇のベールに隠された病である。
世界中の人が悲しみに暮れる中ただ一人の少年、翡翠だけは違った。翡翠はユズリハの甥であり早くに両親を亡くした彼にとってユズリハは親当然のたった一人の家族だった。そんな彼女が何故持病のことも言わず亡くなったのか?その謎を解き明かすための手助けになればと翡翠は彼女が生前”何か”の研究をしていた建物であるこの廃墟にやってきたのだった。翡翠は何かを探るように何年も手入れがされていない庭を琥珀のような目でじっと見てから錆びて開きずらくなった門をその手で開けた。
ギイイイイイ
不快な音を立てながら門はゆっくりと開き、翡翠は恐る恐る庭の中へと入って行った。
庭は門の外から見た以上の荒れ具合だった。草木は何年も手入れされていないせいでボーボーで山に生えてる植物みたいだし、そこら中から虫の鳴き声や羽音が聞こえる。虫がいるからライトを消してしまったが一応石畳のような道があったおかげで虫を踏んづけたりはしなかったようだった。
躓きそうになったりもしたが何とか玄関前には着いたようだった。呼び鈴が今にもとれそうでグラグラしているのもお構いなしで翡翠は廃墟の中へと入って行った。